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2007年11月

  • 2007年の締めくくりは情報てんこ盛りのタウトク12月号で!! tokushima0712hyousi今月のタウトクを手にとってみてください。心なしかずっしり重くないですか? それは冬の徳島を愉しむ情報がぎっしり詰まっているから♪
    ☆特集1☆ 2007年 徳島の話題独占グルメ100
    今年、徳島の話題を独占した「うまいっ!」「感動したっ!」というメニュー100コを一挙公開! 肉汁ジュワ〜な絶品ハンバーグ、意外なものがのった個性派どんぶり、お口でとろけるチーズケーキ…コレ食べとかなきゃ年が越せないグルメばっかりやけん☆

    ☆特集2☆ 超保存版! 四国・淡路の露天風呂八十名湯
    さむ〜い冬は温泉に浸かって、ココロも体もほっこりあっためましょ。ざぶんと肩まで身を沈めれば、ほら、ぬっくぬく。日帰りでいける気軽さもうれしい。

  • さらら創刊10周年イベント「近藤典子さんによる講演会」開催!10周年記念イベントが行われました。雑誌やテレビで大活躍の近藤典子さんを迎え「リバウンドしない片付け方」が講演されました。80分という時間があっという間でしたが、近藤先生流収納のコツをたくさん伝授していただきました。

    今回のイベントの参加にあたり、たくさんのご応募をいただき誠にありがとうございました。
  • さらら11月15日号、発行しました! salala1115.jpg今号の特集は、「スーパーでプチ贅沢♪!」。日常の暮らしで「ちょっとええもん」を買って味わえる幸せな時間。・・・そんな食べ物、調味料、日用品たちを紹介しています。たとえば、パクパク食べてしまうウィンナー、大きい果肉たっぷりのヨーグルト、つぶつぶの食感がたまらないケチャップ、ナチュラルな素材感にうっとりするトイレットペーパーなど、魅力的な品々がいっぱいです。
  • リニューアルしたCU12月号は、みんな大好きカフェメニュー特集 tokushima-cu0712新コーナーがほぼ全ページに渡って登場する今月号!
    気になる特集は…

    ☆カフェのあったかメニュー☆
    寒くなってくると恋しくなる温かい料理を、
    居心地の良いカフェでいただいてほっこり気分。
    あの人気カフェで見つけた、
    冬の最新ぬくぬくメニューをお届けします。
    さらに…
  • 結婚準備を楽しくする情報がいっぱいの結婚しちゃお!冬号sheciao2008winter「結婚が決まった人」「そろそろ結婚を思っている人」へ。
    徳島で幸せな結婚をお手伝いする情報満載の
    ウエディング総合誌「結婚しちゃお!」。
    冬号が発売となりました。

    結婚式場、写真館、衣装店、ジュエリーショップ、
    ハネムーン情報など徳島の結婚にまつわるショップが
    なんと351店舗も入っています。
    どんな悩みもこの本が1冊あれば何でも解決!

  • 雑誌をつくろう そのキュウ「フーテン社員を育てよう」
    文=坂東良晃(タウトク編集人)

     事件だ事件だ事件だ!社員が恋に落ちたのだ!
     って、また妙なことで大騒ぎをしていると思わないでいただきたい。
     そりゃふつー社員が恋愛しようが別離の道を歩もうが、勝ち組だろうが負け犬だろうが、経営者がいちいちクビをつっこむべきことではない。したがって、怒りにまかせて事務所にフリスクをぶちまけるほどの大騒ぎをする出来事とは言えないだろう。しかし、今回はそーゆーわけにもいかないのである。

     話は少し回り道をする。
     僕の会社では「長期休暇をとってもいいよ♪」制度がある。なぜ「長期休暇制度」とすなおに書かないのか。それは就業規則には記載していない場あたり的ルールだからである。僕から社員に対しては「ロングバケーションとってもいいよ」とやさしく声はかけるものの、大半の社員は(そんなもん取れるんだったら、とっとと取っとるわ。このクソ忙しいのにいつ休めるっちゅーんな、この偽善者でペテン師のクソボケ野郎!)と考えている。
     すると僕は心の中でこう反論する。(忙しいんはオマエらの仕事の段取りがトロいけんじょ。デキる人間は、ちゃんと自己管理して休暇の調整ぐらいできるって、この被害者ヅラしたくそはんがー野郎!)。
     そして社員は笑顔でこう答える。「こんな時代に何週間も休んでいいなんて言ってくれる会社なかなかないです!年度末までには休ませてもらいます!」
     ぼくはこう返答する。「忙しいのに休むことまで強制するみたいでごめんね。たくさん休んでリゾートで骨休みをしてリフレッシュしてきてね」
     されど、すれ違いざまにこう思う。社員(フッ、リゾートとは笑止千万。リフレッシュとはウンコ千万。この強制収容所みたいな会社から脱出できるわけないだろイライラ)。僕(オメー、作り笑いできてないって。イライラぶりが口内炎になって出とうって。寂寥感のある薄ら笑いやめんか!)
     このようにわが社においては、長期休暇のあり方をめぐって労使の激しいせめぎあいが展開されているのである。

     そんな絵に描いた餅的な「長期休暇をとってもいいよ♪」制度だが、たまには活用する社員もいる。その女性社員は、テキトーな僕のリップサービスを耳にすると、我が権利得たりとばかりに興奮し、自由よ、愛しき自由よと「ラ・マルセイエーズ」を口ずさみながら毎年のように世界の辺境地に出かけていく。
     先月は、観光客が1年間に数人しか訪れないような、「地球の歩き方」にも載らない密林生い茂る孤島に行く・・・と言って日本を発ったわけである。
     それなりの責任あるポストにある社員である。彼女の穴を埋めるために、残されたスタッフの仕事はたいへんな量になった。「彼女にステキな休暇を過ごしてもらうために、私たちでちゃんとカバーしなきゃね!」とけなげで献身的な声をかけあいつつ、心では(あのクソ女〜、1年でいちばん忙しい時期に何考えとんじゃー死ねや!)とも思いながら黙々と残された業務を引き継ぎ、彼女の帰国を待ったのだ。
     そして、およそ1カ月がたった。真っ黒に顔面を日焼けし帰ってきたその女は、こともあろうに僕およびスタッフたちの前でとんでもないセリフを吐いたのである。
     「あのう・・・会社を辞めてもいいですか?」
     僕はキレましたね。久しぶりにキレた。手に持ったフリスクの箱を顔面めがけて投げつけた。しかしフリスクは大きく外れ、事務所の壁にあたって大破し、そのツブツブがプリンターやらパソコンの排気口に入ってしまい大変なことになった。そのフリスクが・・・まあフリスクの話はこのへんにしておいて、退社理由を尋ねないわけにはいくまい。すると彼女はこう説明した。
     「あの島に私が足を踏み入れたのは運命です。私は、あの島で生きていきたいんです! あの島の人びとに喜びと感動を与える仕事をしたい!」。と、立派な夢をとうとうと述べる彼女であった。
     しかし僕はその時点で知っていたのである。会社の画像サーバーに、彼女が旅先で撮った写真がすべて保存されていることを。そして愚かにも、そこには地元の美青年との出会いから別れまでのラブラブ写真が大量に写し出されていることを! 要するに彼女は未知なる南洋の孤島で、日本の男など足下におよばぬ慈愛に満ちた、美しい褐色の肌を持つ男と恋に落ち、そして彼が生まれ育った楽園たる島に移住をしたいと願っているわけである。
     困ったものである。社員をやる気にさせるために作った休暇制度を利用して、恋にうつつを抜かすのみならず仕事をほっぽりだして海外移住を計画するとは・・・。休暇の意味がまったくないではないか。
     
     だがしかし、発想を変えてみるのはどうか。生涯に一度あるかないかという運命の出会いは、この休暇制度がなければ生じ得なかった。人生を変えてしまうほどの激しく切ない恋愛のきっかけを提供したのだとしたら、大いなる意義があったと言えるのではないか。
     わかった! 君の南洋恋物語を会社をあげてバックアップしようではないか! さっそく年末にはもう一度会いに行きなさい! 仕事中の彼とのメールもOKだ! ただし業務報告として全社員に転送してくれたまえ! 早くエステに通いなさい! 脱毛は完璧かい? 再び出会う2カ月後のために、その美しさにさらなる磨きをかけておきなさい! 
     ・・・てな感じで経営者として完璧な仕事を僕はこなした。いまや企業経営とは、若者の雇用の場をつくり出すだけではなく、人生全般のサポートをするのが務めなのだ。

        □

     職場ってヤツは、人の人生にたいへん大きな影響を与える。太陽が昇って沈むまでの大半の時間を、人は職場で過ごす。そして、20歳から働きはじめれば60歳まで40年。あるいは定年延長で45年。特別な大企業じゃないかぎり、中小の事業所なら夏休みや盆休みはほんの数日与えられるだけだ。法律で有給休暇数が定められても消化しきれないのが現実。そうやって休みなく40年、45年ひたすら働き続けるのが日本人。それは美しい姿だけれど、これから社会に出て働く世代は、こんな滅私奉公な働き方はできないと思う。
     ドイツやスウェーデンの労働者は、年間に4週間から6週間ほどの休暇をとる。特にスカンジナビア諸国では、夏場の1カ月間は大半の企業や工場が操業停止となり、皆がサマーホリデーに入る。経営側も、生産が完全ストップするのを前提に経営計画を立てる。すいぶんのんびりとしたお国柄のようだが、ドイツやスウェーデンが生産する商品のグレードの高さ、国際競争力の強さは説明の必要もない。つまり「たくさん休んでも、いいものづくりはできる」は証明されている。
     長い間ギモンに思っていることがある。企業は人を1年中拘束できるほどのエラい立場にあるのか?ということである。僕は会社をマネジメントする立場にあり、何十人かの働いてくれる人に労働を求めている。出勤することを義務づけ、こなすべき仕事や目標を作ってもらい、成果を求めている。成果がなければ、給料が払えない。だから、集団としての能力がベストの状態になるように考える。それが経営の最も重要な仕事だ。裏返せば、要するに集団をベストに導いておれさえすれば、個々の行動を制約・束縛する必要などないのである。
     絶対王政の時代ならいざ知らず、中世農奴制の時代もはるか遠く、今は人間が人間を統治する仕組みはすべて解明されているのだ。そして、どんな立場の人も、為政者や統治側の考え方を知ることができる。国家、自治体、企業、学校、政党、投資家、労組、宗教法人・・・。だから働く人が、正当な理由もなく自分以外の人間に、無防備に拘束される時代は終わっているのだ。資本主義の幼年期には、労働から派生した余剰価値は利潤を生み、資本家はしごく簡単に上前をはねることができた。しかしこれからの100年、大衆の知が成熟の度を強めればピンハネは容易ではなくなる。
     企業はニンゲンが作ったモノである。資本を持つ者がカネを投じて作ったモノである。紙きれにハンコを押して法務局に届けを出せば、企業のいっちょうできあがりである。その程度の存在である。給与を支払う側の人間が、受け取る側の人間の人生の多くの歳月をフィックスできるはずないのである・・・本来は。
     ぼくは、その人固有の「やりたいこと」を阻害しない会社を作りたい。仕事と「やりたいこと」が完全に一致している人は、まあよいだろう。しかし、そんな人はなかなかいないと思う。お金儲けにもならない、他人にも認められない、しかし自分は「これやりたい」ってことがあると思う。決死の覚悟で辞表を書いたりしなくても、職場でマジメに働き続けながら「やりたいこと」ができる仕組みを作りたい。
     たとえば3年働いたら1年は好きなことをやっていいとか。あるいは1年のうち10カ月働いたら、2カ月は好きなことやっていいとか。その間、無収入になったら生活できないので、最低限の生活保障を企業がするとか。それくらいの制度がフツーにあったらいいのになあと思う。働くときは全速力で働き、働かないときは趣味に没頭したり、店をはじめたり、大学に入学し直したりする。あるいは、子育てをしたり、世界を旅したり、膨らんだおなかをシェイプアップする。そういうことがフツーにできないものか。財務に余裕のある一流企業ならそうゆう制度は作れそうだが、僕らのような小さな会社でも、やる気になればできるんじゃないか。そんな理想とする会社をあと少しで作れそうな気がするのである。
     さて冒頭に登場した女性社員について。僕は彼女を「恋のために1年間仕事を休んだ強者」という生ける伝説とするために、次なる場あたり的制度を構築中である。その名も「フーテン社員制度」。1年間出勤せず別のことをしていても職場復帰できて、休暇中の生活保障もするという仕組みだ。もちろん帰ってきたら休み中に支払った俸禄分はきれいに稼いで返していただくという場あたり的な約束もするんだけど。