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2007年09月04日

タウトク・オリジナルグッズ 『14得アウトドアギア』完成しました!tautokugea.JPGタウトクのオリジナルグッズ14得アウトドアギア』がついに完成しました! スタイリッシュなシルバーのボディには、缶きり、はさみ、のこぎり、コルク栓抜き、爪やすりなど14アイテムを収納しています。いざというときにきっとお役に立ちます!! 「ほしい!」という方は・・・
月刊タウン情報CU*8月号 実売部数報告 cu0708_busuu.jpg cu0708suii.jpg

月刊タウン情報CU*8月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*8月号の売部数は、
6719部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年08月16日

フリーペーパーさらら8月16日号発行! salala0816今回の特集は、徳島に住む素敵な夫たち。

テニスに夢中、仕事にかける姿、子どもと阿波おどりを踊りたいという夢を語るパパ…さまざまな魅力を放つ、徳島の既婚男性12人にインタビューしました。
仕事への想い、今がんばっていることのほか、結婚生活をうまくやっていく秘訣など…刺激とヒントをもらえます。


CU9月号は、心ときめく個室がある料理店が大集合! tokushima-cu0709☆特集☆
素敵な個室がある料理店

ファミリー向けのほんわかアットホームな個室、居心地の良いまったり夜個室、デートにぴったりのラブシート席など
家族と、友だちと、恋人と、シーンに合わせて選びたい素敵空間が広がる個室がたくさん!
味わう料理もより一層美味しくなりそう♪
そして、要チェックの第2特集はというと…

2007年08月13日

雑誌をつくろう そのシチ「二十日鼠の毎日」
文=坂東良晃(タウトク編集人)

 よく部下に怒られる。こんなにしょっちゅう部下に怒られている人っているんだろうか? いっかい日本じゅうの上司と呼ばれてる人とミーティングしてみたい。「そちらさまも部下の方に怒られてらっしゃるの?」「もちろんですよ、そちらさまもご苦労が絶えない様子で・・・」なんて意気投合し、おでんでも突っつきあう会があれば幸せだろうな。

 先日は、ぼくの方針に異を申し立てた女性社員が、話し合いの席を断つやいなや、ぼくの仕事部屋のすべての蛍光灯のスイッチを「バチバチッ!」と切って、ドアを蹴とばして出ていってしまった。夜だったのでぼくは真っ暗のなかに取り残された。パソコンのモニタだけが鈍く光る暗闇の中で、ボーゼン自失となりながらも「こんな怒りの表現があるのか」と感銘を受けた。言葉で罵るでもなく、手をあげるでもなく、「電力を使って怒りの大きさを表現する」。こんな芸術的かつ具体的な感情表現を文学といわずして何とする。
 また「彼氏ができないのは会社の仕事が忙しすぎるから」との理屈で経営批判を繰り返す社員らのために、仕方なく高年収の人たちとの合コンの場を提供したわけだが、今度は「合コン相手6人中4人が太かった」「口いっぱいに食べ物をモグモグほおばっていた」などと更に口撃の熱を高め、合コン不発のストレス解消のために出かけた二次会の飲み代を請求しようとする。
 いわゆる「飲みニケーション」というものが嫌いである。部下と飲んでもロクなことがないからだ。だいたい酒を飲めば人は本音を出すから嫌いだ。部下の本音といえば日頃のウップンであり、必ずその刃はこちらに向けられる。感情が高ぶると人はみな手が出るわけで、不満爆発のビンタおよび鉄拳ストレートを浴びるという展開になる。両国橋の路上で2回、紺屋町の阿波踊りからくり時計の横で1回、部下に殴り倒されたことがある。酔っぱらっているのであまり痛さは感じないが、翌朝はだいぶ腫れている。
 「人徳」に溢れた人は一目みればわかる。柔和で物腰やわらかく、人を肩書きで判断しない。それでいて決断力があり、困難の伴う仕事を明るい表情でどんどんこなしていく。ぼくなどはその対局にある。いつも追い詰められた感じのニゴリ目で相手を見つめ、「このボケ!こんな簡単な仕事もできんのんかーッ?」と、罵詈雑言を浴びせ、椅子をケトばす。
 そんなペラペラの人格ゆえ人徳なるものとは無縁であり、部下はどんどん離れていってしまう。手塩にかけて育てた部下は、ぼくに三行半をつきつけると東京や関西の誰もが知る一流企業にあっさりと再就職を決めてしまう。なるほど、それなりに優秀だったわけだ。そしてお盆や正月の前には、帰省がてら我が社にひやかしにやってくる。この間も、東京の広告業界とマスコミ業界で働く2人がやってきて、ひとしきり青山とか代官山とかの地名が登場する社内恋愛の話をしたかと思うと、
 「○○のお客はあの仕事、○億で受注しろって言うんですよ〜」
 「マジ、安っ? そんなん蹴ってやったら〜?」
 なんてケタ違いの話を、ありふれた日常会話のようにくりかえす。
 そんな元部下たちの話を、ぼくは封筒の宛名書きをしながら、ボーゼンと聞いているのである。もしも億単位の受注なんて入ったら、ぼくなら神社を借り切って夏祭りを開き、村人たちにタダ酒をふるまって飲めや歌えやと舞い踊るのに・・・。
 だから、昔の部下が来襲するお盆前後の時期は気が重い。

   □

 これまでの10年間、雑誌やフリーペーパーの創刊に10本くらい関わってきた。1年間で1コ。これからの10年も10本くらいの仕事しかできないのだろうか、と思う。ペースが遅くてイライラするが、このサイクルでしか仕事できないんだから、これくらいの能力なんだろう。やりたいことはたくさんあるってのに、実行するのはきわめてスローペースだ。スピードを上げようとしても思い通りにはいかない。企画書は1時間で書けても、それを実行する人を育てるには何年もかかる。
 自分には、商売人に必要な「前向きな欲」が欠けている。お金が少々貯まると「1カ月5万円もあれば生きていけるから、もう働かなくていいか・・・」と勤労意欲が萎える。人に誉められると舞い上がり自分を見失ってロクでもないことを始めてしまう。人間関係に恵まれると他人に頼ってしまい、なんでもうまくいく気になって結果失敗する。お腹がいっぱいになると思考能力はなくなり、時間がたっぷりあるとくだらないことしか考えなくなる。要するに満足するレベルが低すぎて、すぐ精神的に満ち足りてしまうから、自分を飢餓状態に置いておかないと、なにもやる気がしない無気力状態に陥ってしまう。
 商売上の危機を迎えると少しハイになって頭も少し動きだすのだが、年がら年じゅう商売の危機を迎えてるわけにもいかない。いたって平穏無事なときは朝から晩まで仕事のことを考えてもなんにも出てこないから、生きている気がしなくなる。
 そんなときはムリヤリ身体を動かして、脳みそをこじ開ける。
 今は2日に1回くらいのペースで眉山に登っている。早朝に起きて朝8時頃には山頂にいる。眉山には登山道が10本以上あり、日々ルートを変えれば飽きることはない。山中には無数のケモノ道がある。山腹を縦横に歩いていると、深い渓谷や亜熱帯植物生い茂る密林に迷い込む。野生の動物・・・巨大な野ウサギやイタチ、山ネコなどに遭遇し腰を抜かしそうになる。そんな自然林のなかを米袋を30キロ入れたザックを背負って駆け上がる。人工の階段を登るよりも、木の根や岩が不規則に並ぶ山道の方が洞察力が必要だ。階段登りは単調な繰り返し作業だが、山道は一歩一歩瞬発的に判断する。ミスをするとすっ転んでしまう。
 重い荷物を背負って走ると心拍数が急上昇し、末端の毛細血管まで激しく血が流れる。1分間に何十リットルもの血が心臓から送り出され、酸素を取り込んでまた戻ってくる。そのうち、ゲロをはきたくなるくらいの酸欠になる。頭がクラックラになってヘタりこむ。寝転がった直後は、血流がそのままである。しかし身体は運動を行っていないので、脳みそにガンガン余分な血が流れ込む。キーンという金属音の耳鳴りがして、眼球がぐるぐる不安定に動き、急激に脳が回転しはじめる。「これこれ、この状態!」とうれしくなる。次から次へとアイデアが浮かび、それをメモしておく。合成薬物の力を借りずに、自分の体内作用でトリップ状態を作るのである。地味な活動でしょ!
 深夜仕事から帰ると、1日に録画してあるテレビ番組10本くらいを2時間で見る。基本120倍速で見て、気になる場面は10倍速で見る。報道番組やバラエティ番組の多くは文字テロップがつくので、音声なしの早送りでもだいたい内容がわかる。また、部屋の中で移動する先のすべての場所、トイレ、風呂、台所、そして布団の横には1冊ずつ本を置いておき、どの場所でも読書できるようにしてある。眠気におそわれるまでの数時間、情報を詰め込むだけ詰め込み、果てる。
 睡眠はなるべく取らない。長い睡眠には満足感が伴い、脳が壊れてしまった印象がする。眠っている時間ほどもったいないものはないから、長くても2〜3時間にしておく。その代わりに昼間、なるべく居眠りをする。眠くなったら我慢せずに1分から5分ほど座ったまま眠るのである。これは布団で1時間眠るのに匹敵するほどの効果がある(ように思える)。
 心拍数にしろ睡眠にしろ、快適な状態からはなにも出てこない。自分を追い込まないと脳みそが動かない。酸素欠乏の朦朧状態、脱水カラカラの血液ドロドロ状態・・・身体が危険な感じにならないと、脳みそにスイッチが入らないのである。クライマーズハイの寝不足アタマ。全力で走っているつもりだけど、同んなじ場所でハーハーゼィゼィあえいでいるだけのオリの中の二十日鼠みたいな毎日。部下に部屋じゅうの電気を全部を消されても、闇を駆ける回転木馬のようにぐるぐると次につくる雑誌のことを考えているのである。

2007年08月07日

街のかわいいガイドブック「とくしま100book」12冊同時発売!100book-series2タウトクとCUが贈るとってもかわいい街のガイドブック、それが「とくしま100book」。
1冊ごとに100件ずつの情報を詰め込んだ12冊の本は「おいしいものが食べたい!」「どこかに遊びに行きたい!」などなど尽きることない女のコの楽しみを次々と叶えてくれるはず。
12冊のラインナップは…

タウトクが、デザイン雑誌「+DESIGNING」 (プラスデザイニング)に紹介されました! hyousi0.jpg simen0.jpg

デザインワークの創造性と生産性をサポートするというのがコンセプトの本
「+DESIGNING」にタウトクが掲載されました! 最新号は「雑誌。」をテーマに、今の日本のエディトリアルデザインについて特集されています。そこに! 「タウン誌の突出する個性、各地の動きと注目誌」ということで、光栄にもタウトクをご紹介いただいたのです。「ザ☆町民性」のコーナーやくいしんぼう仮面さんのインタビュー記事が全国デビューしたというワケです!!
「結婚しちゃお!」読者のみなさまに贈る とってもお得なプレミアムチケットプレミアムチケット2.jpg徳島県下の書店・スーパー・コンビニで発売中の「結婚しちゃお!秋号」には、これから結婚を考えている読者へのプレゼントとしてプレミアムチケットが付いています。このチケットは、式場、エージェント、2次会パーティ会場で使える特典が書かれたもので、「初めて来館した方には○○○をプレゼント」「結婚式をご成約した方には挙式が半額になる」など、お得な特典がたっぷり24枚!ブライダルフェアや会場見学に訪れるなら、ぜひ持っておきたいチケットです。

2007年08月06日

月刊タウン情報トクシマ7月号 実売部数報告 tautoku0707_busuu.jpg tautoku0707suii.jpg

月刊タウン情報トクシマ7月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ7月号の売部数は、
10615部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年08月02日

フリーペーパーさらら 8月2日号発行しました! salala0802今回は、2007夏特別号。徳島の夏をめいっぱい楽しむためのグルメ&レジャー情報がぎゅっ!と入っています。
巻頭特集は「家族でいく夏レジャー」で、イベントや遊ぶスポットを紹介。たとえば…「佐那河内村でサルを追跡してみよう」「夏の星座を観測する」「牟岐で無人島体験」「南極の古代の氷を触ってみる」などなど。また、スーパーなどで催されるキャラクターショーの案内もあります。
作ろう、学ぼう、動物と触れ合おう…家族みんなで「動詞」でいっぱいのアクティブな夏を過ごそう!
また、徳島のおいしいものお店情報がつまった「阿波おどり満喫ガイド」。
帰省する家族や県外からのお客様も多い夏休み。おいしいものを食べにいくときはこのガイドをチェックして。

2007年07月28日

結婚しちゃお!秋号が発売されましたsheciao-aki7月27日、結婚しちゃお!秋号が
徳島県下の書店・スーパー・コンビニで一斉発売されました。

これから結婚をするカップルには絶対に見逃せない、
スペシャルプレゼントがついています。
もう購入いただいた方や書店で見かけた方はお気づきかもしれません。
やや結婚しちゃお!秋号が膨らんでいる…。

その正体とは…
タウトク8月号で手に入れる最高の夏!tautoku08☆特集☆
徳島最強あそび場ガイド
スリル満点の絶叫レジャー、おもしろ観光地、ダイブできる飛込み岩、じゃぶじゃぶ池のある公園、名滝めぐり、旬の味覚狩りなどなど、徳島を思いっきり楽しむ遊び場を大紹介。花火大会やお祭りなど県内のイベント情報も盛りだくさん! 近くでも遠くでも徳島はおもっしょい!




☆特集2☆
徳島夏のうまいもん
徳島の超老舗ラーメン店、海辺のカフェ、スムージー&パフェ、熱帯夜のビアガーデン、アジアと沖縄の南国料理、うなぎ専門店・・・うーん書ききれない! 見どころ満載の徳島極上グルメ特集です。

2007年07月19日

フリーペーパーさらら7月19日号、発行! salala0719巻頭特集は、「ちょっとの工夫であら♪素敵! 写真撮影アイデア」です。夏は、おでかけをしたり、人が集まったりと写真を撮る機会が多い季節。
読者の方から寄せられた「子どもの自然な表情が撮りたい」「手ぶれをしてしまう」「小顔、スリムに写りたい」「記念写真を頼むときの秘訣って?」というお悩みや疑問について、
解決ワザをご紹介しています。ちょっとしたコツを駆使して、この夏思い出に残る写真を撮りましょう!

2007年07月17日

CU8月号はお腹いっぱいになれる可愛い創作料理が満載♪ 0708cu☆特集☆
素敵な料理でお腹もココロも満たしたい!
創作料理店・ダイニング100menu

カフェ、居酒屋、日本料理店、ダイニングバー。
いろんなお店で生み出されるアートのような一皿。
創作料理は料理人が培った経験とアイデアの宝庫なのです。
乙女ゴコロを揺さぶる可愛い見た目と
「このお店でしか食べられない」という特別感で
お腹もココロも幸せに♪

さらに…

2007年07月09日

月刊タウン情報トクシマ6月号 実売部数報告 tautoku0706_busuu.jpg tautoku0706suii.jpg

月刊タウン情報トクシマ6月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ6月号の売部数は、
10117部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年07月05日

フリーペーパーさらら 7月5日号発行しました! salala0705今回の巻頭特集は、「〜とくしまの妻、12人に聞きました〜 キラリと輝く ステキの理由」。
輝いていると噂されている徳島の素敵な既婚女性たちに編集スタッフが会いに行ってきました。お料理上手なやさしい雰囲気の大人の女性、夫婦で阿波おどりをしている人、バレーが大好きな新妻、仕事とサーフィンと家事・子育てをさらりとこなすママ…その魅力にせまりました。
家事ワザや、チャレンジしたいこと、キレイの秘訣など、参考にしたいこともたくさん教えていただきました。
月刊タウン情報CU*6月号 実売部数報告 cu0706_busuu.jpg cu0706suii.jpg

月刊タウン情報CU*6月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*6月号の売部数は、
8192部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年06月29日

タウトク7月号は夏あそび完全版! tokushima-0707☆特集☆
バーベキュー&キャンプ完全ガイド!
夏だ! 肌を焼くなら肉を焼け!仲間が集まったら気軽に行けるバーベキュー場と、手ぶらで行ける初心者向けから、サバイバル能力が試されるツウ好みなトコロまで、徳島県内のキャンプ場&コテージが43件も載ってます。
☆特集2☆
わが店の五つ星メニュー
シェフ・板前・店長さんが、「絶対うまいけん!」と太鼓判の一品を紹介。

2007年06月23日

巡礼者との旅 後編
pakistan(前編のお話)世界じゅうの旅人がイランを目指していた。高騰する闇両替相場は、最高級ホテルの宿泊費を1泊500円にまで価値を下げた。旅人たちは「テヘランのヒルトンホテルで再会しよう」を別れの言葉とし、地の果てにパラダイスがあると信じ、ひもじい旅に耐えた。そしてぼくは豪雪のトルコ国境からイランに足を踏み入れたのだったのだったのだ。
文責=坂東良晃(タウトク編集人)
 イランのあちこちの村で、ぼくは「アヒョー」と奇声を発しながら暴れ回っていた。といっても、どこかの悪漢と戦っているわけではない。子どもたちのリクエストに応じているのである。
 砂嵐のなかから突如現れた黒髪の東洋人に大コーフンした子どもちは、必ず「ブルース・リーやってやって」と激しくせがむのだ。ならばと下段回し蹴りからハイキックの二段蹴り、そして旋風開脚ローリングソバットという大技を繰り出せば、おおいに盛り上がる。さらに野次馬客からひとり生けにえを選び、四の字固めや猪木ばりの卍固めをかける。金縛りにあったかのような東洋の神秘的魔術(プロレス技だけど)に見まわれると、「この男、ただ者ではない」と畏敬の視線が集まる。
 このカラテショウはたいした盛況ぶりで、常に何十人もの村人に取り囲まれやんやの声援をおくられる。演武をしているうち観客の目に「もっと見たい、もっとすごい技はないのか」と期待の炎が点る。 ぼくは悩む。高校の格闘研究会でやってたタイガーマスクの真似事では、収拾がつかなくなってきたのだ。
 カラテショウに新たなエッセンスを加えられないかと、思いをめぐらせ街をほっつき歩いていると、商店の軒先にぶら下がったヌンチャクが目に飛び込む。値段は100円ほど。「ちょっと試しに」と店の前でブンブン振り回していると、わんさか人が集まってきた。得意の「アチョ〜」の雄叫びを入れてみると、割れんばかりの歓声と拍手。これだこれだ、求めていたのわー!
 それから村に着くたびに、ヌンチャク芸を披露することと。乾いた空気を切り裂き、宙に踊るこん棒。トドメの一発をお見舞いして、キメのポーズをとる。見物しているお客さんがどんどんお金をくれる。「お金いらない、ただ見せてるだけ! これはぼくの趣味でありサービスです!」と大声で断わっても、「おもしろかったよ、とっておけよ若者よ」と返却拒否なのである。
 イランで放擲しまくるはずが、豊かさとは縁遠い村人たちからお金を集めてしまってどーすんだ!と自分自身を責める。
 日々お金は集まるのに、使い道はない。旅の連れであるパキスタン人の巡礼者一行は、ぼくに一銭のお金も使わせようともしない。食事を分け与え、乗り物代を出してくれる。遠慮しても断っても、まったく受け入れようとしない。そしてイランの人びとも、若い旅人であるぼくに食物と寝る場所を寄進してくれる。彼らは、自分より貧しい(と思われる)相手には決して金を払わせない。分け与え、奉仕する、そういう精神が全身に染みついているのである。

 この旅のハイライトが近づいている。
 公定レートの20倍もの闇両替で手にしたイラン・リアルの札束で、首都テヘランで思いぞんぶん贅の限りを尽くすのだ。快楽、放蕩、堕落、デカダンス。そんな魅惑の言葉がアタマを駆けめぐる。五つ星ホテルの高層階、給仕が注ぐ豊潤なグラスワインとフルコース、そしてフカフカのベッドで大の字に寝っ転びながら、夜景を絨毯に絶世の美女と・・・生唾を飲み込む。
 巡礼者を乗せた乗り合いバスは、騒音けたたましいテヘランのバスターミナルに滑り込む。タイミングだ、タイミングが重用なのだ。この街に何か重要な用件があるように匂わせて、親切なパキスタン人たちから一気に離脱するのだ。
 バスがプラットホームに着くやいなや、ぼくはイの一番にザックを棚から下ろし、「じゃあこの辺で」と別れを告げる・・・告げるはずだったその寸前、巡礼者のリーダーはこう言い放つ。
 「兄弟、テヘランは巨大な都会だけどアセる心配はないぜ。俺たちの知り合いの所で寝泊まりできる。オマエはついてくればいいだけだ」。そしてガッチリと腕を取られる。ああ、逃げ出せなかった。こんな貧しい旅をしている彼らにさんざお金を払わせて、今さら「ぜいたくな生活を満喫したいからテヘランまでやって来た。ここからは別行動でお願いします」なんて切り出せない。
 長い距離を歩いて到着したのは、巡礼者が泊まる簡易宿泊所であった。建物の地下にある穴蔵のような場所に荷物をおろす。壁も床もむき出しの土。荒いワラで編んだムシロが敷かれている。ボーゼンと立ちつくすぼくに巡礼者たちは「お金の心配はご無用だ。ここは無料さ」と励ましの声をかける。高級リゾートホテルで豪遊計画は、何の因果か真っ暗闇の巡礼者宿。こそこそと抜け出そうとすると「兄弟、どこいくんだ? 食事ならいっしょに行くぜ」。そして、またもや施しを受ける。晩ごはんはフレンチ・フルコースではなく、むろん庶民食堂のシシカバブーである。
 イランには桃源郷がある、そう信じて旅を続けてきた。しかし、今ぼくは首都テヘランのどこの場所にあるとも知れぬ安宿の、さらに地下にある土ムシロの上で、一滴のぶどう酒を口にすることもなく、爆発寸前の欲望を抱えてらんらんとしたマナコで天井を見上げているのだ。

 三千キロもの長い距離を、こうやって巡礼者たちと旅した。
 砂礫と、岩山と、道。どこまでいっても変わらない風景。太陽がぐるっと天空を半周するあいだ、空が砂が接する境界の方に向かって、彼らは1日5度の祈りを捧げる。
 宿場町もない砂漠の真ん中で、ときおりバスが停まると、乗客たちが四方へと散っていく。そのさまは熱砂の風に吹かれるうぶ毛の生えた種子だ。民族衣装の上着のすそをそのままに、彼らは砂漠のアチコチにしゃがみこむ。最初は祈っているのかと思った。しかしその敬虔さは感じない。もっと人間的な、安堵の匂い。ふだんは対立している厳しい自然と人間がなんとなく調和しあった関係。つまり彼らは、しゃがんで用を足しているのだ。イスラムの男たちは夕陽に染まる紅色の世界を、タンポポの種のようにゆらゆらと歩き、乾いた砂にわずかな湿り気を与えるのだ。

 イランの旅を終え、パキスタンに入り、ぼくは相変わらず街角で大道芸カラテショウをやって見せ、いくばくかの収入を得ながら、衣食住のすべてを巡礼者の財布に頼って旅をつづけた。パキスタンとインドの国境近くの大きな工業都市ラホールが、彼らとの別れの街だった、
 巡礼者のリーダーであるチェ・ケバラ似の男前氏は、「オマエに見せたいものがある」と、迎えにきた欧州車に乗りこむ。ピカピカに磨かれたツヤのあるボディの高級輸入車・・・ん?
 野球場ほどの前庭を構える工場群を、車は猛スピードで進む。やがてひときわ立派な工場の門をくぐる。「私のファクトリーを見てくれたまえ」と述べる彼の顔はキリリと引き締まり、長く旅をともにしてきた土くれにまみれの巡礼者のものではない。油断のない笑顔をたたえたビジネスマンの顔である。工場に足を踏み入れると、巨大な印刷輪転機がうなりをあげ、制服をまとった従業員たちがキビキビと働いている。
 (こりゃ、もしかして?)とアセる。
 1カ月間、ともに砂漠で砂まみれになり、虫食いの毛布にくるまり、ムシロのうえで雑魚寝した巡礼男は、巨大な印刷設備をもつ印刷会社の御曹司だったのだ。彼は語りを止めない。「君はゆくゆくは本を出版する会社をしたいと言っていたね。君がいつか日本で大きな会社をつくったら、私の印刷所に発注してくれたまえ。もちろん安くしておくよ。日本に帰ったら安くインクを仕入れられる会社を調べてくれないか、日本のインクは品質がよくてね・・・」
 そうなのだ。彼は大金持ちだったのだ。一生に一度のメッカへの巡礼を極めて質素に、そして貧しき者に施すことを務めとし、いっときの貧者を装っていたのだ。
 「あひゃー!ほんなら気にせんとテヘランで豪遊したいってゆーたらよかった!!」というぼくの心の叫びは、印刷機の轟音にかき消されてゆくのだった。

2007年06月17日

CU7月号で可愛く美味しく夏あそび♪ tokushima-cu0707☆特集☆
とくしま新入荷!夏のヒットアイテム500&
夏に食べたい!絶品夏グルメ

水着に浴衣、アクセサリー、アウトドア用品など
夏に欠かせない新アイテムを大公開!
そして、リゾート気分の多国籍料理や夏野菜を上手に活かしたヘルシーな一皿、ビールにスイーツなどなど、暑さも跳ね除けるおいし〜い夏グルメが大集合!
さらに…