• 2022年09月28日日帰りの湯 タウトク10月号

    ■日帰りの湯
    紅葉の秋に食欲の秋…里山の美しい景色を見て、旬の食材を使った料理に舌鼓を打った後は温かな湯に癒されたい!
    大鳴門橋を間近に望む大浴場や祖谷の野趣あふれる露天風呂から45℃の極あつ湯、日替わり湯などの変わり種まで徳島の二十一湯をピックアップ。
    掲載している全施設の入浴割引クーポンつき!

    ■魚がうまい店
    漁港のそばの名店、魚屋さんが営む食堂、釣り好き店主の店など、海鮮の仕入れにも調理にもこだわるお店をご案内。

  • 2022年09月22日startt9/22号 加茂谷がおもっしょい
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    ■加茂谷がおもっしょい
    地元住民や移住者が一緒になって地域の賑わいを生み出している阿南市加茂谷地区。那賀川の中流域に位置する10町からなるエリアだ。たくさんの史跡が残る遍路道「かも道」や落差30メートルの「午尾の滝」、お松大権現など歴史的な魅力や自然あふれる地域に、今新しい風が吹いている。話題のお店や町づくりに情熱を注ぐ人たちを訪ねた。

    ■予約必須のSWEETS
    予約分だけを作って販売するスタイルのパティスリー。贈り物や手土産、自分へのご褒美に…とっておきのスイーツはいかが?

  • 2022年09月20日バカロードその158 アフリカ密林編5「流星の巣」

    文=坂東良晃(タウトク編集人。1987年アフリカ大陸5500km徒歩横断、2011年北米大陸横断レース5139km完走。人類初の自足による地球一周(喜望峰→パタゴニア4万km)をめざし、バカ道をゆく)

    (前号まで=アフリカ大陸の徒歩横断を試みる“ぼく”は二十歳。アフリカ東岸の国ケニア共和国の港町モンバサを出発した。ケニア、タンザニア、ルワンダを経て二千キロ余りを踏破し、大密林地帯のザイールへと入る。州都キサンガニから西へ向かう道が途切れたことから、一艘の木彫りカヌーを買い、川幅最大十キロという大河・コンゴ川を下る決意をする。川を下り始めて一週間、六百キロある川旅の半ばにある)

     コンゴ川には「人喰いカバ」以外にもいろんな伝説がある。有名なものは「地獄船」である。地獄船とはザイールの首都キンシャサから内陸都市キサンガニまでの片道約二千キロを往復する商業船のことである。貨物輸送できる満足な道路がないこの国で、地獄船だけが唯一、大量の物資と人を数千キロにわたって移動させられる。この船をヘルシップ(地獄船)と呼んでいるのは貧乏旅行者だけで、ザイールの民にとれば「希望の船」といったところである。
     「地獄」の冠は、比類のない船内の混乱ぶりを指して称されたものだ。詰め込めるだけの人間、野菜、衣類、家具、豚に鶏…があふれ、目隠しされた食用ワニや、かさぶただらけの奇魚が甲板に無抵抗なままに転がっている。船上は交易場と化し、人々は市を開いてモノを売りさばき、買い占め、再び売る。
     途中で立ち寄る村からは、どんどん人が乗ってくる。誰も乗船券など持ってないのに堂々と乗客ヅラをし、人と動物とモノの間に割り込んでくる。そんな密集した船内にだけあって、マラリア、コレラをはじめひととおりの伝染病が蔓延し、死に至ることは珍しくない。川底の浅いコンゴ川で浅瀬に乗り上げるのは日常茶飯で、ある時など川の真ん中で二週間も立ち往生し、数百の乗客が腐乱死体で見つかったという(これは大げさすぎる都市伝説だとぼくは思うが)。
     「地獄船」にまつわる噂と憶測は、ジャングルを旅する者たちの妄想をかきたてながら、熱帯の偶像を作りあげる。地獄船に乗り込み、数十日を耐え、大ジャングルの塵芥にまみれることは、密林旅行のロマンチシズムなのである。達成すれば勲章となる。勇気あるツーリストは、いつ訪れるとも知らぬ船の到着を、コンゴ川の畔で何週間もぼんやり待っているのである。
                  □
     川下り九日目。
     幸か不幸か、本物の地獄船とすれ違うこともなく、孤独な川の旅が続いている。数十キロにひとつあるかないかの集落の近辺以外で、人に遭遇することはほとんどない。
     今日はついに村が現れないまま日没を迎えてしまった。仕方ない。小島で野宿することにする。うっそうとしたジャングルが川岸近くまで迫っている。椰子の幹に蚊帳をくくりつけ、葉っぱを地面に敷き詰めて寝床を作る。
     真夜中、眠り込んでいると、荒々しい息遣いに目覚める。蚊帳の周りの暗闇に巨大な影がうごめいている。影は一つではない。少なくとも三つ以上いる。バオッバオッと咆哮をあげる。
     そのうち、足元でグシャグシャと何かを喰いあさりだす。寝る前に、濡れたビスケットを乾燥させておいたのだ。カヌーが浸水したときに水浸しになった貴重な食料である。どうやらそれを、むしゃぶり食われているらしい。ビスケットを喰いつくすと、蚊帳越しにぼくの腕の臭いを嗅ぎ、フンゴフンゴと鳴く。こりゃ野ブタだ。しかも猪のように巨大だ。ヒゲの感触がザワザワと皮膚を刺激する。カバが人間を襲う話は山ほど耳にしたが、野ブタが危険生物かどうかは聞いたことがないので、正しい対応が思いつかない。身動ぎせず耐える。
     野ブタの群れは、これ以上食い物がないと悟ると、蚊帳から離れていった。森の奥に入っていきブォーという雄叫びをあげて、バフバフと肉と肉が衝突する音がする。交尾をはじめたようだ。ぼくは豚に噛みつかれずに済んでホッとして眠りにつく。
                  □
     川下り十一日目。
     今日中にカヌー旅の終着地点となる街・リサラに着くぞ!と必死に漕ぐ。リサラは、キサンガニから千キロ下流間の最大の街という。
     ところが午前から向かい風の大風が吹きはじめ、高波がカヌーの内側にザブザブ侵入してきては、いくら漕いでも前進はおぼつかず、逆に上流へと連れ戻されそうになる。
     日没間近、集落もなく焦っていると、二日前に上流のブンバ村にいた木材の輸送船が停泊していた。操舵室に向かって「誰かいませんか」と叫ぶと、乗組員が顔を出し「オマエ、上の方の村にいた奴だな。夜はカヌーに乗ると危ないよ。今、メシ食ってるから上がって来い」と誘われる。
     直径二メートルはある巨木を数十本束ねた丸太船だ。体育館の床ほどの広さのイカダを、小さな動力船がけん引している。これから首都キンシャサ近くの取引所まで、幾日もかけて材木を運んでいくのだという。
     この巨大イカダが今夜の寝床だ。乗組員たちが、丸太の上に木の皮を集めて敷きつめ、簡易ベッドを作ってくれる。支柱を立てて蚊帳を張って完成。
     船員たちが、川魚やイモを煮込んだスープを椀に山盛りにして注いでくれる。コンロの火を囲んで、夜飯を食っていた最中だったようだ。
     彼らはコンゴ川の水をそのままコップですくって飲んでいる。「その水を沸かさずに飲んで、コレラにかかったりしないんですか」と尋ねると、「オレらは生まれたときからこの水を飲んでいる。大丈夫だからおまえも飲みなさい」と勧められる。それまでは、村で出された濁り水は飲んでいたが、コンゴ川からの直飲みはさすがに控えていた。まあでも、地元の人が大丈夫ってんだから大丈夫なんだろう。コーヒー色をした濁り水をガブカブ飲む。
     久しぶりに満腹になるまでマトモな食事をしたので大満足である。丸太船に寝転ぶと、夜空は百八十度さえぎるものは何もない。闇の深さに浮かぶ人工の光源は、蚊帳の中で炊いている蚊取り線香のオレンジ色だけ。星の光のまたたきは、チカチカと音が聴こえそうなくらいに騒がしい。流れ星が幾筋もの白い軌跡を残して地上に降る。黒い半球の表面を次から次へと流れつたう。ここは流星の巣だ。一生分の願い事をつぶやいてもおつりがくる。
     丸太船は揺りかごのように、ゆっくりと揺れている。どこからか、長い汽笛とともに銀河鉄道が降りてくるんじゃないかと、子供のような幻想にとらわれる。
                  □
     川下り十ニ日目。
     夕べとはうって変わって無風だ。鏡の表面のようにつるつる滑らかな川面を、幾何学的な波紋を描いて進む。
     不思議なことに、抗生物質を飲んでも治らなかった下痢がピタリと止まっている。昨日の晩、コンゴ川の水を直飲みしたからなのか、これが自然の治癒力かと驚く。
     丘陵上にリサラの街が現れる。ここがカヌー旅の終着地点である。ゆるく湾曲したコンゴ川の縁に屹立するこの街は、湖に浮かぶ島のようにも見える。
     州都キサンガニからここリサラまで約六百キロを十ニ日かけて下った。リサラから西方面へは道路が中央アフリカ共和国の首都バンギへと伸びている。バンギまで、五百二十キロほどの距離だ。
     カヌーは川辺に乗り捨てることにした。どうせ売っても端した金にしかならないだろう。
     街に上陸する。リサラはこの数百キロ間で最大の都会だが、豊かさは感じられない。茅葺き屋根の家々が、ぬかるんだ道の両側に延々と連なっている。
     珍しく立派な店構えのレストランが現れたので、たまにはぜいたくも良かろうと入ってみるが「メニューは山羊肉のスープだけだ」と言う。パーム油でねっとり味つけされた山羊肉は、パサパサしているうえに野獣臭が立ち昇り、喉を通すので精一杯なほどマズかった。
     店を出て、碁盤目状の街を西へと向かう。土埃が舞う長い道の左右に市が立っている。売っているのは天日干しの魚や、燻製された密林の動物だ。
     めったやたらと暑い。Tシャツが汗でぐっしょり濡れる。呼吸がうまく続かない。脚の関節がサビがまとわりついたみたいに軋む。カヌー旅をしていた十二日の間に、すっかり下半身が衰えてしまったのだ。
     乾ききった赤土の道の上で、熱い太陽にチリチリと焦がされながら、目玉が飛び出した干し魚のように、みじめにゼエゼエと喘ぐ。歩き旅の再開だ。ここからアフリカ西海岸まで二千キロ以上ある。あの飢えと乾きとの戦いがはじまるのだ。
    (つづく)

  • 2022年09月16日パンと焼菓子が好きなんです‼ CU10月号

    ■パンと焼菓子と・・・。
    芳醇な香りに包まれる幸せなひととき。どれにしよう?今日の気分は? 朝食に、ランチに、はたまたおやつに。ほっこりする味に満たされる。話題のベーカリーや気になるベイクショップへ。
    ■あいたんYO!
    街のホットなニュースをお届け!

  • 2022年09月15日ボリューム満点! 満腹どどど丼
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    ■特集 満腹どどど丼!
    ボリューム満点!ガッツリ党必見の迫力ビジュアル丼がそろい踏み
    ■美味なり! 専門店のお惣菜
    ■手土産手帖
    ■懐かしグッズで「時間旅行」
    ■おすすめ商品10!
    今回のテーマはクラフトビール

     

  • 2022年09月08日startt9/8号 ENJOY 自転車
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    ■ENJOY 自転車
    自転車ファンを迎え、楽しみを分かちあうショップが徳島にはたくさんある。自転車文化の発展に情熱を注ぐ老舗自転車店、交流できる無料休憩所を作った鳴門のサイクルショップ、新しい風を吹き込むBMXスクール。この夏にはサイクリスト応援宿も登場。自転車ライフの魅力を発信するショップオーナーを訪ねました。

    ■やるけん2022
    今年じゅうにやりたいこと、かなえたいこと、実現するぞ!と心に誓っていること。読者の皆さんから寄せられた「やるけん!」を大発表!!

  • 2022年09月06日タウトク・CU8月号 実売部数報告

    月刊タウン情報トクシマ8月号、月刊タウン情報CU8月号の実売部数報告です。

    タウトク8月号の売部数は、4,093
    2208_タウトク部数報告
    CU8月号の売部数は、4,075部
    2208_CU部数報告
    でした。

    詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
    多くの出版社では、発行する雑誌において実際の販売部数と大きくかけ離れた「発行部数」を公表しています。当社メディコムが発行する「タウトク」「CU」では、「実際に何部が売れたのか=実売部数」を発表しています。

  • 2022年09月01日さらら9/1号 新しいうどん屋さん
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    ■こだわりの麺とダシを求めて
    新しいうどん屋さん
    今年オープンorリニューアルしたお店など近年できたうどん店が集合!
    ■手土産手帖
    ■40代のヘアケア日記「風になびけ!中年の髪」
    ■とくしま公園探訪
    新しくなった公園にフィーチャー!

     

  • 2022年08月26日新店案内2022×魅惑のジェラート タウトク 9月号

    新店案内2022
    徳島に新しい風を吹かせる新店が続々登場。
    最近ブームのキンパが買えるお店やSNSで話題の夜型のスイーツ店など行ってみたいショップが盛りだくさん♪

    魅惑のジェラート
    行列ができる人気店からはじめましてのお店まで!
    ひんやり、とろける幸せをお届け。

  • 2022年08月25日startt8/25号 十代の挑戦
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    ■十代の挑戦目標を掲げ、それぞれの舞台で挑戦を続けるキッズ&ジュニア。ガムシャラに打ち込む日々が、夢へのトビラを開く鍵となる。可能性は無限大。starttは頑張る十代を応援します!

    ■#キンパ大流行中
    ごま油香るごはんにたっぷりの具材…思わず手が止まらなくなる、韓国風海苔巻き「キンパ」。昨今、徳島でも食べられる場所が続々誕生しています!韓国料理店がプロデュースする専門店や完売必至のテイクアウト店、デリカ自慢のスーパーマーケット。各店のオリジナリティが光る1本をご紹介。

  • 2022年08月19日ごはんとおやつ。 CU9月号

    ■ごはんとおやつ
    旬の食材たっぷりのランチに時間を気にせず1日中食べられるごはん、こだわりのシフォンケーキや3種のデザートがついたよくばりセット・・・。お気に入りのごはんとおやつで心もお腹も満たされる至福のひと時を。
    ■かき氷のススメ-vol.2-
    洋食屋さんやケーキ屋さん、和菓子店、さらに夏のみ出会えるかき氷屋さんも!8月号に引き続き、お店の個性が光るとっておきの26選を集めました。
     

  • 2022年08月18日バカロードその157 アフリカ密林編4「滑空する肛門魚と人食いヒポ」

    文=坂東良晃(タウトク編集人。1987年アフリカ大陸5500km徒歩横断、2011年北米大陸横断レース5139km完走。人類初の自足による地球一周(喜望峰→パタゴニア4万km)をめざし、バカ道をゆく)

    (前号まで=アフリカ大陸の徒歩横断を試みる“ぼく”は二十歳。アフリカ東岸の国ケニア共和国の港町モンバサを出発した。ケニア、タンザニア、ルワンダを経て二千キロ余りを踏破し、大密林地帯のザイールへと入る。州都キサンガニから西へ向かう道が途切れたことから、一艘の木彫りカヌーを買い、川幅最大十キロという大河・コンゴ川を下る決意をする)

     ジャングルの大都市、キサンガニ・シティの対岸にある寒村から、六百キロ西にあるリサラという街まで、コンゴ川を木彫りのカヌーで下りはじめた。
     二千五百円で購入したカヌーは、1本の丸太から削り出したもので、長さは四メートル、幅は七十センチほどの一人用だ。細くて不安定な漕艇を川に浮かべ、ビビリながら漕ぎだす。ぐらぐら右に左にと揺れるばかりで沖に出られず、陸に逆戻りしては、見物客の喝采と嘲笑をいっせいに浴びる。岸辺には、外国人の無謀な挑戦を見ようと、たくさんの村人が集まっては、酒の肴にしているのだ。
      櫂(パドル)もまた木彫りである。カヌーの左側の川面に櫂を入れたら、右に曲がるはずなのに、まったくそうはならず、川の流れの圧力のままに船首はあらぬ方を向き、みじめな格好で流されていく。自分の思惑どおりの方向には移動できない。ほとんど漂流である。
     赤銅色に濁った川水は、一センチ底すら透かさない。森のような巨大な浮草が、轟音を立てて通り過ぎる。この間まで歩いていた閉ざされた密林が嘘のように、空は百八十度の半球を描いている。
     川は、今まで見たどんな海よりも広く感じる。何万立方メートルもの水が、そろりそろりとしたスピードで地の果てまで流れていく。その膨大な質量を体の下に感じると、更に不安定な気分に陥る。
     しばらく川に流されるがままでいると、大型カヌーを駆った三人組が接近してくる。彼らは、眼光鋭く「なんだかんだ!」と因縁をつけはじめる。複雑なリンガラ語を理解する術もなく、彼らのカヌーに固定され、川岸へと牽引される。
     抵抗できないままに岸辺へと拉致される。男たちは「この船は俺たちのモンだ。今すぐ寄越せ」という主張をしているようだ。このカヌーが盗品だったのかどうかはさておき、強引なやり方にムカッ腹が立ったので、一番上背のある男の胸ぐらをつかんで頭突きを入れ、足を払って倒してやる。すると、ほぼ同時に、別の男のナックルパンチを顔面にくらう。前歯が上唇に刺さって流血する。とにかくカヌーを奪われたらこの旅は終わってしまうという憤怒から、ぼくは「ワーワー」と大声をあげて暴れ、その気勢に三人が圧されたと見るや、強引にカヌーを沖に出して逃げる。
     男たちは追ってこなかった。どういう事情でぼくのカヌーを奪おうとしたのかはわからない。実際に盗品を転売したオヤジから買ってしまったのかもしれないし、ただの強盗だったのかもしれない。
     いきなりのトラブル発生で焦ってパドルを漕げば、船はぐるぐる回転するばかりで、ぶさいくな格好で漂流していると、今度は後方から猛然と一艘のカヌーが現れる。
     漕ぎ手のオッサンは漁師らしく、彼の船は大量の投網が占領している。並走しはじめたオッサンは、まともに船をコントロールできない哀れな外国人を気の毒に思ったのか、正しい櫂の操り方にはじまり、カヌーの底に空いた穴から漏れる水の目止め方法まで伝授してくれる。ぼくは従順に指導に従う。
     四、五キロ並走すると、彼は「まっすぐだ。まっすぐいけば村がある」と言い残し、猛スピードで消え去っていった。
     あらためて一人で漕ぎだすと、不思議なもので軸先にかかる水圧を身体で感じ取れるようになっていた。頭上で櫂をヘリコプターのようにぐるんと回転させながら、左右交互に水面をかくという、オッサンが教えてくれた玄人っぽい漕ぎ方を試すと、カヌーの舳先がびゅんびゅんと真っ直ぐ水を切っていく。船と自分が一体化したような気分になる。
     ヤッホ、ヤッホと声を出しながら一時間も進めば、岸辺の崖の上に大きな建物のある「ヤクス村」に着いた。まだ日は高いけど、初日はここまでにしておこう。上陸すると、村には十数軒の屋台が並んでいるが、どこもかしこもバナナしか売っておらず、疲れて食べる元気がない。川から見えた大きな建物は病院だった。玄関が開けっ放しだったので、待合所のような所にもぐりこんで寝る。
                  □
     川下り二日目。
     昨日カヌーを留めておいた場所に向かうと、影も形もない。盗まれてしまったのだろうか。
     「ぼくのカヌーが消えてしまった。誰か知りませんか」と泣きべそ顔で訴え、辺りを探していると、昨日、カヌーの指導をしてくれたオッサンが現れ「ムトゥンボ(カヌー)はあっちに移動しておいた。取ってくる」と走り去る。やがて密林へと通じる小川から立ち漕ぎで登場する。
     「こんな川岸に留めたまま夜を越したら、増水したときに流されてしまうよ」と櫂を渡してくれる。どこまでも親切なオッサンなのであった。
     雨季のコンゴ川は雨日和がつづく。空はどんより厚い雲をたたえ、冷たい雨が川面を叩く。夕方、白波の立つ早瀬に巻き込まれるが、何とか脱出する。それなりにカヌーを操縦するスキルが上がってきたようだ。
     日暮れ前に川辺の集落に上陸する。二日間、何も食べていないのでハラがへって力が入らず、重いカヌーを陸揚げするのに四苦八苦する。周囲を取り巻いている村人たちに「コメが食べたい」と訴えると、「ちょっと待て」と言うが早いか、洗面器にドカッと山盛りにされた五合分もありそうな白ごばんを出してくれる。おかずは彼らが「ピリピリサマーキ」と呼んでいる赤い香辛料入りの魚缶詰だ。ピリピリサマーキを米に載せて手でかき混ぜながら食べる。ぶっかけメシはほんとうにうまい。コメばんざいと心で叫ぶ。
     夜は、村長の家で泊まらせてもらう。黄色く濁ったドブロクを飲まされ、周りの皆が踊りだしたので、酔っぱらいがてら日本舞踊を適当に踊る。村長宅には大勢の村娘たちが集まってきていて、ぼくの髪の毛を代わる代わる撫でては「黒くてまっすぐな髪の毛、いいわねえ」などと色っぽい吐息をかけてくる。上機嫌の村長は「この中から一人選んで子供をつくれ。そしたら、真っ直ぐな髪の毛の子供が生まれる」などと調子に乗っている。どこまで本気なのかわからず怖い。
                  □
     川下り四日目。
     本流から支流に入る。 支流と言っても川幅は一キロくらいある。出発以来、ずっと茶濁していたコンゴ川が、ふと気づくと透き通って川底がきれいに見える。透明な水に揺らぐ紫や白の砂粒にうっとり見とれていて油断してしまい船底が浅瀬に乗り上げる。櫂にいくら力を入れても脱出不可能、座礁してしまったのだ。
     いくらもがいても状況は変わらず、ヤケのヤンパチで船を降りてみる。おそるおそる足を踏み出すと、川底は思いのほか硬く、歩いてもへっちゃらであった。ぼくの体重が減った分、船も軽くなり、座礁位置から脱出成功する。
     でっかい川のど真ん中を、ロープで結んだカヌーを飼い犬のように引っ張って歩く。映画「十戒」の海を切り裂いて歩く聖者のように、ぼくは堂々と川を歩く。
                  □
     川下り五日目。
     食料を求めて川の横断をする。一日に一度は、適度な大きさの村を見つけて、食料補給をしたい。
     なめらかな鏡の表面のようにぬるりと平板な川面に、カヌーの波紋がするすると扇状に広がる。まっ白なガスが、頭上低く静かに移動していく。いったいいくつ島をわたってきただろう。今、カヌーの脇に連なっているこの陸地は、コンゴ川の右岸なのか、それとも中洲の 一 部なのかわからない。川幅は十キロほどもあり、その間に何百もの中洲が浮かんでいる。気が遠くなりそうなくらい広大だ。
     七時間も漕ぎ続けて、ようやく支流の右岸らしき陸地に村が現れる。高い崖が連なっていて、崖の上に子どもたちが何人かいたので「ハラへった、メシを食べたい」と叫ぶと、「魚も肉もあるぞ」と言うではないか。これ幸いと二十メートルくらいの絶壁をよじ登って村に入る。
     この村は「ヤーレンバー村」というそうだ。パパイヤがいっぱい実っていて、村じゅうパパイヤの甘い匂いが充満している。「パパイヤを食べたい」と言うと、村人が良く熟れたパパイヤを八個持ってきてくれたので五十円で買う。ところが後から後から、村人たちがわんさとパパイヤを抱えてきて「こんなのタダでやるよ」と言う。三十個くらい集まってリュックはパパイヤで満杯になる。最初に五十円払ったのもったいなかったなと後悔する。
                  □
     川下り七日目。
     すがすがしい朝だったが下痢気味で、カヌーの上で屁をこくと同時にウンコを漏らす。しかし、見ている人は誰もいないのでパンツを脱いで洗えるから嬉しい。
     川岸に倒れていた古木の上に攀じ登ってしゃがみ、川に向かって野グソをしていたら、背後に気配を感じる。と同時に、ケツの穴周辺に鈍い痛みを感じる。ふりかえると、鋭く口の尖った銀色の目玉をした魚がウヨウヨと何十匹も集まっては、ぼくの排泄したウンコを食らっているではないか。さらにエサ(ぼくのウンコ)にあぶれたヤツらが、肛門めがけて、水面を叩いてビュンビュン滑空してくる。さっきの痛みは、目玉魚のクチバシの感触だったのだ。怖くなって、あわててパンツをあげて逃げる。
     その先には三メートル以上ある黒と黄色のマダラ模様のヘビが、水中をうねっている。大迂回して逃げる。
     さらに下流で、流木のような物体が水しぶきをあげている。しかし流木にしては、流れに抵抗して上流へ移動していくなど動きが尋常ではない。変だな、と目を凝らして見つめていると、突然ブフォッと空気を吐き出した。

     ヒポだーーー!

     密林の民に最も恐れられる存在、ヒポに出くわしてしまったのだ。
     わが国では「カバ」と呼ばれ、動物園の柵に囲まれたコンクリートの人工池に浮かぶ彼らは、さも呑気そうに、天下泰平おだやかに浮遊している。しかし、その鈍重な姿が仮の姿であることを、われわれは知らない。
     密林の民に最も恐れられるヒポは、まがいもなくジャングル最強最悪の凶暴獣である。ヒポの狂乱ぶりを示すに、ザイール人たちはいろんなエピソードを用いる。
     「ヤツは動く物とみたら、とにかく突進していくんだ。アメリカ人のカメラマンが乗ったジープの横っ腹に突っ込んだときは、さすがにアヒャーと叫んだな。そのままヒポは車を横倒しにしちまったんだから」
     「ヒポに追いかけられたら逃げられっこねえよ。ああ見えて、陸にあがると時速四十キロ以上で走るんだから」
     「ここらじゃ毎年一人はヒポにやられるよ。アイツを見ろよ。ヒポに咬まれたおかけで、腰の骨が砕けて、今でも這って歩いている」
     「リサラまでムトゥンボ(カヌー)で行くのか。じゃあヒポを見かけたら声を出すな。死にたくなければ、気づかれないように息を殺してその場を去れ」
     確かにアフリカくんだりまでやってきて、カバに噛み殺されるなんて哀れだ。せめてワニに襲われた方が絵になる。まぬけそうな風体のカバに殺されるなんて、あまりにせつなすぎる最期だ。
     今まで、村人たちに叩き込まれてきた“カバに会ったとき対応”を思い出す。「ヒポに会ったら騒ぐな、逃げるな。ヤツは動くものを見ると追いかけてくる」。教えられたとおり、体を硬直させ、カヌーの底に身を横たえる。アメンボほどの水音も立てないようにし、川の流れに身を任せる。
     頭の中は真っ白で、思いつく限りのお経を唱える。といっても仏説摩訶ハンニャハラミッターくらいしか知らないので、キリスト教やイスラム教の神様にもまとめてお祈りする。すると、不動の体勢が功を奏したか、あるいは世界の神々に助けられたか、ぼくのカヌーはカバの三十メートルほど横を、浮草のように下流へと流れ、カバはプカプカと遠ざかっていったのだった。
    (つづく)

  • 2022年08月18日さらら8/18号 心躍る 美味パフェ
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    ■心躍る 美味パフェ
    美しく盛られ、見ただけでワクワクさせてくれるパフェを求めて。
    ■ソロ活を楽しむ「ひとりあそび」
    ■40歳超えて初ママになる日記
    ■お店に聞いた「おすすめ商品10」
    ■コーヒーが美味しい喫茶店の絶品サンドに舌鼓「我ら、サンド部!」
    ■私のための年金対策

     

  • 2022年08月11日startt8/11号 「好き」から広がる世界
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    ■「好き」から広がる世界
    美術館や博物館、科学センターで、それぞれの専門分野を追究する学芸員。好奇心をくすぐる企画を打ち出し、その世界の魅力を伝える案内人でもある。今、徳島で活躍する気鋭の学芸員に迫る!

    ■地域で愛され続ける町中華
    厨房からは中華鍋を振る小気味いい音が響く。食欲をそそる香りが漂い、立ち昇る湯気とともにテーブルに運ばれた料理にがっつく幸せ。通う人それぞれにお気に入りのメニューがあったり、飽きさせない日替わり定食が楽しみだったり。地域で愛され続ける町の中華料理店を訪ねました。

  • 2022年08月04日さらら8/4号 夏満喫! プールでパシャパシャ
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    ■夏満喫! プールでパシャパシャ
    夏はやっぱり水遊びが楽しい! 子どもを連れて泳ぎに行けるプールをご紹介。
    ■おすすめ商品10
    機能的でおしゃれなキッチンアイテムが目白押し! 気になるアイテムは?
    ■夏の楽しい思い出づくりに
    おうちde花火
    ■サンド部!では映え系サンドをピックアップ

     

  • 2022年08月03日タウトク・CU7月号 実売部数報告

    月刊タウン情報トクシマ7月号、月刊タウン情報CU7月号の実売部数報告です。

    タウトク7月号の売部数は、4,663
    2207_タウトク部数報告
    CU7月号の売部数は、3,905部
    2207_CU部数報告
    でした。

    詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
    多くの出版社では、発行する雑誌において実際の販売部数と大きくかけ離れた「発行部数」を公表しています。当社メディコムが発行する「タウトク」「CU」では、「実際に何部が売れたのか=実売部数」を発表しています。

  • 2022年07月28日startt7/28号 注目の新店グルメ
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    ■注目の新店グルメ
    街で花輪を見かけたときのワクワク感。いったい何の店ができたんだろう? 飲食店とわかった日には、どんな料理が食べられるのか気になって仕方なくなる。食いしん坊だからでしょうか…。今号は新しくできたグルメ店をピックアップ! 看板メニューや店主渾身の一品をご紹介します。

    ■NEW OPENのアパレルショップ
    個性的な店づくりや品揃えで話題を呼ぶアパレル店が登場している。韓国をコンセプトにしたファッションや親子コーデが楽しめるラインナップなど、店によってスタイルはさまざま。オーナー独自のセレクトで服選びを楽しませてくれるショップをご紹介。

  • 2022年07月28日キャンプ場&BBQスポット タウトク 8月号

    ■キャンプ場&BBQスポット
    大自然の中でテントを張り、好きな食材を持ち寄って料理したりアクティビティを楽しんだり。
    揺らめく焚火の炎をのんびり眺めるだけでもなんだか贅沢。
    ファミキャンもソロキャンも、思い思いのキャンプライフを楽しめる場所をご案内。日帰りで手ぶらBBQが叶うスポットも要チェックです! 
    ■夏イベント総まとめ
    夏祭り、花火、阿波踊り、音楽フェスなど楽しい夏のイベントをまとめました!

     

  • 2022年07月21日さらら7/21号 冷えてます!ラーメン屋さんの夏麺
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    ■冷えてます!ラーメン屋さんの夏麺
    食欲が落ちる暑い夏にぴったり! ラーメン店で見つけた夏季限定の冷たい麺をご紹介します。
    ■子どもと行けるおでかけイベント
    ■はなまるLIFEのススメ
    ~気延山をハイキング~
    ■ひよっこ介護 てんやわんや日記
    ■手土産手帖 今回は夏の和菓子

     

  • 2022年07月19日家づくりスタートBOOK 徳島の家 第18弾

    建築実例1700件掲載。地元工務店・ハウスメーカー120社、建築家36人、各種専門業者40社の仕事を公開!新作施工例が満載です。
    ■特集「&趣味」
    暮らしに遊び心をプラス
    家時間を豊かにするアイデア32
    ■家づくりのスペシャルストーリー
    1冊550円。徳島県内の書店・コンビニ・スーパーで発売中。