バカロードその37 北米大陸横断レース LA-NY 2011 ステージ69(夜)

公開日 2011年09月02日

主催者ロールさんは全選手・全サポートクルーを前に、こんな話をはじめました。

良くないニュースです。明日、ニューヨークに大型ハリケーンがやってくるという予報が出ています。
ゴールのセントラルパークが閉鎖されるため、ゴールとなる場所を変更せざるを得ません。また、地下鉄やバスなと公共交通機関も止まります。ここからが重要なのだけど、マンハッタン島へと通じる唯一歩行者が利用できるジョージワシントン橋が通行不能になる可能性があります。通行止めが公共交通機関に合わせたものなら正午、歩行者は渡るのに時間がかかるため、その30分前の午前11時30分と考えられます。もし橋が閉鎖されたら誰もゴールできないという事態もありえます。
わたしたちが取れる対策を考えました。
当初予定していたスタート時刻、朝6時を1時間早めて朝5時とします。スタート地点からジョージワシントン橋まで43キロ。通行止めになる前、なるべく早い時刻に渡ってしまうのです。ランナーはできるだけ急いで橋まで行ってほしい。
もし1人でも渡れないランナーが出た場合は、平等性を確保するため、橋のたもとへの到着時間を当日のゴールタイムとします。たのため大会スタッフが橋の手前で待機します。
ゴールは当初予定のセントラルパークからブロードウエイ沿いにある選手指定ホテルの玄関前に変更します。

・・・なるほど。この大会らしいフィナーレじゃないか、と思いました。最後の最後の最後まで、まともに終わらせてはくれないのです。「ヘタしたらランナー全員ニューヨークに行けなくなります。完走者ゼロという事態だってあります。橋が渡れなければハドソン川を泳いで渡るという方法もありますが賛成の方はいますか?」と半分ジョーク、半分本気の説明が続いています。どうやら主催者ロールさん、ぼくのゴールを待ってるうちに酒を飲みすぎて酔っぱらっている模様です。
明日は何が起こるか誰もわからない。なんかわくわくしてきて、今夜は眠れそうにありません。