文=坂東良晃(タウトク編集人。1987年アフリカ大陸5500km徒歩横断、2011年北米大陸横断レース5139km完走。人類初の自足による地球一周(喜望峰→パタゴニア4万km)をめざし、バカ道をゆく)
人類は生まれながらにして、できるだけ遠くへと歩いてくように遺伝子にプログラミングされている、と思う。移動を続けながら、野生動物を子どもから育てて飼いならすことを覚え、植物のタネをまいて実を収穫し、食料事情を安定させる方法を発明した。食い物に困らない環境がつくれた土地で定住を決める。いったん決めてはみるんだけど、いつかはその場所から移動をはじめる。