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2014年12月04日

我ら乾物主義!さらら12/4号 tokushima-141204salala■自然と時間が魔法をかけてくれる
おうちでできる、ドライフーズ
●旬のおいしい食材を干せば、保存もできて旨みもアップ
●これからは干すのに最適な時季!
■喜ぶみんなの顔が目に浮かぶ
作ってみよう☆ツリーパン
■耳が痛あならんマスクのつけ方があった!
■拾ってきた松ぼっくりでクリスマスデコレーション!

2014年11月28日

うどん×年末年始×サッカー。ふろく本「盛りアゲ本オン徳島」。タウトク12月号 tokushima-tautoku1412■新・徳島 うどん巡礼
田舎道に現れる謎めいた手書き看板、街なかの路地裏に漂うカツオいりこだしの匂い…、知られざるディープうどん店を探検。
■高校サッカー選手権
驚異的な粘り強さを見せて2連覇達成。徳島市立高校が頂点に!
■ふろく本「盛りアゲ本オン徳島」
イルミネーション、冬レジャー、忘年会・新年会など年末年始をもっと楽しむ情報が満載。

2014年11月20日

暖かグッズが恋しい時期!さらら11/20号 tokushima-141120salala■今夜もぐっすり寝たいけん
7人が伝授「私の“快眠ワザ”」
ふとんクリーナー、ゆるマスクなど話題の商品を取り入れてみたらどうなる?
■産直市のひとは知っている!とくしまの旬をおいしく食べる
カワハギ、ブロッコリー、ほうれん草…新鮮な地元産の食材はこう選ぶ、こう食べる
■えっ!オイルうがいって知っとう?
■ついに音波歯ブラシデビューしました

2014年11月14日

クリスマス大準備号。CU12月号 tokushima-cu1412■メリーメリークリスマス徳島
徳島で特別なクリスマスを迎える100のメゾット
クリスマスイベントイルミネーション・ベスト30、クリスマスディナー、Xマスギフト&ジュエリーetc...
■こどもっと!
こどもと一緒に日々の暮らしをもっと楽しむための情報が満載
ママとこどものための徳島おやこレッスン、おやこイベント
■AGEMAN'S
アンティーク ひなや、NouNou、micco love、IEG、徳島の最旬 紅葉スポットetc...
ぶらり朝市・産直市。徳島人12月号 1412_JIN.jpg■特集 徳島県内の市場50カ所をめぐりあるき
採れたて野菜や水揚げ直後の魚を求めて
ぶらり朝市・産直市
■今もいきづく裸のつきあい
ほっこり銭湯物語
徳島十二湯の歴史と人情
■あの頃、前を通るだけで大人になった気分がした
伝説の劇場 SY松竹
■どんな人がお世話してくれるんだろう?
介護施設を支えるプロたち

2014年11月07日

タウトク・CU・徳島人10月号 実売部数報告月刊タウン情報トクシマ10月号、月刊タウン情報CU10月号、
徳島人10月号の実売部数報告です。

タウトク10月号の売部数は、6,786部
1410_タウトク部数報告.pdf

CU10月号の売部数は、3,928部
1410_CU部数報告.pdf

徳島人10月号の売部数は、4,631部
1410_徳島人部数報告.pdf
でした。

詳しくは、リンクファイルをクリックしてください。
メディコムは、「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU」「徳島人」「結婚しちゃお!」「徳島の家」の実売部数を創刊号から発表しつづけています。

雑誌の実売部数を発行号ごとに速報として発表している出版社は、当社以外では日本には一社もありません。実売部数は、シェア占有率を算出し、媒体影響力をはかるうえで最も重要な数値です。他の一般的な業界と同様に、出版をなりわいとする業界でも正確な情報開示がなされるような動きがあるべきだと考えています。わたしたちの取り組みは小さな一歩ですが、いつかスタンダードなものになると信じています。

2014年11月06日

あれこれ作ってみよ♪さらら11/6号 tokushima-141106salala■自分でやるんて楽しいわー!徳島の女性もハマるDIY
●ふすまが和紙で生まれ変わる!●猫も喜ぶ棚&扉●スプレーすれば黒板に
■朝起きてから夜眠りにつくまで
秋冬毎日コツコツ美容日記
■ちゃんと知っときたい!更年期症状のこと
■旬をパクリ!ぎんなん塩昆布ごはん♪
■ほんまにスゴイ!ココナッツオイル

2014年10月28日

徳島の結婚式場がよくわかる本。とくしま 結婚しちゃお!冬号 kekkon1411■ウエディング&カクテルドレス100
人気ブランドや新作ドレスをシルエット別にご紹介。体型カバーや小顔効果が期待できるデザイン解説付き。
■挙式&披露宴のアイデア演出
定番演出にひと工夫!ゲストに楽しんでもらえる仕掛けがいっぱい。
■結婚式の名場面アルバム
結婚式の臨場感が伝わる当日スナップの中から、笑って驚いて歓んで涙したシーンをピックアップ。

もみじ×食べ放題×高校生失恋。タウトク11月号 1411_tautoku.jpg■おかわり自由のお店
バイキング、サラダバー、定食のごはんおかわりOK、スイーツビュッフェなど、知ってて得する食べ放題情報をお届け。
■高校生の失恋事情
失恋王決定戦、失恋の詩、涙の記者会見、失恋の思い出コレクション
■もみじの名所、もみじ祭り
徳島、紅葉狩りの日帰り旅行

2014年10月16日

海のええもん買わんで?さらら10/16号 tokushima-141016■県南ならではの海のええもんを買いに
干したもん、燻製したもんなど阿南市、美波町、牟岐町、海陽町で名物発見!
■ベッドマットを長持ちさせるうちんくルール
気になりつつもできていないお手入れ、どないしたら?
■ダウンライトで観葉植物がイキイキするんじょ!
■簡単スイーツ!りんご餃子
■お釣りの確認方法に物申すっ!


2014年10月10日

大人リッチランチ。CU11月号 tokushima-cu1411■大人リッチランチ
職人&シェフがつくる本格料理をお昼どきから贅沢にいただきます
■極上エステ
漢方とアロマの力で部分やせ、大地のパワー・クレイパックで肌磨き、美体をつくるオールハンドのマッサージ etc...
■秋冬マストバイ
徳島の女性のためのファッション特集
■流行必至のお店
長屋をリノベーションした雑貨店、カウンター席だけの隠れ家フレンチ、ボードウォーク沿いのテラスカフェ、週末お笑いライブ開催のライブハウス etc...
城と城下町。徳島人11月号 1411tokushimajin■城と城下町
天守に吹く風は四百年の時を越えて
戦国時代を勝ち抜くための知の結晶
江戸時代初期最先端の技術を導入
日本現存12天守のうち4つは四国にある
■味噌醸造所に
極上味噌を訪ねて
伝統的な日本の発酵食品、味噌。奥深い味噌を手づくりする、地域に根づいた街のお味噌屋さんを訪ねる。
■徳島の最新モデルハウス特集

2014年10月06日

タウトク・CU・徳島人9月号 実売部数報告月刊タウン情報トクシマ9月号、月刊タウン情報CU9月号、
徳島人9月号の実売部数報告です。

タウトク9月号の売部数は、6,592部
1409_タウトク部数報告.pdf

CU9月号の売部数は、5,179部
1409_CU部数報告.pdf

徳島人9月号の売部数は、4,453部
1409_徳島人部数報告.pdf
でした。

詳しくは、リンクファイルをクリックしてください。
長らく雑誌の実売部数はシークレットとされてきました。雑誌は、その収益の多くを広告料収入に頼っているためです。実際の販売部数と大きくかけ離れ、数倍にも水増しされた「発行部数」を元に、広告料収入を得てきた経緯があります。メディコムでは、その悪習を否定し、「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU」「徳島人」「結婚しちゃお!」「徳島の家」の実売部数を創刊号から発表しつづけています。

2014年10月02日

こんなときいくら払う?さらら10/2号 tokushima-salala141002■徳島県民106人に聞いたじょ〜
「こんなとき、いくらくらい払っとんえ〜」スペシャル
ご祝儀、お香典、お神輿やだんじりがまわって来たら?その額、どうやって決めよん?その胸の内とは
■おうちでレッツ!ハロウィン
飾り付け必殺アイデア〜ハロウィンからクリスマスへ〜
■はじめて畳を替えてみた
■徳島市八万町・上八万町のローカル情報

2014年10月01日

いつだって楽しみはここにある。徳島と淡路島で「カフェ時間」創刊 カフェ時間 ◆徳島&淡路島のおしゃれカフェ約140軒
店名の由来やロングヒットメニューも掲載!
■四半世紀以上、愛され続ける老舗カフェ
同じ場所で何十年と愛される老舗11店
■自家焙煎の秘密
こだわりの味を求めるその心意気に迫る
■おひとりさまカフェの楽しみ方
ひとりでカフェ、みんな何しよん?
■カフェのテイクアウトメニュー
自慢のグルメをお持ち帰りしたい!

2014年09月25日

ラーメン×秋まつり×文化祭。タウトク10月号 1026tautoku■とくしまラーメン団2014
進化する有名店、味を守る老舗、2014年にオープンした新勢力、カフェ・バー・居酒屋で発見した極上麺、徳島県民が愛してやまないおいしい中華そば・ラーメン100杯!
■伝統と食の秋イベント
神輿に、グルメに…徳島の秋はお祭り騒ぎだ〜!
■高校文化祭メモリーズ2014
笑顔満開!徳島県内の高校文化祭レポート!

2014年09月17日

お茶が恋しくなる季節!さらら9/18号 tokushima-140918■スーパーで買える&おいしい
ティーバッグのお茶&徳島の名茶葉はこれじゃ!
■素敵なマスキングテープ使い
■旬のすだちはこう食す!
塩レモンならぬ塩すだち?一瞬でできてしまうすだちポン酢
■秋はほかほかホットサンドでいこう
■朝にぴったりのヨーグルト、見〜つけた

2014年09月12日

こどもっと!。CU10月号 tokushima-cu1410■徳島、お子さま連れ歓迎のお店
特集 こどもっと!
カフェ、レストラン、和食、お食い初め、カラオケ、ネイル、美容室、歯科etc...

■我が子の人生初ビッグイベント
特集 七五三
教えて七五三のアレやコレや

■とくしまの美ネタ豊作
キレイの秋支度はじめよっ
美顔鍼灸、秋ネイル、骨盤矯正で下半身ヤセ!、タイ古式マッサージ、手づくりハンドクリームetc...
滝と渓谷歩き。徳島人10月号 1410tokushimajin■滝と渓谷歩き
岩肌を伝うようにしなやかに流れ落ちる瀑布
段を成して連なり落ちる段瀑
遥か上方から迷いなく直線を描く直瀑
徳島の山峡で待ち受けるのは個性豊かな滝だった
■徳島駅物語
国有化、大空襲の焼失、戦後ヤミ市、百貨店の誕生
時代の変遷の中心に徳島駅はあった
■有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅
■フルマラソン68歳の部全国ランキング1位・今津毬子さん

2014年09月11日

バカロードその72 どんな富豪でも味わえないぜいたくな旅なんだな 〜土佐乃国横断遠足242km・後半戦〜
文=坂東良晃(タウトク編集人、1967年生まれ。1987年アフリカ大陸を徒歩で横断、2011年北米大陸をマラソンで横断。世界6大陸横断をめざしてバカ道をゆく)

 田園の一本道をトコトコと進む。このあたり標高200m以上の高台ながら、満々と水を湛えた水田が山あいの台地に広がっている。昼間の温暖な空気と、夜間の冷え込み、寒暖差を利用して栽培される仁井田米(にいだまい)は独特の香りとモチモチ感で知られている。
 走りはじめて2日目の昼。ピーカン青空の下に三角屋根の連なりが見えてくる。153kmの「クラインガルテン四万十」だ。ここは滞在型の農園体験施設であり、牧歌的な雰囲気がヨーロッパの農村を思わせる。
 施設の入口で大会スタッフが大きな身ぶり手ぶりで応援してくれている。前後にはランナーの影は見えない。1時間に1人来るか来ないかのランナーをずっと待ちかまえてくれているのだ。
 到着すると、スタッフの方が「まずはお風呂にしますか、それともお食事になさいますか」と冗談めかして笑う。「食事はこの中から選んでください」と手渡されたA4用紙には、豚の生姜焼き、豚のしゃぶしゃぶ、納豆玉子かけ丼、豚汁など数種類のメニュー名が並んでいる。「いくらでも食べたいだけ注文してくださいよ。何品でもつくりますから」。シャワーを浴びている間に、料理を作っておいてくれるというのだ。
 50kmあたりから吐き続けているので、何も喉を通らないかと思っていたが、メニュー表を眺めているうちに、かすかに食欲が戻ってくる。お言葉に甘えて、生姜焼き、野菜サラダなどをお願いする。ウルトラランニングってのはときどき理解できない現象が起こる。スタートから50kmぽっちでボロボロになったのに、そこから100km走った後には体力が回復してるってね。いったい限界ってなんだろう。肉体の限界ってのは実は死ぬ寸前まで酷使しないと訪れるものではなくて、たいていの「もう限界だ」は脳や心に備わったブレーキ装置なんだろう。
 シャワーブースに入ると、直立した姿勢がつらい。服を着たまま床にベタッと座り、手を伸ばしてシャワーコックをひねる。髪の毛にシャンプーぶっかけて、流れ落ちる泡でシャツ、パンツ、ソックスを洗う。入浴と洗濯をいっぺんにやっつけて時間短縮する技は、アメリカ横断レースの際に先輩ランナーから教わった。ステージレースの最中に、1分でも長く睡眠時間を確保するために有効なテクニックだ。たしか毎日死ぬ思いで走ってたはずなのに、楽しい思い出しか残ってない。
 湯上がりのジャストタイミングでほっかほかの料理ができあがっていた。聞けばお肉は「窪川ポーク」という地元の名産品。味の決め手であるタレに擦り込まれたニンニクも四万十町の特産品だとか。肉厚のポークからは肉汁がじゅわーっとしみ出し、甘い脂肪分が舌上で溶けていく。得も言われぬ美味さとはこのことか。もちろんご飯は、豊潤な香り匂い立つ仁井田米。
 この大エイドには仮眠所も用意されているが、いかんせん到着したのが真昼だったため眠気が起こらず、後ろ髪引かれながらあとにする。出発する際には、ラップでくるんだおむすびや梅干しを持たせてくれた。滞在した1時間の間、何人ものスタッフの方に手厚く面倒をみていただいた。
      □
 ゴールまで残り89km。次の大きな街は46km先の四万十市だ。中村街道と呼ばれる国道56号線を南下し、ループ状の急な下り坂を経て、黒潮町佐賀という土佐湾沿いの街に出る。入り江と岬が複雑に入り組んだ海岸ロードでは、屏風状に繰り返し現れる岬を登り、漁港のある街道へと下る。何度も登り、何度も下る。
 日没後はまた眠気との戦い。暖かかった昨晩とは一転、今夜はひときわ寒く身震いがくる。短パン、半そでシャツではたまらず、コンビニで上下の雨ガッパを仕入れて着込む。しかし通気性のないカッパでは、内側にしたたる汗が衣類を濡らし、外気に冷やされて余計に寒い。奥歯のガチガチが止まらない。
 そういえば以前このあたりを旅したときに、四万十市郊外にあるスーパー銭湯を利用したことがある。そこに着いたら汚れた身なりは気にせず突入しよう。まずは水風呂に飛び込んでアイシングしたら、温かい寝湯で横になって1時間くらいウトウトしようじゃないか。風呂あがりには生ビールをぐいっといくのもよい。名案だ、まさに名案だ。新たな心の拠り所を見いだして、気力体力ふたたび満ちあふれる。
 夜の11時前、樹林帯が開けるとバイパス道の彼方に四万十市の街の光がきらめいている。いくつかの交差点を越えると、前方に「平和の湯」の大きな電飾看板が神々しく現れる。「やっと眠れる、温まれる。ヤッタヤッタァ」とガッツポーズを二度三度。生ビールもよいけど、ソフトクリームや練乳がけのかき氷もいいかも、とスイーツへの欲望もうなぎ登り。
 温泉まで信号をあと3個と迫った頃、キラキラまばゆく輝いていた看板の照明がフッと消える。いったい何が起こったのか・・・は徹夜二日目のボケ頭でもすぐわかる。このタイミングで営業終了時間ってわけかよう。湯の香ただよう温泉駐車場の前をぼうぜんと歩く。忘れていた眠さと寒さが絶望とともにやってきてケタケタ笑っている。
 ここから明け方まであまり記憶がない。半分眠りながら歩いていたと思われる。四万十川のいちばん河口に近い四万十大橋たもとが202km地点。深夜12時、日本一の清流が大地を潤す光景は、真っ暗で見えはしない。橋を渡り終えると、足摺岬の先端にある霊場・金剛福寺までの道しるべが至る所に掲げられている。四国八十八カ所をめぐる遍路道のメインコースに出たんだろうか。
 バス停のベンチに膝かけ用の毛布を見つける。試しに首からかけてみると腹までしか届かない。だが体育座りになると足首まで覆える。体温が毛布に伝わり温かさに包まれると、この旅はじめての本格的眠りに落ちる。次に目覚めた時には、朝もやの奥にモノクロームな海辺の街が薄ぼんやりと佇んでいた。深い深い睡眠は、疲労の粒を鼻の穴から煙のように放出してくれた。ラスト30km、ぼくはまだ走る気力を残している。
 三日目の太陽はやっぱり凶暴で、照りつけられた森の木々は、これ以上の緑はないという濃い緑を放っている。海を隔ててゆるいカーブを描く陸地の果てに足摺岬らしきこんもりした岬が見えてくる。
 コースは車道を離れ、雑木林の細い遍路道をゆく。力強い日射しは枝々に遮られ、木漏れ日となって地面にたくさんの光の輪を描く。 鳥のさえずりと、山肌をつたう清流の音が耳に心地よい。
 ときおり小さな集落が現れる。多くの家は広い庭に菜園を備えている。ビワや柑橘類の果樹がたわわに実をつける様は、家庭菜園と呼ぶには立派すぎる。オレンジ色に熟れたビワの実は、門塀をはみ出して歩道上にせり出している。1個むしり取って味見したい欲望にとらわれる。いや、ゼッケンナンバーをつけて走っている手前、軽犯罪行為は慎まねばなるまい。いい歳したオッサンがくだもの泥棒で起訴されるのも恥ずかしい。
 ふと見ると、足下にビワが落ちている。1個だけではない。道路のあちこちにころりころりと転がっている。熟れすぎて自然落下したものであろう。落ちているものなら食べても犯罪には当たらない(と勝手に解釈する)。
 1個拾って皮をむくと、指先から果汁がしたたり落ちる。果肉を口に含めば、高濃度の砂糖水よりも甘い。出荷用に早摘みされたものではなく、実が落ちる寸前まで太陽光を浴びたビワって、こんなにも美味いのか。落ちているビワを手当たりしだいむさぼり食う。
 急斜面のへりを切り取った道路には、山側の崖からゴウゴウと山水が降り注いでいる。山水をパイプやホースで道沿いまで導いている場所が何カ所もある。お遍路さん用の水場なのだろうか。水の吹き出し口に頭を突っ込み、天然シャワーを浴びる。体温、5度は下がったね。
 足摺岬まで5km、4km、3kmと距離表示の看板がカウントダウンをはじめる。楽しい走り旅が終わろうとしている。
 岬の先端まであと200mに迫ったところで、前方にランナーが見える。足をひきずって、歩くよりも遅いスピードで、それでも走っている。100kmほど手前で追い抜かれた長井さんだ。UTMF、萩往還、そして土佐之国と1カ月の間に3連走している彼は、足の裏半分を覆う巨大マメに悩まされていた。見てるだけでもエグいのに、よくここまで来れたものだ。すごい根性である。
 そして、われわれ以上に不眠不休でランナーを支えてくれた主催者の田辺さんが、ジョン万次郎像の横で、白いゴールテープを持って待っている。観客は、そこら辺の土産物店か観光案内所のおっちゃんとおばちゃんが2人。十分である。
 長井さんのゴールシーンを感慨をもって見届け、いよいよ自分の番だが・・・どうだったかあまり覚えていない。だいたいゴールシーンって、自分以外の人のを見学するのがいちばん良いもんです。
 ゴール後は、ランナー1人1人を車に乗せ、岬の高台にあるリゾートホテル「足摺テルメ」に送ってくれる。汗まみれ泥まみれで入館するには躊躇する建築美のここは、太平洋を一望する立派なスパを備えているのだ。「お風呂から上がったら電話してください。迎えに来ます」。そんなVIP扱いしてもらっていいのかなあと恐縮する。
 宿舎に戻ると、1人に1皿ずつの尾頭つきのタイと刺身の盛り合わせ、山盛りのカレーライスが待ちかまえていた。飲み放題の生ビールを5杯あおったところで、べろんべろんに酩酊。畳敷きのお部屋で大の字になれば、そよ風が頬を撫でる。睡眠不足な脱水症状者だけが味わえる幸せに満たされる。
    □
 100kmを超えるマラニック、ジャーニーラン系の大会といえば「ランナーの自己責任」が徹底されるのが通常である。徹夜続きで公道を走るからには、事故防止や体調管理は誰に頼ることなく自分で対処すべきなのは当然である。大会主催者や世話役の方に依存的な気持ちでいる人は参加する資格がない、とぼくは思う。
 しかしながら「土佐乃国横断遠足」は、大会スタッフの「世話の焼いてくれっぷり」がハンパなかった。ランナーの健康管理や地域色あふれる食事、参加者事情にあわせた大会前後の送迎など、さまざまな場面で人間味溢れる対応をしてもらった。そこには、高知という独特の県民性がバックグラウンドにあると思う。陽気で、開けっぴろげで、酒飲みで、世話好きな土佐人の気質が全開なのだ。
 242kmもの距離を走るのはもちろんラクじゃないけど、「土佐乃国横断遠足」は、競技性とは正反対の、長い走り旅を楽しみたい向きには打ってつけの大会だ。100kmウルトラを経て、「もっと長く走ってみたい」「100kmの先には何があるの」と興味をもった人の初トライの場として大絶賛おすすめします。