NEW TOPIC

2014年09月11日

バカロードその73 夏にやってみたいろんなこと
文=坂東良晃(タウトク編集人、1967年生まれ。1987年アフリカ大陸を徒歩で横断、2011年北米大陸をマラソンで横断。世界6大陸横断をめざしてバカ道をゆく)

 長距離ランナーの1年は忙しい。先々の予定まで週刻みでびっしり埋まっているという点では総理総裁の上をいくかもしれない。
 だいたいシーズンオフという考え方がない。のべつまくなしに1年中走っている。
 200〜500kmの大会は春と秋に集中していて、その足づくりを目的に100kmを数本入れる。100kmでそれなりのタイムを出すにはスピード持久力が不可欠であり、ために冬期はフルマラソンに連チャンで出場する。フルマラソンを失速なく走りきるには心臓を追い込んでおく必要があり、空いた週に10kmやハーフの大会を差し込む。
 これらの予定をカレンダーに書き込んでいくと、休みなどまったくないことに気づく。
 短いサイクルでガンガンレースに出て、強くなっていくという川内メソッドは中高年には該当しない。脚のダメージを抜くにはフルで1週間、100kmで2週間、200km以上で3週間。これより短い間隔で走りつづけると、「超回復」に至る前に筋肉を酷使してしまうから、どんどん衰弱していく。踏ん張りの効かないぐにょんぐにょんの足で一定のスピードを出そうとすると、体力を著しく消耗する。
 結果、1年中疲労の抜けない精気に乏しい虚弱なオジサンが完成する。
 そんなマーク・ザッカーバーグ並みに忙しい長距離ランナーも、夏の間だけはしばしレースから解放され、練習に没頭できる。7月に突入し、入道雲が高い峰を築く日和になると、ようやくわが国においても酷暑対策に適した練習環境が整う。ベランダに置いた温度計が30度を超えると、気合いが入る。同じ「走る」という行為でも、気温10度と35度では別競技と言っていい。克服すべきポイントがまるで違うからだ。日本ではたった2カ月しかこの灼熱環境が得られない。真夏にどれだけ走り込めたかが、根拠なき自信を高められるかどうかにつながる。そう、高まるのは自信だけであって、競技能力ではない。
     □
【滝汗と手絞りしやすいシャツ】
 真夏は汗がドバドバ出る。弱い牛ほど汗をよくかくと言うが、ランナーも似たようなものだ。弱いランナーほどよく汗をかく。
 その典型がぼくである。10km走ると体重が2kg落ちている。20kmなら3kg減だ。走り終わって鏡を見ると、明らかに顔の輪郭がほっそりしている。少しうれしい。走る前にはなかった背骨の凹凸が、ゴツゴツと突起を現している。これもうれしい。体重62kgのうちの3kgだから、けっこうな比率である。しかし元メタボオヤジ代表としての歓びにひたっている場合ではない。長距離ランナーは、汗が流れ落ちてスリムになり老廃物もデトックスできてすっきり爽快、と簡単に受け入れてはならない。発汗にともなうデメリットの多さは枚挙を問わない。
 気温が上昇してくる春先のレースから汗かき地獄がはじまる。周りのランナーは誰も汗をかいてない序盤だっちゅうのに、バケツいっぱいの水をぶっかけられたくらい汗を垂れ流している。沿道のおばあさんには「すごい汗かいてるねぇ、暑くて大変やねぇ」と声をかけられる。「いや実はね、おばあさん。ぼくは今すごく汗まみれだけど、これは体質から来ているのであって、ものすごく暑くてバテてるからこうなってるのではないのですよ」と説明したいところだが、タイムに影響するので笑顔をふりまいて通り過ぎる。
 ある尊敬する先輩ランナーから視覚障害者ランナーの伴走練習会に誘われ、勇気をもって参加したい気持ちはやまやまなのに、自分の滝のような汗がガイドロープつたって流れていったり、パートナーにびしょびしょかかって、「うへぇ、こいつキモい」と思われやしないかと心配で、いまだに練習会から逃げている。まったく困った小心者である。
 シューズ内はカッポカッポと馬のひづめのごとく音を鳴らし、ずっしり重くなる。びしょ濡れのランニングパンツが発火点となってはじまる股ずれ吉原炎上。そして「自分はものすごく汗臭いのではないだろうか」との対人恐怖。なるべく他人の風上には立たないなどの配慮にも気を遣う。これでは走るどころではない。
 ランナーなら身体から水分が抜けない体質の方が良いに決まっている。汗とともに失われる希少ミネラル、壊れていく体温の恒常性機能。発汗と共に体調はどんどん悪化していく。
 画期的な汗止め対策はない。「多汗症手術」とネット検索してみたが内容を読んで怖くなってあきらめた。何をせずとも、9月になって秋風が吹き始めると汗はピタッと止まる。ならば夏は汗を100リッターかくものとあきらめ、「汗を絞る」方面に注力することにした。走りながらシャツをやおら脱ぎ、汗を吸って重量の増したシャツを二つ折りにして、ぞうきん絞りの要領でギュギュっと絞り、また着直すという原始的な方法だ。
 ひと夏かけて、所有する数十枚のランニングシャツで実験を試みた。そして、もっとも吸湿力が高く、さらに絞ったときに水分を排出しやすいシャツを見いだした。大会の参加賞でもらったノースフェース社のドライ系シャツだ。イチ、ニのサン絞りで、繊維内に蓄積された水分の9割方が落ちる印象。念のため重量を量ってみた。汗を吸いまくった状態で450gのシャツが、絞り終えると250gに落ちる。つまりシャツを絞るたびに着衣込み体重が200gずつ軽量化を果たしていくのだ。ま、それだけ脱水症状にも近づいてくってことだけど。
     □
【ジョグを封印する】
 ここで述べる「ジョグ」とは、疲れもせずどこまでも走れそうなペースのこと。キロ6分30秒〜7分あたりだ。このペースだとたくさん距離を稼げるので、自然と月間走行距離も伸びる。20km×25日で500kmだ。疲労もたいして残らない。
 そして危険な罠に陥る。少々ランニングをたしなんでいる方との定番の会話「最近は月間どれくらい走ってるんですか?」トークである。「500kmくらいですよ」と言うとたいてい「すごいですねぇ」と感心される。もちろん相手は心から「凄い・・・こやつは本物だ!」なんて感心しているわけではない。女子が交わす「髪切ったんだけどぉ」「カワイイィ〜!」くらいの意味のないコミュニケーションの潤滑油である。
 ところが、こちとらふだんから誉められ慣れてないから、「500kmも走ってたら無敵ですね」なんて言われると「オレは無敵なのかもしれない」と勘違いがはじまる。そして月間走行距離に裏づけられた絶大なる自信を胸にレースに臨み、早々のうちに実力を露呈してリタイア、を繰り返す。漫然とジョクペースで稼ぐ500kmに意味はないのである。
 今期は、練習を3タイプに分類し、いずれかの練習に特化した。
 1.10kmの全力走(キロ4分30秒前後)
 2.キロ6分の維持走(バテバテ疲労時のみ許す)
 3.100km以上のロング走
 練習の基本は10kmの全力走だ。といっても基本走力がのろいぼくは、夏場ともなると45分を切るので精いっぱい。ラスト2kmでペースアップを開始し、ラスト1kmは3分59秒以内で走る。土手のうえの一本道を、中年男がもたもたと回転の遅い足を懸命に動かし、取り憑かれたように走っている。すれ違う美ジョガーたちが、こちらの鬼気迫る表情を一瞬見ては目を逸らし、通り過ぎる。見てはいけない物を見てしまったかのように。ラスト200mは視野が狭くなり、脳みそが酸欠になって、地面が近づいてきたなと思うとバッタリ倒れる。
 これを月曜から休みなく続けていると、金曜にはフラフラになってくる。いちばんキツいのが朝だ。疲労が溜まりすぎて布団から起き上がれない。若者と中年の最大の違いは、若者=眠ったら体力回復、中年=寝起きが疲労のピーク、という結果に現れる。
 それでも無理に身体を動かして全力走をする。やがて1km走るだけでゼエゼエ呼吸が荒くなり、「ワタクシ、何のためにこんな事をやっているのでしょうか」との俗人的な心が芽生えはじめる。この感じ、超長距離レースの中盤以降に近い。エネルギー切れや脱水を起こした後に人格崩壊がはじまり、リタイアする理由を100個ほど並び立てて投げ売りセールをはじめる頃の。
 長距離ランナーにあるまじきクサレ外道な人格と化した後に、キロ6分台で走れるだけ走り続けるってのが「キロ6分の維持走」。もはやこの歳になって人格を高潔ポジティブなのと入れ替えるのは無理。ダメ人間でもキロ6分台キープできる能力をつける現実的選択をするのだ。
 そして100km以上の長距離走を月に1〜2本を行う。100km以上走るとやってくる悪魔たち・・・極限の疲労や眠気、足の激痛は、50km走や70km走では再現できない。キロ7分ペース×50km走を何本こなしても、200kmレースの練習には少しもならない。苦しさの次元が別物だからだ。
 この3タイプの練習はいずれもとっても苦しくて、「ジョクペースでファンランニング」という場面がない。10km走中心だから、月間走行距離も伸びない。100km以上ロング走を2本入れて、ようやく月間500kmあたりに達する。息も絶え絶えの500kmだ。これでも実力つかんか!と夏空に叫ぶ。こんだけ努力してるんだから、走力ついてくれよ!
     □
【ウルトラライト・パッキングを極める】
 2日以上かけて100kmを越えて走るときのために、荷物の最軽量化に取り組んだ。
 荷物を持つのが嫌いなのだ。バックパックなんてなければどんなに軽快に走れるだろうか。
 にも関わらず長距離のレース前には、あれも必要、これもイザって時のために持っておこうと、どんどん持参物が増え、最終的には両肩にずっしり食い込むほどに荷が膨らむ。しかし、レースが終わって荷片付けをしていると、実際には使わなかったモノだらけだって気がつく。バックパックの容量の70%は不要品で占められているのだ。
 考え方を変えてしまうことにした。雨が降ったときのためのウインドブレーカー、マメができたときのためのテーピング・・・など「何々が起こったときのための」との予防措置的なブツはすべて除外するのだ。こちとら山岳レースに出るわけじゃない。どんなに長くとも20km以内にはコンビニや自販機がある近代日本の一般道を走っているのである。必要な物は店で入手すればよいのだ。
 思想的には、着ている服とシューズ、現金以外は何もいらない、という所まで追いつめたい所だが、文明人として若干の利便性は確保したい。今のところの極限のウルトラライト・パッキングは以下だ。
 ウエストバック+点滅ホタル
スマホとスマホ充電コード
 ヘッドランプ
 健康保険証
 電子マネーカード
 現金(自販機用)
 それぞれを小分けする防水用ビニル袋
 ・・・以上だ。
 着替えは持たない。着ている服が臭ってきたら、公衆トイレの個室にこもり全裸になってシャツ、パンツ、ソックスを洗う。手絞りしたらそのまま着て、太陽の下に走りだせばすぐに乾く。ビジネスホテル泊まりなら、チェックイン後すぐにホテル備品の浴衣やパジャマに着替えて、衣類はランドリー室に直行。
 予備の電池や薬品は持たない。必要な場面で少量ずつ買う。歯磨きはあきらめる。これで総重量350グラム。ウエストバックは玄関脇にぶら下げておいて、いつでも旅に出られるようにしておく。この夏は、九州縦断、四国横断、北海道縦断とロング走を繰り返す。
     □
 2014年の夏は、後がない夏である。死ぬ気でやって結果を出さなければならない。世は科学トレーニング全盛だが、ぼくら世代は、幼少期に見た「侍ジャイアンツ」「あしたのジョー」「キャプテン」でもってすくすくとスポーツ脳が細胞分裂した。弓矢をバットで打ち返し、蛇口を針金でぐるぐる巻にし、3分の1の距離ノックでボロボロに。根拠なきハードトレーニングが栄光へと続く唯一の道だと刷り込まれているのである。
 

2014年09月10日

結婚しちゃお!夏号 実売部数報告14夏号_結婚しちゃお!部数報告書.pdf

結婚しちゃお!夏号 実売部数報告です。
結婚しちゃお!夏号の売部数は、411部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。

長らく雑誌の実売部数はシークレットとされてきました。雑誌は、その収益の多くを広告料収入に頼っているためです。実際の販売部数と大きくかけ離れ、数倍にも水増しされた「発行部数」を元に、広告料収入を得てきた経緯があります。メディコムでは、その悪習を否定し、「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU」「徳島人」「結婚しちゃお!」「徳島の家」の実売部数を創刊号以来、発表しつづけています。
タウトク・CU・徳島人8月号 実売部数報告月刊タウン情報トクシマ8月号、月刊タウン情報CU8月号、
徳島人8月号の実売部数報告です。

タウトク8月号の売部数は、6,626部
1408_タウトク部数報告.pdf

CU8月号の売部数は、4,152部
1408_CU部数報告.pdf

徳島人8月号の売部数は、3,800部
1408_徳島人部数報告.pdf
でした。

詳しくは、リンクファイルをクリックしてください。
メディコムは、「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU」「徳島人」「結婚しちゃお!」「徳島の家」の実売部数を創刊号から発表しつづけています。

雑誌の実売部数を発行号ごとに速報として発表している出版社は、当社以外では日本には一社もありません。実売部数は、シェア占有率を算出し、媒体影響力をはかるうえで最も重要な数値です。他の一般的な業界と同様に、出版をなりわいとする業界でも正確な情報開示がなされるような動きがあるべきだと考えています。わたしたちの取り組みは小さな一歩ですが、いつかスタンダードなものになると信じています。

2014年09月04日

ちゃんと知っておきたい知識!さらら9/4号 tokushima-140904salala■家族・知人が目の前で倒れた時、どうすれば?
○「救急車が到着する前」が大事な症例&応急処置について
■理想のふきんがあったわよ〜!
じめじめ、拭いたら水分のスジが残る、なかなか乾かん…台ふきの悩みが解決?
■子どものおもちゃ収納、必殺ワザ
■不器用さんもOK!のTシャツ切るだけアレンジ術
■実は得?ちょっとお高い調味料

2014年08月30日

あなたはどっち派?さらら8/21号 tokushima-salala140821■徳島県民のスタンダードってどうなん?
あなたはどっち派?-2014夏編-
お風呂、運転中、おにぎりなど日常の暮らしにおける6つのテーマでアンケート
■わが家のホームセンターお買い物日記
ホームセンター好きの女性がこの夏1カ月に購入したもんを公開
■冷凍テクで楽ラククッキング
■シュワシュワ気持ちいいわ〜、炭酸ミスト
■あせもにいい?「これええわ〜」なクリーム


2014年08月25日

公園×食べ歩き王。タウトク9月号 tautoku1409■とくしま公園案内
絶叫系滑り台、個性派タコ型滑り台、巨大アスレチック、じゃぶじゃぶ池、見晴らし抜群の遊具など徳島県内と淡路島の公園60カ所。今すぐ出かけたくなるスポット満載です。
■徳島一食べ歩きをしているタクシードライバーがオススメする店
中華そば、中華・台湾料理、うどん、洋食、和食、居酒屋など、徳島の「食べ歩き王」が太鼓判を押す飲食店、50軒を紹介。

2014年08月11日

新しい料理店の気になるメニュー100。CU9月号 tokushima-cu1409■とくしまのあたらしくておいしいお店が大集合!
特集 新店美食100
ふわもちのベーグルサンド、アメリカンスタイルサンドウィッチ、うな重、阿波牛のグリルステーキ …

■徳島女子を徹底調査!
特集 女性の給料とフトコロ事情
月給は?貯金は?ボーナスは?ヒトにはなかなか聞けないリアルなマネーの話

■女磨きアラカルト[きゅん∞]
優秀コスメ Pick up、アーユルヴェーダーを体験、半顔メイク …

四国の絶景。徳島人9月号 1409tokushimajin■四国の絶景
標高1982mの石鎚山から見晴らす眺め
吉野川から生まれた雲海の姿
窓一面の夜景を堪能できるお宿
■食材と理念から店を選ぶ
アレルギーに対応したケーキ
天然酵母と国産小麦で作るパン
野菜を中心としたマクロビオティック料理
■トクシマ流儀
■大切な愛車のケア・メンテナンスショップ

2014年08月07日

夏本番をどう乗り切る?さらら8/7号 tokushima-0807salala■人前でちょっと食べるとき悩むもん、どーやって食べたらええん?
竹ちくわ、魚の姿寿司、スイカ…徳島のもん、夏のもんをスマートに
■簡単でかわいいじょ!「ある素材」で気軽に楽しむ観葉植物
■今ちゃんと知っときたいマダニのこと<最新版>
徳島にいる種類とは?予防策はあるのか?咬まれたらどうしたら?
■夏は涼めるイベントでクールな時間を過ごす


タウトク・CU・徳島人7月号 実売部数報告月刊タウン情報トクシマ7月号、月刊タウン情報CU7月号、
徳島人7月号の実売部数報告です。

タウトク7月号の売部数は、7,526部
1407_タウトク部数報告.pdf

CU7月号の売部数は、4,564部
1407_CU部数報告.pdf

徳島人7月号の売部数は、4,290部
1407_徳島人部数報告.pdf
でした。

詳しくは、リンクファイルをクリックしてください。
長らく雑誌の実売部数はシークレットとされてきました。雑誌は、その収益の多くを広告料収入に頼っているためです。実際の販売部数と大きくかけ離れ、数倍にも水増しされた「発行部数」を元に、広告料収入を得てきた経緯があります。メディコムでは、その悪習を否定し、「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU」「徳島人」「結婚しちゃお!」「徳島の家」の実売部数を創刊号から発表しつづけています。

2014年07月29日

ブライダルフェア密着取材。結婚しちゃお!秋号 kekkon■女子カメラが潜入!ブライダルフェア
模擬挙式や模擬披露宴、ドレス試着、婚礼料理の試食会など人気フェアの全貌を編集部が明らかにします。
■婚約&結婚指輪100
徳島人気ジュエリーショップ選りすぐりのリングをご紹介。
■ゲストが喜ぶ披露宴の演出100
仰天サプライズからおもしろアイデア、涙・涙の感動演出までたっぷりお届け。

タウトク8月号特別ふろく「徳島冒険王」 boukenou本日発売のタウトク8月号には、徳島の夏を遊びたおせる特別ふろく付き!

★2014阿波おどりガイド
チケット購入から踊る阿呆になる方法まで、阿波おどりを10倍楽しめる情報満載。
★徳島が誇る夏グルメ
夏の宴会にオススメのお店、食べ歩きたい徳島ラーメン、行列のできる有名店など、ハズさない徳島グルメを紹介。
★徳島の注目のレジャー&グルメスポット
人気の遊びスポット、アウトドアスポーツ、最旬ファッションなど、夏あそび情報をしっかりカバー。

2014年07月28日

徳島の夏を遊びたおそう! ふろく本「徳島冒険王」付。タウトク8月号 1408_tautoku.jpg■夏あそび計画100
レジャー、味覚狩り、花火まつり、イベント情報、今夏OPENした新店…暑さも味方にして遊びの達人になるべし!

■ふろく本「徳島冒険王」
徳島のラーメン、夏グルメ、2014 阿波おどりガイド、夏アイテム、注目スポット。これさえあれば夏のおでかけ計画はばっちり!

2014年07月17日

デザート系フローズンドリンク作ろっ!さらら7/17号 tplishima-salala717■デザート系フローズンドリンク、作ってみん?
飲めばおなかも満足?デザートのようなドリンクをお家で
■ハッカ油で夏をCOOLに!
エアコンを使わない主義の母が伝授する避暑術はこれ!
■冷凍したペットボトルで熱帯夜もぐっすり
■冷凍テクでラクラククッキング
■スリッポンが今流行の理由

2014年07月11日

四国列車の旅。徳島人8月号 1408tokushimajin■四国のローカル鉄道をのんびりと列車の旅
JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」、7月スタート
全国からファンを集める予土線のホビートレイン三兄弟
伊予鉄の「坊ちゃん列車」で城下町めぐり
ことでん三路線に揺られてローカル町探訪
高知の路面電車・土電でノスタルジーを味わう
■訪問介護とデイサービス
■中高年の終活はじめ
■夏の個別指導塾ガイド
海辺でゆるり×島カフェ案内。 tokushima-cu1408海辺でゆるり×島カフェ案内。CU8月号
■波音をBGMに美味しい食事とソト遊び
特集 週末、夏ドライブで。海辺でゆるり
■淡路島>>>30分でいける別天地
特集 島カフェ案内
■もっと可愛くなる方法伝授[きゅん∞]
女磨きアラカルト
■ラブホDEデート

2014年07月08日

タウトク・CU・徳島人6月号 実売部数報告月刊タウン情報トクシマ6月号、月刊タウン情報CU6月号、
徳島人6月号の実売部数報告です。

タウトク6月号の売部数は、5,979部
1406_タウトク部数報告.pdf

CU6月号の売部数は、4,702部
1406_CU部数報告.pdf

徳島人6月号の売部数は、3,914部
1406_徳島人部数報告.pdf
でした。

詳しくは、リンクファイルをクリックしてください。
メディコムは、「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU」「徳島人」「結婚しちゃお!」「徳島の家」の実売部数を創刊号から発表しつづけています。

雑誌の実売部数を発行号ごとに速報として発表している出版社は、当社以外では日本には一社もありません。実売部数は、シェア占有率を算出し、媒体影響力をはかるうえで最も重要な数値です。他の一般的な業界と同様に、出版をなりわいとする業界でも正確な情報開示がなされるような動きがあるべきだと考えています。わたしたちの取り組みは小さな一歩ですが、いつかスタンダードなものになると信じています。
バカロードその66 生きるための不必要について
文=坂東良晃(タウトク編集人、1967年生まれ。1987年アフリカ大陸を徒歩で横断、2011年北米大陸をマラソンで横断。世界6大陸横断をめざしてバカ道をゆく)

 そこそこの歳になれば多くの人が経験することだけど、癌告知を受けた。腸壁にできた悪性腫瘍は5段階あるステージの2段階め。切り取る範囲はギリ20mmに収まるから、開腹手術はしなくてもいいという。
 内視鏡手術で取ってみて、組織をタテヨコに細かく刻んで、腸壁の外とかリンパ節まで潜り込んでないか浸潤の深さを確かめるとか・・・というレベルなので余命×年なんて大それた話でもないんだが、癌ホルダーになって気づいたことがある。意外にも自分は死への恐怖心がないってこと。歯医者さんに「今日は歯のお掃除をしましょう」と言われただけで動悸が激しくなり、血圧が上がりすぎて意識が遠のくほどビビリ症な割に、今や死を恐れるどころか興味しんしんでワクワクが止まらないから得体が知れない。
 片道分の燃料だけ積んだプロペラ機のコクピットで敬礼し、青空へと旅立つ青年兵の最期ならば、生命の持つ価値も最大限に高まっているだろうが、こちとら平和日本の凡百たる人生の途上にあるオジサン。よどみに浮かぶうたかたのような無情な存在である。死なんてどのみち万人に訪れるし、1人だけ逃げ切れるはずもないから抵抗する気は起こらない。仮に死期というものがあるのなら、予定された期日をただ淡々と受け入れ、日数を逆算してやるべきことをやればよい、との安らいだ気持ちにすらなる。
 ステージ3以降ともなれば大手術も必要だろうし、抗癌剤治療によって嘔吐したり脱毛したり、全身のあちこちに転移して痛かったり苦しかったりと、今置かれた状況とは一変してしまうだろうから、あくまで死神の姿が見え隠れしてない現段階での心情にすぎないんだけど。
 昔から他人より人生が短く終わる心配よりも、長く生きてしまったときの心配ばかりしている。性格的に他人の温情に触れるのが嫌いで、何か施しを受けてもありがとうのひと言も素直に返せないひねくれた性格だから、余計に老後と呼ばれる年齢まで生存していることを恐れる。ヘルパーさんにおっぱいのひと揉みもサービスせいよとセクハラ戯言の速射砲を浴びせまくり、デイサービスセンターで問題ジジイ扱いされる余生しか想像できない。
 長く生きてこんなことやりたい、あんなことも経験したいという欲がない。商売の都合もあって、半年くらい先までの予定は考える習慣はあるけど、そこから先はいつも空白だ。スティーブ・ジョブスの述べるハングリー精神は野犬並みにあり、愚直さは社会適合できないほど備えているのだが、未来への展望と意欲が決定的にない。
 このような人間が、日本人の平均寿命まで80年生きてしまったなら、時間をもてあましすぎる。あと40年近くものあいだ暇をつぶす方法が見あたらない。
             □
 西洋医学が普及する前、統計の残る明治後期から1925年あたりまで、日本人の平均寿命は42〜44歳であった。ずいぶん若くして天寿が訪れるものだと平成人なら思うだろうが、これとて人類が共助社会を作り上げた後の話であり、縄文人の遺骨を解析すると10代後半〜30歳で死を迎えた事例が多数を占める。
 哺乳類の寿命は体重の1/4乗に比例する、と生物学者の本川達雄は述べている。成体となった動物は、その体重と心拍数に反比例の関係があり、体重が重いほど脈を打つペースはゆっくりしている。そして、哺乳類は成体の大小にかかわらず、心臓がおよそ15億回脈動すると自然寿命に達するとしている。その論で算すると人間の自然寿命は26歳だという。
 互助システムも医療もない時代には、自然界の他の動物と等しく、病に罹れば死に、怪我をすれば死んだ。それが生物としての自然の姿なのだ。あらゆる動物は天寿の時期を与えられるのに、人間だけが特異ケースとして意図的に寿命を長くすることに成功してきた。その結果が平均寿命80年である。
            □
 人間の生命の維持は、たくさんの殺生のうえに成り立つ。厳格なベジタリアンでない限り、動物や魚の肉、卵を日々摂取する。1日3食、そのうち2食で捕食をすれば、単純に1日2個体と換算しても80年間で6万匹の動物の生命の犠牲を強いている。つまり1人の人間を生かすためには6万匹の生命を奪わねばならない。しらす丼やいくら丼を食えば1食につき1000倍増に換算すべきだけどね。
 それは食物連鎖の普遍的な姿であり、地球上のあらゆる動物が行っている営みであって、特別に人間だけが虐殺王だと卑下する必要はない。アリクイは1日に3万匹の蟻を食わないと生きてられないし、シロナガスクジラは1日に400万匹のオキアミを口ひげで濾し取って養分にしながら、あの図体に成長する。
 しかし一個人に戻り、わが生命に他の動物6万余匹分の生命と釣り合いの取れるほどの価値があるのかと自問すれば、とてもなさそうだとの結論に至る。だから積極的には肉を食べない。動物愛護の信念から生じた考えではないから、ダブルクオーターパウンターも食うし、ミミガーもかじるのだが、肉食は週に1回くらいにしておく。生態系になんの影響も及ばさないけどね。
            □
 荷物は軽量、身軽がいい。
 外を出歩くときはクレジットカード1枚ポケットに忍ばせてたら万事こと足りる。電子マネー決済と交通系の機能がついてればよい。日常生活でもジャーニーランの最中でも、こいつと保険証があれば、生命維持に必要な物資とサービスの98%は調達できる。他人と四六時中つながっている必要については、いくら頭をひねっても思いつかないのでスマホも持たない。Nシステムやら顔認識システムとやらで自分がどこにいるのかを赤の他人に把握されるだけでも嫌なのに、さらに携帯基地局から発信追跡されたりWi-Fi使って位置特定されるのは更にウザい。
 わが国の男性は、若い頃はデイパック、おじさんになるとセカンドバックを携えるのが多数派だが、ぼくはふだんカバンに入れて持ち歩くべきモノが一個も思いつかないのでいつも空身の手ぶらである。
生きていくのに必要な道具って、広告チラシの裏にリスト書きできる程度のものしかない。ホームレスのおじさんがブルーシートでこさえた住居内に揃えてる生活用具一式があれば、不自由はない。
 何かを収集する癖は子どもの頃からなく、過去の思い出をファイルして時おり回想する感傷的な心も持ち合わせない。流行に無頓着でいられたら20年前の服でも平気で着られるし、いつ大地震が来るかと日々案じなければ食料を備蓄する必要もない。他人によく見られることを願わず、未来の安定を担保しようとしなければ、必要なモノはほぼなくなる。
 今はまだ世捨て人ではないので、バイクやスマホ(固定電話として)を所有しているが、生存に必需なアイテムではない。「職業」から離れた段階で手放すだろう。
死を迎える頃には、段ボール箱1個分に所有物がまとまっていて、気がついた人に燃えるゴミに出してもらっておしまい、くらいが清々しい。
           □
 春にある「さくら道国際ネイチャーラン」事務局から合格通知が届いた。4度目の応募で初の合格だ。名古屋城から金沢市兼六園までの250kmを36時間制限で走るこの大会は、超長距離ランナーあこがれの大会だ。あこがれるのには理由があって、めったに出場権を手にできないのからである。
 国内選手100人と少々の出場枠は常時有力選手で占められていて、前年にリタイアした人の枠数しか「新人」は参加できない。名うての猛者はめったにリタイアしない。1年にわずか10人出るか出ないかの狭い枠に新参者の実力者が殺到し、過去の実績と持ちタイム上位者から埋まっていく。平凡な過去実績しかないランナーは出る幕がないのである。
 毎年ハードルは上がり続け、今や100kmで8時間台以内、なおかつ萩往還250kmや川の道520kmレベルの大会で上位入賞、あるいはスパルタスロンを33時間台以内で完走、などの実績が必要とも噂される。だから、まずぼくには縁のない大会だと九割五分あきらめつつも、しつこく応募だけはしていた。
 去年、同大会は深夜の山越えエリアにドカ雪が降り、くるぶしまで雪で埋まるほどだった。そのためリタイア数が例年になく増えたという。そんな特殊事情でもなければ、ぼくレベルのランナーには席は回ってこなかっただろう。さくら道国際ネイチャーランの出場権は、250kmを主戦場とするランナーにはまさにプラチナチケットである。1度リタイアすれば翌年と翌々年の出場権がなくなる、とも言われている(主催者の公式見解じゃないですが)。
 3年先に250kmも走れる身体をキープできているかは相当怪しい。だから今回に賭けよう。 半年分の視野しかないぼくにはうってつけの獲物が鼻先にぶら下がったのである。ショートスパンで人生を生きよう。
バカロードその70 午前零時の堂々めぐり 〜さくら道国際ネイチャーラン〜
文=坂東良晃(タウトク編集人、1967年生まれ。1987年アフリカ大陸を徒歩で横断、2011年北米大陸をマラソンで横断。世界6大陸横断をめざしてバカ道をゆく)

 真夜中11時。
 岐阜県郡上市にあるひるがの高原へのゆるい登り坂を、ぼくは歩いている。街灯はほとんどなく、ヘッドライトとハンドライトの放つ薄い光の輪だけが、2メートル先の行く手をしめす。
 「ぐえぇぇぇ」と弱々しくえずく。年老いた山羊の断末魔のような喉声。
 胃にエネルギーが満ちているのなら「ギョーッ」っと勢いよくゲロも噴き出そうってもんだが、わが胃をとりまく筋層にもはや収縮する力は残っていない。
 片岡鶴太郎氏の「IEKI吐くまで」のサビ部分が頭の中でオートリバースする。登り坂に入ってから二百リピートはしたか。胃液吐くまで、といっても実際は吐く胃液も残ってないから、酸っぱい気体だけがグエッグエッと込み上げてくるだけ。
 吐く息がかすかな白い蒸気となって立ちのぼる。道路に設置された気温計は1℃と表示されている。寒いのだろうか。寒くないわけないんだろうけど、暑いくらいである。手袋を脱ぎ、オーバージャケットの前ジッパーをはだけている。体感センサーが故障してるのかな。
 口の中がガサガサに乾いている。唾液はひと粒も出てこない。エイドでもらったコーラや水は5分もしないうちに上に戻してしまうから、腸壁から水分を吸収できていない。渓谷の水音が森にこだまする水の惑星のような場所にいて、ぼくの身体はカサカサに乾ききっている。
 午前0時になったから、ピチカートファイブの「きみみたいにきれいな女の子」を口ずさんでみる。少しは思いつめた感が薄れてゆくような・・・だめか。1人ぼっちの女の子の歌だったな。よけい寂しくなってきた。
 乾いた唇の脇がくっついていて、口が開かない。花粉症で鼻が通ってないから、呼吸困難である。口腔内だけじゃなくて喉の奥まで水分が枯れているから、イガイガして気持ち悪い。飲み込むツバがないってのは、けっこう苦痛なのだよ。長距離レースは、「ふだん当然のように存在していて、何のありがたみも感じてないもの」への畏怖を取り戻す場所なんだな。
     □
 「さくら道国際ネイチャーラン」は、超長距離を走る人たちにとって、最も権威がある、晴れの舞台だ。参加するには主催者による書類審査をパスしなくてはならず、外国人ランナーを含めわずか140人しか枠がないため、出場するだけでも大きな価値がある。
 そして、起伏の激しい250kmの難コースを36時間以内に完走できるのは、本当に強いランナーだけだ。
 速く走れるから完走できるわけではなく、長く走れるから完走できるのでもない。痛くても、気持ち悪くても前進を止めない、強いランナーだけが完走できるんだな。
 こんなに大変なコースなのに、毎年の完走率は70%前後をキープしている。審査基準が高いので、そもそも完走できなさそうな人にはお呼びがかからないから、完走率の高さが維持されてる。
 ぼくなんて過去3べんも応募して毎年、落選通知を受け取りつづけ。参加枠が20人増えた今年、ようやく滑り込みで合格したクチ。参加枠が去年までの120人なら、出ることなんて適わなかったんだろうね。
      □
 午前1時。
 スタートから19時間が経った。ゴールの制限時間まで17時間を残している。
 進んだ距離は140km。ゴールまで残り110km。
 数字だけ並べてみるといかにもゴールできそうなんだけど、それほど単純な仕組みで成り立っていないのが250kmレースの奥深さであり、いやらしい所だ。
 110kmを17時間なんてさ、五体満足な状態なら花見でもしながら、時おりスキップをまじえて、恋のおまじないソングでも口ずさみながら、楽勝で走れますよね。
 ところが今、ぼくの両脚は濡れ雑巾のように重く、差し出す1歩のストライドは30cmに満たない。気持ち的には慌ててるのに、1時間に5kmしか進んでいない状況。この鈍牛ペースなら、途中の関門にひっかかるのは時間の問題、ということになる。
 どこに問題があったのだろうか。反省会を開こうヤァヤァヤァ。革命の時代なら自己批判あるいは総括ってとこか。
 大会前、ぼくは5つの戦略を練ったのだった。
□スタートから106kmの第2チェックポイント(白川エイド)までは寝ながら走る。
□エイドでは座らない。
□登り坂では、遅くてもいいから走り続ける。
□睡魔は走ってぶっ飛ばす。
□本気を出すのは150kmから。
 さて実際はどうだったか。
□「さくら道」を走れる歓びに浮かれ、あらんことかスタートから30kmあたりまで暴走した。
□エイドでは、いきつけの小料理屋におじゃました体で、ゆっくり座して時を過ごした。
□登り坂では、「後半に向けての筋肉温存」という逃げ口上を思いつき、ほぼ歩いている。
□波状的にやってくる睡魔に抗う気合いなく、暖かなエイドで5分、10分と過ごしている。
□いよいよ本気を出すはずの150km手前で、すでに絶望に打ちひしがれている。

 客観分析をすればするほど自分が嫌になってきた。向いてないんだよね、こんなこと。お風呂に首まで浸かりたいよう。布団にくるまってゴロゴロしたいよう。そんなことばかり考えているランナーが、完走なんてできるか? 無理に決まってるじゃない。
 さっきから何人ものランナーに追い越されているんだが、みんな元気そうだ。140km地点で同じ場所にいるってことは、走力としては大差はないのかもしれないのに、彼らはあきらめる気配なんて微塵も感じさせなくて、夜の行軍を楽しんでいるんだもの。
 ぼくに必要なのは精神修行なのかな。写経とか座禅の教室に通ってみようか。滝に打たれて般若心経を唱えたりすると効き目がありそうに思える。すぐあきらめてしまう弱い自分を体外に追い払ってくれる祈祷師とかいないかな。恐山あたりの有名イタコさんに頼めばいくら料金取られるんだろう。
       □
 午前2時。
 標高875mのひるがの分水嶺を越すと下り坂基調になる。本来、下り坂にさしかかればキロ6分台で走って時間を稼ぐべき場面なのだが、さっきから気持ちスパートしてるのに、GPSの表示はキロ9分台しかスピードが出ていない。エッサエッサと早歩きのランナーに追い越されていく。
 長距離に強いってことは、具体的には「暑さなど気温変化に強い」「登り坂・下り坂に強い」「徹夜走に強い」という3大要素があると思うんだけど、ぼくは見事に3つとも弱い。ストレートもフックもアッパーも、決め技を何ひとつ持たずリングにのこのこ上がってしまったボクサーだ。袋叩きにあって当然つったら当然かもしれん。
 長距離走者を襲う代表的なトラブルは、「脚の故障」と「胃をはじめ内臓の不調」が双璧を成しているが、これはほとんど全員のランナーが見舞われる現象であって、あくまで織り込み済みの困難である。痛い・苦しいをリタイアの原因としてるようなら、ハナからこんな場所に来なさんな、と怒られそうなもんである。    
  
 午前4時。
 「スミマセーン、スミマセーン」という声で目が覚める。
 150kmあたりからはじまる平瀬温泉の温泉街を抜ける頃には、歩きながら完全に眠っていた。
 前方のT字路で、韓国人ランナーがこっちに向かって両手をふりながら大声を張り上げている。
 「スミマセーン、道はどっちですかー」
 右方向を指さして「そっちそっちー」と叫んで返す。「ありがとう、あなたガンバッテー」と韓国人は走りだす。レース中、何人かの韓国人ランナーと軽く挨拶をしたけど、皆この大会に向けて簡単な日本語をマスターしてきている。すごいな。
 走り去る彼の背があっという間に小さくなる。次の関門まであまり時間ないものな。君こそガンバッテ、その調子なら間に合うよ。
 知らぬ間に夜が明けている。眼前に白山山系のヒマラヤひだを思わせる急峻な壁が、圧倒的なスケールで迫っている。わぁすごいな。4月も後半だというのに、残雪は汚れもせず白く美しい。
 見はらしのいい庄川沿いの一本道。前にも後ろにも誰一人の存在も確認できなくなる。桜色のフラッグを掲げた大会車両がひんぱんに横を通り過ぎる。ぼくが最終ランナーってことか。遅すぎて迷惑かけてるのかな。
 谷あいのテント1つ造りの小ぶりなエイドステーションにたどりつく。
 関門のある白川郷エイドまで距離は9.5km。残された時間は70分。1km7分で走る脚と気持ちは・・・もう残っていない。
 「ここでリタイアします」と告げる。
 今まで一度も感じなかった空気の冷たさが体の芯まで届き、ガタカダ震えがくる。スタッフの方が、石油ストーブを足下まで寄せ、毛布で身体を覆ってくれる。(ああ、情けないなあ)という後悔の念が押し寄せる。
 「せっかくこんなに世話してもらってるのに、不甲斐ないです」と言う。
 「163kmも走ってきたんでしょ。大したもんだよ」と慰めてくれる。「また来ればいいよ」「ここでエイドやってあげるから」。ううう、すみません。
 ぼくが最終ランナーだと思いこんでいたのに、エイドには続々と後続ランナーが入ってくる。
 顔見知りのランナーに「あれ、やめちゃうんですか。やめなくていいのに」と言われる。
 「はい、もうキロ7分で走れる脚なんてありません」と答える。「それより、今からでも白川郷の関門に間に合うんですか」と聞き返す。
 「わからないけど、きっと大丈夫なんじゃない」とケロッとしている。
 何人かのランナーと、同じような会話をする。誰もが自分のゴールを、完走を信じて疑っていないことに驚く。制限時間ギリギリなのに。今から標高1000m近い山越えが待っているのに。ここからペースアップできる脚を残したこの強い人たちと、弱々しく毛布にくるまるぼくの間には、乗り越えられない川がある。
 今シーズンは月間600〜700kmを走り、苦手なスピード練習もやったのにさ。「身体にいい」とテレビや雑誌やネットで耳にしたサプリメント、飲みに飲んで10種類も常用してるのにさ。玄米に鶏ムネ肉に不飽和脂肪酸オイルにと、一流アスリートみたいな食事してきたのにさ。走れば走るほど弱くなってる気がするさ。
 「僕には明るい未来が見えません!」がリフレインする。誰のセリフだったっけ。ああ、アレだ。新日本プロレスの混乱期に、札幌大会のリング上で若手のリーダー格だったプロレスラー鈴木健三が叫んだ言葉だな。あのとき師であるアントニオ猪木は何と答えたっけ。「テメェで見つけろ」だっけ。そりゃそうだよね。猪木は言葉の天才だね。
 これからどこに走っていくべきか、テメェで見つけるしかねーな。
バカロードその69 右の道と左の道。この道をゆかば、どうにでもなるさ!
文=坂東良晃(タウトク編集人、1967年生まれ。1987年アフリカ大陸を徒歩で横断、2011年北米大陸をマラソンで横断。世界6大陸横断をめざしてバカ道をゆく)

 さあさ皆さんジャーニーランの季節到来ですよ。春の日ざしは荷物を軽くし、凍える野宿の夜からぼくたちを解き放ってくれます。冬枯れの森を季節の花々が週替わりで彩色しはじめます。
 側道わきの山肌では、誰かが据えつけた建材用パイプ口に雪溶け水が噴き出しています。「あてどなき旅」という言葉が頭から離れません。バックパックに最少限の荷物を詰めこんで、名も知らぬ街や野まで走っていくのです。
 最近は、よほどの山奥に入らない限りコンビニやスーパーがありますから、野宿さえ回避するなら、ほぼ空身で走り旅に出られます。思い立ったらすぐ出発できるよう、バックパックを装備完了状態にしておきたいものです。
 ゆく先定めぬフーテンラン用にぼくが準備している用具はこんなとこです。

【照明具】
ハンドランプ(ロードバイクのハンドルバーに取り付けるもの。指にはめて指輪みたいに使うと握力不要で楽ちんなのだ)
ホタル(背後から迫るクルマ警戒用。大会の参加記念品でもらった派手めのLED点滅の)
ヘッドランプ(薄暗いのしか持ってないので、夜釣り用のルーメン最強なのに買い換えたい)
【充電ケーブル】
ガーミン用、スマホ用
【薬品】
鎮痛剤(ロキソニンの大量投下は内科的に危険なので、イヴクイックがほど良い)
絆創膏(おっぱい用が外れたときの予備として)
胃腸薬(ガスター10ことH2ブロッカー。市販薬では横綱クラス)
ワセリン(股間に優しいヴァセリンペトロリュームジェリー100g。持続効果あり)
【その他】
ガーミン910XTJ(説明書どおり本当に20時間持つ。重宝してます)
小さいビニル袋(小銭入れとして、また豪雨時のスマホ防水など用途幅広し)
安全ピン(1個あれば十分。足のマメをザクザク裂くために)
現金(最後は金が物を言う。金さえあれば世の中どうにかなる。金がなければ世の中どうにもならない)
スマホ(特に誰からも連絡ないけどね)
カード類(健康保険証、電子マネーカード、クレジットカード。カードさえあれば世の中どうにかなる)
【ふつう持ってそうなのに、持たないもの】
ハイドレーションパックとか水筒とか(山水か自販機があるってことで)
雨具(濡れたら濡れたであきらめる)
着替え(シャツやソックスの替えは、オシャレさを問わなければ山村の古い雑貨店で売ってるので十分)
地図(適当に走るので)
コンパス(昼間は太陽の方向、夜は星座の動きで代用する)
食べ物(最悪お店がずーっと現れなくても、山には果実や木の実がありんす)

 着の身着のままとまではいかないけど、バックパックの総重量は1kg程度に収まります。1kgなら空身とほとんど変わらない。
 荷物にも、行き先にも束縛されない。職場や親戚や檀家やPTAや、あらゆる人間関係から解き放たれて、名刺を持たない無名のフーテンとなる。目的もなく地上を徘徊する、おかしな人物になれる。バス停のベンチで仮眠してたら、お巡りさんの職質も受けることもあるけど、日本人です!と堂々と答えればよい。戸籍票と住民票は間違いなくこの国にある。ぼくたちの自由を抑圧する法はない。
     □
 春うらら。中年徘徊ランナーが眠りから覚める季節は、同時に主要な長距離レースの参加日程を組む時でもある。今年はこんな大会にエントリーした。
□4月、さくら道国際ネイチャーラン/250km・36時間
 名古屋城から金沢兼六園までの250キロという距離もさることながら、36時間という制限時間の厳しさ、累積標高差4500m、参加選手のレベルの高さと、いずれをとっても国内最高峰の超長距離ロードレースと言える。平凡ランナーにとっては出場すること自体がほとんど無理なハイクオリティー大会だが、今年は参加枠を120人→140人と20人増やしてくれたおかげか、マグレで出られることになった。ありがたやー。
□5月 川の道フットレース/520km・132時間
 東京葛西臨海公園から長野善光寺を経由し、新潟市へと至る遙かなる道。1740mの三国峠越えはひとつのハイライト。ワンステージレースであるが仮眠所が3カ所設けられているランナー想いの優しい大会。幻覚、幻聴、象足、生爪はがれと、フットレースの醍醐味をフルラインナップで満喫できる。
□6月 つるぎのめぐみワイルドウォークハードシップ/115km・2日間
 徳島県南部を流れる那賀川河口、海抜ゼロmから西日本第二の高峰・標高1955mの剣山頂上へと向かう。初日はロード、2日目は登山というユニークな趣向。今年初開催。
□6月 土佐乃国横断遠足/242km・60時間
 高知県の室戸岬から足摺岬まで土佐湾をぐるっと廻る。中岡慎太郎像をスタートし、桂浜の坂本龍馬像を経由して、ジョン万次郎像にてゴールという維新好きにはたまらないコース設定となっている。これまた今年初開催。
□7月 鳴門海峡・愛媛県佐田岬横断(練習会)/294km
 スパルタスロンの模擬試験として行う。スタート時刻、関門設定を本番同様にする。気温急上昇するスパルタスロンの予行演習は、日本ではクソ暑い夏にしか行えない。練習の総仕上げ。ここでヘバるなら本番は赤信号。
□8月 トランスエゾフットレース/1100km・14日間
 1日平均78km走るステージレース。真夏の北海道、地平線までつづく1本道をゆるりゆるりと前進する。長期間のステージレースとして、不定期・単発ではなく毎年開催される大会は、国内では稀有な存在。2週間もの間、走ることしか考えなくていいランナーにとっては夢のようなひととき。
□9月 スパルタスロン/247km・36時間
 ギリシャ・アテネのパルテノン神殿前からスパルタ・レオニダス像まで、2500年前に戦士が駆けた道をたどる。80キロ関門までのスピード、直射日光に焼かれる高温かつ乾燥した気候、1200メートルの岩山越え、徹夜からレース後半の耐久マッチ・・・と超長距離ランナーが持ち合わせるべき全ての要素を高次元で求められる大会。

 これら大会の合間に100kmレースを数本入れ、スピードを養おうって魂胆。
 なーんてね、計画立ててるときだけだよね楽しいのは。頭の中で予定を組み立てたり、飛行機や宿の予約サイトを眺めて、あれやこれやと悩んでいる時間はこよなく愉快。これって鉄ヲタで言うところの「時刻表ヲタ」なんかもね。お楽しみは机上で終わり。
 いざレースに出て走りだすと後悔の荒海。こんな苦しくてつらい事の積み重ね、自分に向いてるわけないし〜。温風乾燥機をほどこした羽毛布団にくるまりたいとか、源泉かけ流しの湯に首まで浸かりたいとか、現世利益の強慾に捕らわれるばかり。
 元々、スピード出して走るのが苦手なうえに、耐久フェーズにも弱い。徹夜ランニング中の走りながらうたた寝は茶飯。明け方まで仮眠処を求めて工事現場のプレハブ小屋や神社の引き戸をガタガタまさぐり、不法侵入を試みる悪だくみに終始。
 こんな自分が名だたる長距離レースに参戦して、人並みに完走を目指すというのは、根本的に方向性を間違っているのかも。
 100kmを7時間や8時間台で走り、24時間走で200kmを軽くクリアするようなランナーたちは、ぼくにとっては皆スーパースターである。ウルトラマラソンをはじめた頃は、彼ら業界のスターたちと肩を並べてスタートラインに立てることが快感だったけど、レースのたびに絶望的リタイアを繰り返してると、「こりゃぼくの居場所じゃないのかも」と切なさに包まれる。
 今年ダメなら競技的なレースからは足を洗おうと毎年のように決意しながらズルズル。チンピラ男に惚れてしまい、殴られ蹴られ金ヅルにされながらも、時折見せる優しさにほだされて、縁を切れない女のサガみたいなもの。もう終わりにしたい、でも愛されたいし、愛してるの私。
 自分の能力、走力はわかっている。場にふさわしくないのも理解しているのだが、もう1年だけやらせてください。「完全にやり切った」と納得できるだけの練習と準備をして、ダメなんだからダメなんだもんと100%自覚したいのです。これ以上のことはできません、細胞の残りひと粒まで絞りきったのです、と確信して終わりたいのです。
 ってことで、シャニムニ練習している。この道をゆくには、熱血スポ根マンガに登場する魔球・必殺技系に類する奇策はないのである。ふり返れば過去5年、奇策奇行に頼りすぎた。20kgの米を背負って崖を登ったり、インターバル走のつなぎにカルピスソーダ一気飲みを入れたり(胃を鍛えようとしたのです)。スピード強化策は箱根ランナーの模写。宇賀地強の空中滑空ラン、大迫傑の異次元の走り、服部翔太のターミネーター顔。中央大学・塩谷潤一のガムシャラ走にはハマりました。もちろん走力の向上には無関係ですけど。
 奇策に頼り失敗すると、また別の奇策があるのではないかと、逃げ道の存在を認めてしまう。だから今シーズンは、よく鍛えられた総務部の経理マンのように、突飛なことをせず、目的を達成するために地道な積み重ねをします。
 あまたのアスリートと同じ土俵に立とうとするなら、練習量を増やすしかない。少なくとも1日20km、レースを含めて1カ月700km以上は走る。これでも甘いと言えば甘いけど、まともな社会生活を送るにはほぼ限界数値。
 よく走り、たくさん食べる。ボウル一杯の野菜をバリバリ食らう。今まであまり摂取しなかった肉もむしゃむしゃ食らう。イミダペプチド鶏ムネ肉ね! アイスクリームとチョコレートのみの偏食生活を悔い改め、よく走れる身体にプラスとなる食材はガンガン胃に放り込む。
 よく走り、よく食べたら、たくさん寝る。時間があればあるだけ眠る。睡眠が深いほど翌日の練習をちゃんとこなせる。天賦の才なき人間が、日々20km、30kmの練習を積み重ねずして、100kmや200kmがこなせるだろうか。無理に決まっておる!
 よく走り、よく食べて、よく寝る。半年間これを繰り返して、それでも結果(スパルタスロン完走)を出せなければ、元のBMI30超級なメタボ中年に戻ろう。なにごとも中途半端はつまらない。絞りきって死ぬか、肥え太って死ぬか。中肉中背はイヤだ〜!