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2009年06月09日

熱砂に汗がしゅみこむのだ サハラマラソン完結
砂漠で知りえた全ノウハウ

文=坂東良晃(タウトク編集人)

 砂漠から一路徳島に帰還すると、たくさんの方・・・主におじさま世代から「サハラに出るにはどうすればいい?」とのお問い合せを受けた。メタボリックランナーこと私めがヨロヨロながらも完走したという事実は、「マジでやれば人はメタボすら超越できる」とのメッセージとなり天駆けめぐり、何人かの熟年おじさまのハートをノックしたってことなのかな。サハラマラソンに出場する日本人ランナーは毎年10人前後、つまり1億2000万人中たったの10人だ。1200万人に1人の天文学的稀少価値のある酔狂な人の群れに、いつか徳島出身ランナーがたくさん参戦すると楽しいだろうな。
 さて半年にわたって連載した「サハラマラソン編」も今回を締めとしよう。ラストは、ぼくが知り得た砂漠レースのノウハウをメモとして残したい。砂漠という特殊環境で超・長距離を走る場面では、各ランナーの過去の経験や、個々の体質によって対策が180度異なる。トレーニング、装備、食料・・・あるランナーにとってベストな選択が、別のランナーにとっては最悪の結果につながる。だからこれから書くことは今から走る方へのアドバイスではない。あくまでぼく個人の経験に基づいて感じた「も1回走るなら、こうしよう」という淡い思いにすぎない。

【大会全般の流れ・重要だと思ったこと】
□パリの空港集合まで
 全選手はフランス・パリの「オルリー空港」に集まり、主催者によりチャーターされた3機の飛行機に分乗し、モロッコに入国する。今回は早朝4時集合で、公共電車・バスが動いておらず、タクシーを利用するしかなかった。パリ市内からオルリー空港まではメータータクシー利用で4000〜5000円かかる。乗用車型タクシーなら3人乗れるので、ワリカンすれば1000円チョイですむ。
□砂漠をめざすバスにおける放尿
 モロッコのワルザザード空港に到着後、入国手続きを済ませると、選手は1機あたり7台ほどの大型バスに分乗し、サハラ砂漠の中に設営されたスタート地点を目指す。毎年スタート地点は異なっているが、バス移動は7〜8時間程度と見ておく。今からどこに向かうかは選手には知らされない。フランス語と英語で書かれた「ロードブック」というレース行程表をここで渡されるが、それを見てもやっぱりどこに向かっているのかわからない。トイレ休憩は2時間おきくらいにあり、男女とも遮るものがない砂漠の平原に放尿・脱糞する。日本人以外の女性は何の躊躇もなく、何ひとつ隠すことなく堂々と原っぱでトイレをすませている。自由です。
□野宿時の風よけ
 初日からいきなり野宿だが、これはたいへん楽しいものだから心配には及ばない。砂漠に設営された大型テントは1張りで最大8人がザコ寝する。テント・・・と言ってもあくまで砂漠の民仕様の天幕。大きな毛布を地面に敷き、さらに巨大な一枚布を天井がわりにしているだけで、入口のフタはない。したがって風は抜け放題だ。風の強い日は、木製の支柱を外して天幕を地面に近くにセッティングし、外気を遮断するよう努めたい。
□スタート好位置の確保
 毎朝9時前後に1日のレースがスタートする。上位を狙うなら開始30分ほど前からスタート地点に向かい、ラインに近い位置をキープするべし。砂漠で前方のランナーを追い抜くのはひと苦労。追い越し時には、踏み跡のない深い砂地や、浮き石だらけの瓦礫のうえを走らざるを得なくなり、必要以上に体力の消耗を強いられるのだ。
□水の摂取と必要分量
 1.5リッター入りのペットボトルの水が毎日3〜4度にわけて支給される。容量にして1日トータルで7〜9リッターだが、いくら汗をかいても、これほどの水は飲めない。トップグループの選手は受けとった水をそのまま置いていったり、大半を捨てている。レース中はだいたい距離8〜15キロの間で必ず1度は補給される。その区間を自分が何時間何分で走れるかというペースを見きわめ、その時間内に飲める水の量を計算し、最少限に調整したい。ぼくの場合は700ml以上は腹に入らなかった。ペットボトルから移し替えるために、選手はスクイズボトルを3本、4本と持っていたが、そんなにたくさんのスクイズボトルが必要なのか極めて疑問。ペットボトルそのものを持って走れば、水を移し替える手間も省ける。移し替えをしなければ、CP(チェックポイント)と呼ばれるエイドで足を止めずに済む。休まなければ、休憩中の先行ランナーを30人くらい一気に追い越せるだろう。
□ゲートル(シューズカバー)とマメ
 これは最も神経を使う用具だ。靴の中への砂の侵入を防ぐためのゲートルは、選手の80%以上が着けている。ベテラン選手は、ゲートル下部を固定するマジックテープを、靴底ではなくやや上部(布の部分)につけている。ビギナーランナーは靴底のラバー部分につけている。もちろんベテラン選手のつけ方がよいのである。ラバー部分には凹凸があり、そこから砂の侵入を許してしまうのだ。ぼく自身はゲートルをつけなかった。蒸れそうな気がしたし、慣れてないことをあまりやりたくなかったからだ。結果としてマメは1コもできなかったが、容赦ない砂の侵入を許した。靴ヒモは、日本のレースに出るときみたいに締めつけない方がいい。血液の流れを滞らせないようにし、シューズの中で足を固定しないことが、マメ防止の最善策だと思う。
□ロングスパッツを使用すべきか
 日本人選手のロングスパッツ着用率が約70%と非常に高かった。一方で、欧州の選手は、ショートパンツか膝上までのスパッツが大半であった。直射日光による皮膚表面温度の上昇を考えれば、黒いロングスパッツは熱吸収率が高く不利に思えるのだが・・・。しかし、ぼく自身一度もスパッツをはいたことがなく、筋力や関節のサポートなど、利点を確かめたわけではない。だから主観的評価は下せない。
□バックパックの種類
 レース中は、前傾姿勢をとる場面がたいへん多い。特に砂丘越えでは、足首まで潜る柔らかい砂を強く踏みしめつつ体重を前に乗せていかないと、登っていけない。通常のザックを背負って走るスタイルでは、重心が身体の中心からやや後方に移行する。平地を走る分には問題ないが、崩れる砂山を登る際には非情なる前傾姿勢を求められ、体重を支える大腿部の筋力を一気に消耗してしまう。
 ほとんどの欧州の選手が使っている「Raid Light」というメーカーの砂漠レース用に開発されたバックパックが最適である。このバックパックは、体背面だけでなく体前面にも荷室やドリンクホルダーがあり、うまく前方に重心が寄るよう設計されている。日本に専門店はないが「Raid Light」で検索すると仏語、英語の通販サイトにアクセスできる。
□エネルギーとやる気を引っ張り出す食糧
 欧州選手はタンパク質の摂取を積極的に行っていた。ハム、肉のくんせい、サラミソーセージなど高カロリーな肉類を多く食し、ナッツ、チーズ類など重量や体積に対して高カロリーなものを厳選し携行していた。対して日本人選手は米やラーメンなど炭水化物の乾燥食料が中心で、やや穀類に栄養源を求めすぎている気がした。乾燥米は、そのカロリーや栄養素に対して重く、またかさばる。ラーメンは毎日は食べられない。行動食にも向かない。日本での事前準備の際に、どうしても登山用品店などで携行食糧を買ってしまいがちだが、砂漠レースと登山はもちろん根本から競技が異なるものである。登山用の食糧は向かないという印象だ。
 ぼくは食糧の大半をチョコレートにした。チョコが大好きで、モチベーションをあげるためにそうしたが、朝から晩まで食べているうちに、3日目くらいから見るのも嫌になってきた。やはり単品ではなく、味や食感、栄養素に変化のある食べ物を持って行きたい。

【荷物の軽量化=持っていったけど、持つ必要がなかったもの】
 上位を目指すランナーも、完走を目標とするウォーカーも、荷物が軽いに越したことはない。特に重すぎる荷物は、激烈な痛みをともなうマメの出来具合に大きく影響していると推察する。大会ルールとしてスタート地点での荷物重量が下限6.5kgに設定されている。今大会では全選手に対する重量チェックはなかったが、抜き打ちで検査される場合もある。初日のレース前日の公式チェック時に水、食料を多めに持ち、6.5kgギリギリに抑える。チェック終了後からスタート号砲までの間半日で水・食糧を消費して5kgでスタートする。毎日300gずつ食べて減らし、最終日には3kg以下に荷物を減らす。これでずんぶんラクなレースが展開できると思う。

 また、用意していった装備品のなかでも、ほとんど使用しなかったモノがある。使わないモノを1週間も運び続けるのはまったくのムダだ。
□石鹸は不要。極度の乾燥からか汗が流れ落ちないため、あまり衣類につかない。体臭は、日を増すごとに誰もが臭くなってくるので相対的に気にならない。
□トイレットペーパーはほぼ不要。大便は、支給された水でチョロチョロ流しながら手で洗うのが一番。
□ウレタンマットは不要。地元の砂漠の民が組み立ててくれたテントには分厚い絨毯が敷かれている。絨毯下の小石をどけて寝床を整えれば快適に眠れる。
□スリッパ、サンダル類は不要。キャンプ地で外を歩くときは、レースシューズのヒモをゆるめて履けばいい。それで何の問題もない。
□ヘッドライトを使用する場面は非常に少ないため、スペア電池は1回分もあればよい。ぼくはスペアすら使わなかった。
□ウエアは、レース用シャツ2枚、パンツ2枚。これでOK。
□夜間睡眠時に着用する防寒用の長そで、長スボンのウインドブレーカーは、登山用具コーナーで売っている最軽量のナイロンやポリエステル素材のウェアを選ぶ。スポーツ用のジャージはどんな軽量タイプといえど重い。
□靴下は2枚でこと足りる。3枚はいらない。薄手のものがよい。水洗いして干しておけば1時間もしないうちにカラカラに渇く。
□紙類、お札(お金)は重い、そして不要。レース中にお金を使う場面はない(例外は国際電話・国際ファックスを使用する場合のみ)。
□歯ブラシは先だけポキッと折り、柄の部分は捨てる。歯磨きチューブの分量は、きっちり7日分だけ持って行く。トラベル用の小さめのチューブなら3分の1くらいまで減らしておけばよい。
□コッヘル(小鍋)の持参についてはよく吟味したい。自分にとって本当に毎日熱湯が必要かどうかを疑ってみる。鍋を持っていない選手も少なからずいた。
□塩は、大会サイドからうんざりするほどの量の錠剤をくれるので、持参する必要なし。
□ヘッドランプは超小型のものでよし。クリップ型で、帽子のツバにつけられるような軽量型もある。
□その他、ナイフ、鏡、寝袋などの大会指定必携品は、極限までその重量を減らす努力をする。

【効果的な練習方法】
 筆者は、平坦な海岸の砂浜を走る練習を続けたが、実際の砂丘には平坦路はほとんどなかった。5〜10メートル程度の砂のコブが30回、40回と際限なく現れる。日本で練習する際は、急な傾斜で、なおかつ乾燥して崩れやすい砂地を見つけ、走りこなしておくことが本番に役に立つ。海辺なら、堤防に向かって砂が吹きだまっている所があるはずだ。そこを何十回と往復したり直登する。
 また、荷物を背負ったうえでの100km走は効果がある。初日〜3日目までの短い区間(30km〜40km)でいくらランキングをあげても、オーバーナイト区間(80〜90km)で遅れると1時間、2時間と大差がつき、総合ランキングも一気に下がってしまう。上下に揺れつづける10kgほどの荷物を背負ったまま走る90kmは、空身の150kmに等しい。以下の練習を週一回程度、半年間続ければ、砂漠用の脚が作られるはずだ。
□8kgのバックパックを背負い、上り下りが連続する急な坂道を3時間走る。
□8kgのバックパックを背負い、傾斜のある砂浜を2時間走る。
□5kgのバックパックを背負い、100kmロードを走る。
□日本の最も暑い7〜8月にかけて、空身で80〜100kmロード走を2〜3本入れる。
□5日間連続50km走を行う。3日走って疲労困ぱいした後の4日目、5日目の50kmがトレーニング価値が高い。お勤めの方はちょつとムリですね。

 なにはともあれ。1年チョイの歳月をかけて挑んだ砂漠レースが終わった。大っきなお祭りが終わった寂しさにいまだ胸キュン状態だが、感傷にひたっているガラではない。今の自分の力では絶対にたどり着けない場所をひたすら目指すのである。ってことで次号より当コーナーは更にバカさ加減を増幅してゆく新シリーズに突入します。無意味な行動を全力でやりつづけることに意味を見いだしたい!という禅問答にもならぬ欲望を胸に抱き、トコトコと地味にあてどなき地を求めさすらいます。ご期待ください。目指すは地平線!ってそりゃゴールはないってことか。


2009年06月05日

さらら6月4日号は・・・新入社員のホンネに迫る! tokushima-salala06046月が始まりました!この春から新しくスタートをきった皆さんも、そろそろ新生活に慣れてきたころでしょうか?
というわけで、さらら6月4日号の特集は「新入社員と会社のホンネバトル」!
驚いたことやスゴイと思ったこと、さらには不満まで、全てホンネで語ってもらいました。
新入社員の皆さんも、会社の先輩方もお互いのホンネを要チェックです!

また、表紙で人気連載中の「嗚呼! さらら番付」の今回のテーマは、好評につき第2弾 「うれし楽しき小市民生活」。徳島県民が日々感じている小さな喜びをのぞき見しちゃいましょう!小さ〜な喜びをたくさん集めれば、大き〜な幸せにつながるかもしれませんよ。

2009年06月01日

月刊タウン情報CU*5月号 実売部数報告0905_CU部数報告.pdf

月刊タウン情報CU*5月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*5月号の売部数は、
5875部でした。
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2009年05月30日

タウトク6月号は食べ放題の店、総力大特集! tokushima-tautoku0906★最新にして最強!今行くべき食べ放題★宴会の味方、居酒屋オーダーバイキングやバラエティに富んだ品数が魅力的なランチビュッフェ。デートに最適なロケーションだったり、お店のグランドメニューすべて注文OKだったりと、食べ放題のお店は進化を続けている。お店に到着するまでのドキドキ感、ズラリと並んだ料理と対峙したとき急上昇するボルテージ。好きなものでお腹を満たす幸福感といったら他の何者にも換え難い。行列必至、絶対トクする食べ放題の最新情報を見逃すな!

2009年05月21日

さらら5月21日号を読めば、あなたも今日から買い物上手! tokushima-salala0521さらら5月21日号の特集は「ビバ! まとめ買い道」。徳島で食品や日用品が格安価格で手に入る素敵すぎるお店をご紹介。またまた、まとめ買い上手な主婦の皆さんに、その買い物方法や保存方法を教えてもらいました。この技を盗めば、あなたも買い物名人になれるかも!
そして、徳島の人々の声を集めた大好評の嗚呼!さらら番付。今回のテーマは「何事にも細かい私、ああ小市民」。たいしたことじゃないけれどいつも気になってしまう日常生活の疑問たち。皆さんもきっと思い当たる節があるはず。

2009年05月15日

月刊タウン情報トクシマ4月号 実売部数報告0904_タウトク部数報告.pdf

月刊タウン情報トクシマ4月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ4月号の売部数は、
7423部でした。
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2009年05月13日

女どうしで訪れたいグルメ店満載のCU6月号発売! tokushima-cu0906
徳島の女性が今知りたい情報がぎっしりのCU最新号は…

○特集○
「徳島の女性が選ぶ! 私たちが好きな料理店」
おいしいお料理やスイーツがいただけるのはもちろん、
おしゃべりに花を咲かせられる居心地のいい空間、
ソファ席や個室、キッズルームがあるお店など、
家族や友だち同士で出かけたい素敵な料理店を
県下エリア別でご紹介!

2009年05月12日

月刊タウン情報CU*4月号 実売部数報告0904_CU部数報告.pdf
0904_CU部数推移.pdf

月刊タウン情報CU*4月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*4月号の売部数は、
6170部でした。
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2009年05月08日

さらら5月8日号で知る!家庭菜園の魅力 tokushima-salala0508今年は美味しい夏野菜を家で育ててみませんか?というわけで、さらら5月8日号の特集は、「家庭菜園は楽し」。現在家庭菜園を楽しんでいるという方に、その育て方のコツや楽しむポイントについて教えてもらいました!今までしたことがないという初心者の方はもちろん、昔失敗してしまって諦めていた方も、この機会にもう一度チャレンジしてみては?

さらに大好評の「嗚呼!さらら番付」は、こんなサービスあったらな!(スーパー編)。日頃よく使っているスーパーだからこそ、「もっとこうなればいいのに」という希望はたくさん。本当にこれが実現したら、もっと買い物が楽しくなるのになぁ。



2009年04月30日

熱砂に汗がしゅみこむのだ サハラ、目に映ったもの
文=坂東良晃(タウトク編集人)

 レースは終わった。
 5日間を表現するにふさわしい言葉があるだろうか、否。
 サハラ砂漠で繰り広げられたランナーたちの戦いを、ひとつひとつ描写するには、あまりにぼくの文章力はとぼしい。

sahara002 sahara001 sahara007 sahara005 sahara004 sahara006 sahara008 sahara003
 たとえば、足の皮フを破りながら、応急処置の人口皮膜を貼り付けただけの足の裏で、砂漠の熱い砂を何万回と踏み続けるランナーの痛みや心情や、それを乗り越えていく魂。ぼくはそれを表現するにふさわしい言葉を持たない。
 重篤な病を克服するために、あるいは家族にチャレンジする背を見せるために、自らの勇気を最大限に試す場所としてこのレースを選び、何年もの準備期間とトレーニングを積んで集まってきた人びとの偉大さに対し、頭をひれふすしかない。
 「過酷な砂漠を走り、自分と戦うレース」としか認識せず挑んだサハラマラソンに、想像もしない大きな熱い熱風の塊をガツンとぶつけられた。レースの詳細を日記風に記録することも・・・やめにしとこう。何をどう書こうと、現実に目に映った人間のドラマ、感情、エネルギーの爆発に対しては陳腐のものでしかない。

 日本に帰り、温かい布団の上に寝ころぶと、苛立ち、いや怒りに近い感情に支配される。もっといいレースができたのではないか。限界ギリギリの走りなんて程遠かったのではないか、という後悔だ。レース3日目、91キロの長丁場ステージの途中でぼくは、完全なるハンガーノック(枯渇)を迎え、意識を失った。失神なのか睡眠なのかわからない。目を覚ましたときには、おそらく200人以上のランナーに抜かれていた。再び走ろうとしても、身体のなかに燃せるべき原資が感じられなかった。そしてゴールまでの残り30キロを歩いた。後ろからぼくを追い抜いていく多くのランナーが救いの手を差しのべてくれた。結局、歩きにつきあってくれた2人の日本人ランナーの力を借りてゴールまでたどりついた。走りはじめて19時間近く経った早朝4時だった。
 今思う。あれは本当に「枯渇」だったのかと。ハンガーノックを理由に自分を許したのではないかと。肉体へのダメージを理由に、ぼくは走るべき場面で歩き、歩くべき場面で立ち止まった。それが悔しくてならない。

 高い壁に挑戦する人びと、人生を謳歌する偉大な人びとに出逢えた。そして、限界まで追求できなかった自分の弱さに絶望した。それがサハラ砂漠での5日間だった。観客として感動し、ランナーとして、人間としてへこたれた。何も終わっていない、何の満足も達成感もない。これからがはじまりである。

第24回サハラマラソン
開催地/北アフリカ・モロッコ
開催日/3月30日〜4月3日
出走者/39カ国・807人

各ステージおよび総合成績
ステージ1 33km 4時間31分40秒 278位/807人
ステージ2 36km 4時間48分00秒 177位/805人
ステージ3 91km 18時間48分50秒 401位/797人
ステージ4 42km 5時間06分13秒 206位/774人
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総合   202km 33時間14分43秒 310位/807人

2009年04月29日

地元徳島のウエディング情報を総まとめにした「結婚しちゃお!夏号」が発売されました。0905shiciao_summer-web地元徳島のウエディング情報を総まとめにした
ウエディング情報誌「結婚しちゃお!夏号」が発売されました。

徳島で人気の結婚式場&披露宴会場が全33タイプ掲載!
「結婚式場ってどんなところがあるんだろ」という疑問が
これならぜーんぶ解決。2人にぴったりの会場が見つかります。
プロポーズをされたら、結婚しちゃお!を読んで
最高の結婚式を叶えてくださいね。

2009年04月28日

タウトク5月号で初夏を満喫!おもしろ日帰りレジャー tokushima-tautoku0905★晴れた気持ちのいい休日には…★
樹齢数百年の巨木が迎える森を散策したり、神秘的な滝を見に行ったり。はたまた徳島を飛び出して南国土佐の海でイルカと触れ合ったり、淡路島牧場で新鮮ミルクに舌鼓…。まだ体験したことのない徳島&近県のレジャー総まとめ!
★わざわざ行きたいおでかけグルメ★
隠れ家的おしゃれカフェや、緑に囲まれたお店でいただく体に優しい料理など、誰かに教えたくなるお店をご紹介!とっておきの休日にするための情報が、タウトクにたーっぷりつまっています♪

2009年04月16日

さらら4月16日号は…ちょっと、いやかなり気になるトイレ事情 tokushima-salala0416ある日、編集部に届いた一通のメール…「なぜ家庭から小便器がなくなってしまったのか?」
この問題を追及すべく、アンケート調査を実施。家庭から男性用トイレがなくなってしまったのは本当か?この現実に、男性はそして女性はどう思っているのか?
今回のさららの特集は、「おうちのトイレ、大問題!」。

また、大好評の「嗚呼!さらら番付」は、徳島県民に聞いたおじさまのたいくつな話。若い人たちに話をする機会が多くなる今の時期、すてきなおじさまと思われるためにご参考してみては?

2009年04月14日

食べて、遊んで、お買い物三昧のCU5月号発売! tokushima-cu0905
徳島の女性が知りたい情報が満載のCU最新号は…

特集
「とくしまの女性が行きたいとこ100」
徳島の新グルメ店やオシャレなショップ情報から
近県の注目スポットをどどんと100カ所ご紹介!
香川の雑貨&カフェ、高知のオーガニックマーケット、
神戸の最新アウトレット、城崎のレトロ街散策など
知らなかった遊び方がたくさん。
月刊タウン情報トクシマ3月号 実売部数報告0903_タウトク部数報告.pdf
0903_タウトク部数推移.pdf

月刊タウン情報トクシマ3月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ3月号の売部数は、
8681部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2009年04月11日

月刊タウン情報CU*3月号 実売部数報告0903_CU部数報告書.pdf

月刊タウン情報CU*3月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*3月号の売部数は、
6442部でした。
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「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」
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2009年04月02日

さらら4月2日号は「徳島の素敵な男性スペシャル」 tokushima-salala0402さらら4月2日号の特集は「徳島で働く男前に急接近!」
徳島で働いているごっつい素敵な男性8人に、今回さらら編集部が会いに行っちゃいました!仕事のやりがい、今はまっていること、好きな女性のタイプなどなど、知れば知るほど夢中になってしまうこと間違いなし。
また、表紙で好評連載中「嗚呼!さらら番付」の今回のテーマは「春っぽいできごと」。お花見に、花粉症に、卒業入学に…と春ならではのイベントの中で生まれるあるあるエピソードの数々をお届けします!

2009年03月28日

ソースの香りに誘われていざ行かん!タウトク4月号 tokushima-tautoku0904★徳島お好み焼巡礼88ヵ所の旅★
電話帳を開けて徳島県のお好み焼店を数えてみたら、その数なんと300件近く!1世帯あたりのソースの年間消費量が全国でもトップクラスだというウワサも聞いたことがあるような。今回のタウトクでは常に満席の人気店から、変わらぬ味で長年愛され続ける老舗まで88店のお好み焼店をご紹介!焼けたソースの香ばしい匂い、コテと鉄板が奏でるメロディ、湯気を挟んで繰り広げる軽快なトーク…。くぅー!お好み焼が食べたくなってきたー!タウトク4月号を読めば、あなたの「お好み」の1枚がきっと見つかるはずです。

2009年03月17日

熱砂に汗がしゅみこむのだ サハラマラソン参戦30日前「全装備」
文=坂東良晃(タウトク編集人)

 さてと、ぼちぼち旅支度である。サハラ旅に必要なすべての道具を押し入れから引っ張り出し、床いっぱいに広げてみる。小さなバックパックにこんだけの物が詰め込めるとはまさに魔法。荷物の真ん中に寝っころぶ。実際に使うか使わないかはさておき、イザって時に生命を救ってくれるモノどもに囲まれると、癒しのエーテルの海に漂う心境。
児童文学「エルマーのぼうけん」導入部に登場する挿絵・・・エルマー少年がキスリングザックにいろんな荷物を詰め込んでいく場面は永遠のマイ・フェイバリット・シーンであるが、誰にも内緒で極秘に冒険の旅の計画を思いついてしまった少年のように無言で興奮している。天井を見つめて瞑想する。70年代、二十代半ばでサハラ砂漠横断7000キロを試みマリで渇死した青年冒険家・上温湯隆が、ほとばしる全情熱を焼きつけた砂の聖地への入城は目の前なんだよね。20年ぶりのバック・トゥ・ジ・アフリカは、ニーチェの提唱する永劫回帰を実践する旅なのかもね。遠くまでいくことは回帰することだと老子先生は説いたよね。人生は転がる石のようだねライク・ア・ローリンストーン。
 少し我に返ろう。以下はこの半年でコツコツと集めたサハラマラソン全装備だ。こんな情報が誰の役に立つというのか。誰の役にも立たない。メディアは消費者に役立つ情報ばかりを提供しすぎなのだ。少しはウンコちゃんのような無益な情報を出しやがれ。ぼくのクソ情報はインターネットより遅く、世界を網羅することもなく、地球のどこかの裸電球かがやく四畳半一間に届く。そして、情熱の吹き出し口が見つからず爆発寸前になっている若者の心に、静かに火の粉をふりかけるのだ。引火して、発火して、爆発しやがれ、である。

【バックパック】OSPREY「EXOS 34」
 アウトドアショップ「ジョイン」店頭でこのバックパックと対面したぼくは、瞬時に恋に落ちた。脳天にピカガラと稲妻が落ちたのである。性能はさておき、黄土色のこいつと赤褐色のサハラと、ぼくとの三角関係を夢想すると興奮が止まず、早く店頭から拉致したいという衝動を抑えられなくなった。理由はない。一目惚れである。
 レースの成否はバックパックにかかる。身体の密着度合いからしても、シューズとともに肉体の一部として扱うべき存在だ。バックパック選びに失敗すれば肩・首・腰と痛みが広がり、最終的にはレースから逃避するかせぬかの葛藤に追い込まれる。
 ぼくがバックパックに求める最大要素は、ベルトを自分の感性のままに調整できるかどうかだ。バックパックは3つの点で支えられている。右肩、左肩、腰である。その各支点にかかる負荷は3つのベルトでコントロールする。ショルダーハーネスと呼ばれる両肩のベルトを緩め、ウエストベルトを締めたら荷物の90%ほどの重量が腰にかかる。その逆もできる。平常時では背中全体に重量を分散させるが、数分単位で主たる加重の場所を変える。走りながら、指一本ミリ単位の操作でコントロールできるベルトが理想だ。
 半年前にアドベンチャー・レース用に特化した「グレゴリー・アドベントプロ」というザックを仕入れ、練習を重ねていた。しかし登山用ザックとの「締め方の違い」に慣れなかった。そんな現妻との相性もあったのだろう。意のままに加重を操れるOSPREY「EXOS 34」との出会いは運命だと思えた。レース1カ月前にしてのバックパック変更だが、吉凶はやってみないとわからん。
 重量は910グラム。背中とザックの間に空間が設けられているので、汗がザック内に染み込まない。10キログラムの荷物を入れ全力で走ってみると、身体とのフィット感がすぐれている反面、やや背中でバウンドする傾向がある。それも愛嬌と受け止めよう。とにかく恋に勝るものはない。こいつと心中すると決めた。

【シューズ】サロモン「XTウィング」
 大きく左右に張り出たアウトソールによって、岩・ガラ場のエッヂを確実に捕捉する。頑丈で大がかりなソールと引き替えに軽量さは失われ、片足390グラムと重量感がある。
 他のシューズと一線を画しているのは「クイックレースシステム」と呼ばれる独特の靴ヒモ。幅1ミリ未満の細く頑丈な1本のヒモがリング状にシューズに張り巡らされており、指1本で締める・緩めるを調整できる点である。砂漠の連続ランでは、足の裏や甲が大きく腫れあがるという。そんな状況変化に対応してくれそうだ。ぼくの平時の足裏のサイズは26センチだが、腫れを見越して28センチを選んだ。
 また、サハラでは靴内部に侵入した細かな砂がやすりとなって足裏をこすり、ためにマメができてたいそう苦しむと言う。「XTウィング」は、砂を通しにくい形状のメッシュ素材で覆われている。が、きっとマメについてぼくは他人よりも耐性がある。三度にわたる千キロを超える徒歩旅行をこなすうちに痛みに慣れてしまった。火であぶったピン先で挿して水分を飛ばし、鉄のようにテーピングすれば痛点はなくなる。問題ない。

【ボトル&ボトルホルダー】モンベル「アジャスタブル ボトルホルダー」
 主催者から支給されるペットボトルの水を、常時1.5〜4.5リットル保持しながら走るためには、バランスの良いパッキングが求められる。背中に10キロの荷を背負い、身体の前面にウォーターボトルを数本装着して、前後のバランスを取る。欧米のバックパックメーカーは、ザックに装着するさまざまなアタッチメントを開発しているが、日本では入手困難だ。ようやく見つけたのがコレ。背面のマジックテープを使い、バックパックのショルダーハーネス(肩ベルト)に装着できる。1リットルのボトルが入るので左右で2キロ分の水を体前面に保管できる。

【ウエストボトル】ネイサン「ランニングウエストバッグ Xトレイナーミューテーション」
 500〜650mlのボトルを横置きに収納。サイドには148mlのゼリーチューブをセットできるホルダーがついている。横揺れ、縦揺れの少ない秀作である。

【ウォーターリザーバー】モンベル「オメガリザーバー 2.0L」
 3つのボトルホルダーに加え、バックパック内には2リットルのウォーターリザーバーをセットする。水の入った袋につながるホースを肩口から胸元に伸ばし、走りながら水補給できる。ホースの先の吸引部分は奥歯で軽く噛めば、勝手にリザーバーから水が押し出されてくる。このオメガリザーバーの利点は大開口部にある。大人の腕も入る巨大な給水口からは手をつっこんで水洗いできる。年がら年中清掃する必要もないが、スポーツドリンクを使う場合は炎天下だと腐るので、洗浄が必要なのである。また吸水口上部にフックがついており、バックパックの上ブタあたりから吊り下げることができる。こんなちょっとしたアイテムが、実戦での使いやすさにつながる。前面のボトル+背面のリザーバーで合計4.5リットルの水を身にまとう。

【シュラフ(寝袋)】モンベル「U.L.アルパイン ダウンハガー#5」
 重量わずか475グラム、世界最軽量クラスのダウンシェラフだ。軽さだけを主眼に置いて選択した。サハラ砂漠の夜の気温は摂氏10度前後。仮に5度まで下がっても必ずしも寝袋が必要とは言えないが、大会主催者から「必携品」に指定されているため、持たざるを得ない。U.L.アルパイン ダウンハガーは末尾の数字が大きくなるほど軽量化していく。さすがに#5
にもなると中のグースダウンもまばら。太陽に透かすと向こうがスケスケ。だが僅か475グラムに文句を言ってはいけない。夜露と夜風がしのげればいい、と考えておく。

【ダウンジャケット】ムーンストーン「ルシードリッジダウンジャケット」
 グースダウン93%、わずか250グラムの超軽量。格子状の縫製がされているためダウンの偏りができない。ランのあと日没から睡眠までの時間帯に使用する。睡眠時はシュラフと併用して快眠をむさぼる。

【帽子】Kappa「バンダナキャップ」
 砂漠の強烈な日射しから頭部を守る。おでこに布をあてがい、後頭部の布をまわしてマジックテープで留め、頭頂部から首筋まで布で覆う。大きめの三角頭巾みたいなものだ。うらめしや〜。

【サングラス】アディダス「a150」
 直射日光や砂からの反射光から眼球を守る。

【主食1】尾西食品「ごはんシリーズ」
 「白飯」「五目ごはん」「わかめごはん」「梅わかめごはん」「赤飯」「山菜おこわ」「炊込みおこわ」の7種類のアルファ米シリーズと、「白がゆ」「梅がゆ」の乾燥粥シリーズがある。1袋100グラムで300〜400キロカロリーの熱量がある。いずれも熱湯を袋に注ぎ、封を閉じて15分程度待つ、というだけの簡素さ。保存食とは思えないほどの美味で、袋の封を開けるタイミングさえ間違えなければ炊きたてごはんのようなふっくら感を再現できる。実験的に試食している段階でやみつきになり、1週間連続で主食扱いとなった。湯が沸かせないときは冷水を入れても1時間で食べられる柔らかさに戻る。袋のまま食べられるので食器いらず、しかも各袋に1本ずつスプーンが付いているという至れり尽くせり感。サバイバルの最高のお友だちだ。

【主食2】レガー「岳食シリーズ」
 登山家に愛用されるレガーのアルファ米シリーズは、尾西食品の和風シリーズに対しオシャレ感漂う洋風メニューで種類も多彩。「野菜コンソメリゾット」「トマトリゾット」「チーズリゾット」「サーモンリゾット」「きのこリゾット」「ビーフカレー&ライス」「ガーリックリゾット」「サーモンピラフ」「カレーピラフ」「ポーク&ガーリックピラフ」「チキン&やさいがゆ」「おぞうに」「おしるこ」。うむ、これじゃあふだんの食生活よりグレードが高くなるじゃないか。重さは1食80グラムほど、カロリーは300キロカロリー前後。主催者サイドから7日間で1万4000キロカロリー分の食料携帯を義務づけられているから、単純計算でこれら乾燥食料を47袋バックパックに詰めないといけない。1食90グラム平均として総重量4.2キログラム。けっこうな重さである。荷物を軽量化させるため、初日、2日で大量に食ってしまおうと思っている(甘いかな?)。

【その他食料】
 丼のもと、雑炊のもとなど乾燥食料を多数。顆粒状のコーヒー12本、アクエリアス6袋など。

【コッヘル】
 食器はこの1コだけ。火の元は砂漠の風に舞う小枝にライターで着火。至ってシンプルで原始的な食生活を営みます。

【ナイフ】ビクトリノックス「オフィサーナイフ 91mm スタンタード・スパルタンPD」
 暑い国ではナイフ1本と食料・水があれば、何はなくとも生命は維持できる。使い慣れたナイフは、缶切りからスプーン、緊急時のメスの代用まで、あらゆる生活小道具の役割を果たしてくれる。

【アルミ製のサバイバルシート】
 表が金色、裏が銀色のアルミ蒸着シート。負傷などで体温が低下したときは金色を外向きに身体をくるみ体温保持、銀色を外側にすると高温・炎天下時の日よけ・断熱効果が期待できる。たぶん薄いシュラフだけだと夜は寒いので、こいつを簀巻き状態にする予定。
 
【懐中電灯・スペア電池】サウスフィールド「SF LEDヘッドランプ 」
 キセノンライトとLEDライトが組み合わされている。LEDは3段階の強弱調整ができ、さらにキセノンライトは集光散光調節ができる。レースの4〜5日目には、昼夜をかけて最長80キロを走るノンストップステージがある。電池消費を避けたうえで、ルートを迷わず確実に辿るために、数パターンの光のオプションは役立ちそうだ。単四乾電池3本を加えても150グラムと軽い。

【コンパス】シルバ「Ranger3」
 砂漠に道はない。地形と方角確認はランナーの最低限の務め。

【警告用のホイッスル】A&F「エマージェンシーホイッスル」
 プラスチック製の笛の表面にはSOSモールスコードが刻印されている。8グラムという身軽さながら、思いっクソ吹けば相当やかましい音が出る。砂漠のど真ん中で、ひとりぼっちでこの笛をピーピー吹いているような、もの悲しい結末にはしたくないもんだな。

【シグナル用の鏡】 完全に道を見失った際に、日光を反射させて自らの存在を捜索者に知らしめるもの。命がけの地味な行動だ。

【時計】セイコー「スーパーランナーズ」
 サハラマラソンがレースである限り、より速く、よりよい成績でゴールをめざし走るのは定めである。マイペースで走るのならレースに出る必要なんてないんだからさ。時間の管理を託すのは、この相棒をおいて他にはない。オーソドックス・イズ・ベスト、スタンダード・イズ・ベストの代表格だ。

【カメラ】オリンパス「防水デジタルカメラ μ1030SW (ミュー) 」
 砂の侵入の心配が一切ない防塵設計。汗と脂でドロドロの手でつかむもよし、水洗いもよし。高さ2メートルから落下させた耐衝撃実験も念入りに行われたマニアックなコンパクトカメラだ。「XDピクチャーカード 2GB」と 「リチウムイオン充電池 LI-42B」の予備を1本ずつ持って行いく。

【毒素抽出用のスネークポンプ】ドクターヘッセル「インセクト ポイズン リムーバー」
 サソリや毒虫に刺され、咬まれた場合の応急処置に使用する。刺されたら2分以内にこのマシンを傷口に押し当て、皮膚の表面をカップ内にバキュームし、毒液を体外に出す。せっかく入手した珍品ながら、なるべくなら恩恵に預かりたくはないものです。

【ワセリン】健栄製薬「日本薬局方 白色ワセリン 60グラム」
 股間に塗り股ズレを予防する。あるいは男性の大事な部分・・・つまりマラに塗りたくる。歩幅70センチとして230キロメートルを走り切るには、32万8000回という途方もない回数、脚を前方に繰り出さなければならない。その回数こすられるマラ君の労苦たるや想像を絶する。せめてワセリンという名の愛で包んでやりたいのである。

【その他薬品】 
 絆創膏20枚、鎮痛薬20錠、医療用固定テープ2巻など。

【消毒剤・液】第一三共ヘルスケア「マキロンS 30ml」
 大会サイドからの携帯指定品。マキロンS30mlにしたのは、ドラッグストアに置いてある殺菌消毒剤でこれが一番軽量であったという理由。

【安全ピン10本】
 大会サイドからの携帯指定品。ナンバーカードを留めるためだと思われるが、安全ピンは思いがけず役立つ。特に足マメの処理には欠かせない。

【その他】
 心電図、健康診断書、パリ往復航空券、パスポート、ライター、タオル
【大会サイドからの提供品】
 発煙筒、固形の塩、照明スティック 

  
遠足準備にいそしめば、夜がしらじらと明ける。今宵は目が冴えて眠れない。眠れない夜は1日分得した気分だ。バックパックかついで夜明けの海岸に走りに行こう。無駄なことに汗を流し、無駄なことに命を張ろう。道を踏み外してからが人生のはじまりさ。どうせ死ぬまでのお祭りよ。暴れまくって生きてやろう。

2009年03月16日

月刊タウン情報CU*2月号 実売部数報告 cu0902_busuu.jpg cu0902_suii.jpg


月刊タウン情報CU*2月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*2月号の売部数は、
7308部でした。
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「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」
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