NEW TOPIC
2009年08月27日
新たな徳島の名物メニューを世に発信しようと、お店の人にメニュー開発を依頼。料理人の技と素材の旨みが際立つ料理の数々は、県内にとどまらず日本中で空前のブームになることが予想(期待)されるので、早めのチェックをおすすめします!
★徳島県民のみなさま、お待たせしました! ★
タウトクがプライドを懸けて取り組んだ、美女発掘プロジェクト「徳島美女大図鑑」。第1回目は、ピュアな女子高生から美人主婦まで36人! 美しい女性たちに見惚れてください!
2009年08月25日
0907_CU部数推移.pdf
月刊タウン情報CU*7月号の実売部数を報告します。CU*7月号の売部数は、
6267部でした。詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
長らく雑誌の実売部数はシークレットとされてきました。雑誌は、その収益の多くを広告料収入に頼っているためです。実際の販売部数と大きくかけ離れ、数倍にも水増しされた「発行部数」を元に、広告料収入を得てきた経緯があります。
メディコムでは、その悪習を否定し、「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」の実売部数を創刊号以来、発表しつづけています。
2009年08月24日
0907_タウトク部数推移.pdf
月刊タウン情報トクシマ7月号 実売部数を報告します。タウトク7月号の売部数は、
10812部でした。詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムは、「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」の実売部数を創刊号から発表しつづけています。
雑誌の実売部数を発行号ごとに速報として発表している出版社は、当社以外では日本には一社もありません。実売部数は、シェア占有率を算出し、媒体影響力をはかるうえで最も重要な数値です。他の一般的な業界と同様に、出版をなりわいとする業界でも正確な情報開示がなされるような動きがあるべきだと考えています。わたしたちの取り組みは小さな一歩ですが、いつかスタンダードなものになると信じています。
2009年08月20日
ということで、さらら8月20日号の特集は「残暑のころの、ぱ・ぱ・ぱごはん」。たったの3分〜5分で作れちゃう簡単ごはんレシピをたくさんご紹介♪
気になるレシピを見つけたら、ぱぱぱっと作っておいしくいただきましょう!
そして、前号から新しくなった表紙「数字から探る、徳島のスタンダード ザ・徳島の平均値!」。連載2回目となる今回はスーパーに関するスタンダード。
徳島の人は1週間にどれくらいスーパーを利用しているのか、1回の買い物でどれくらいスーパーに滞在しているのか、はたまたポイントカードは何枚持っているのか…など、皆さんのスーパー(マーケット)ライフを探ってみました。
2009年08月10日
旬の情報がギュッとつまったCUの最新号は…
特集1
「居心地のいいお店グランプリin徳島」
自然の情景に癒されるお店、「和」ごころあふれるお店、
オシャレな夜を楽しめるお店・・・など、
様々な「居心地のよさ」を持つお店を集めました。
これを見て自分にぴったりのお店、見つけちゃいましょう!
2009年08月07日
文=坂東良晃(タウトク編集人、1967生まれ。18〜21歳の頃、日本列島徒歩縦断、アフリカ大陸徒歩横断など約1万キロを踏破。男四十にして再びバカ道を歩む、か?)
小学生の頃、自分が大人になったら高倉健になると決めていた。日本の男の正しき姿とは健さんであり、大人になるとは健さんになることだと心得た。切った張ったの修羅を生き、悔いた涙の刻んだ皺が、右のほおに陰影を描く。惚れた女を待てば幾年月、流れ流され辿り着いた場末の酒場のカウンターの隅で、イカを肴にぬるい酒を手酌で飲む・・・。今は子どものぼくだけど、いつか大人になれば哀愁という名のコートを身にまとうのだ、と。
小学生の頃、自分が大人になったら高倉健になると決めていた。日本の男の正しき姿とは健さんであり、大人になるとは健さんになることだと心得た。切った張ったの修羅を生き、悔いた涙の刻んだ皺が、右のほおに陰影を描く。惚れた女を待てば幾年月、流れ流され辿り着いた場末の酒場のカウンターの隅で、イカを肴にぬるい酒を手酌で飲む・・・。今は子どものぼくだけど、いつか大人になれば哀愁という名のコートを身にまとうのだ、と。
あるいは高校生の頃、ハードボイルド小説や映画に凝りはじめると、パチーノやデニーロや松田優作的な、ジャックナイフや日活コルトを胸元に忍ばせて、触るものみな傷つける男に憧れた。鋼のように鍛えた身体には1ミリの脂肪もなく、餓えた目はギラギラぬめり、脂汗がグリスのように鈍く光る。理性のたがが外れた獣のように金や暴力や女を直情的に求める。社会のルールに一切くみせず、自分自身の内側に抱えたルールに従い生きる。きっと自分は映画「太陽を盗んだ男」のジュリーのような大人になる。なるはずだと信じた。
さて現実といえばこうだ。オッサンとの呼称が適切な年齢となったぼくは、餓えも渇きも濡れもせず、経年とともに渇望感を失い、「特になーんにも欲しくない」との心境に達しつつある。かつて夢見たストイック・ヒーローズとは対極の感性である。
たとえば食事。何を食べても心から美味しいと思えてしまう。よく冷えたコカコーラを飲むと悶絶寸前、「この世のモノか!」との雄叫びを抑えるのに必死である。神を信じないぼくも、コカコーラの原型が誕生した合衆国はジョージア州に向かって、感謝の祈りを捧げようかという気にさせる。何度も会社破綻しながら再建を繰り返し今日に至った宿命のライバル・ペプシコーラを育んだノースカロライナ州にも併せてひざまずきたい。方角に大差はないからね。
近ごろはキュウリとトマトが安いでしょう? 500円も出せば食べきれないくらい買える。調理をせずキュウリ3本、トマト3個、生でかじって晩ごはんは終わりである。たまに「アジシオ」をふりかけると舌先が痺れるほど美味しい。こんなにシャブ中毒者並みに味を鋭敏に感じるのは五感異常ではないか。試しにポン酢やらナンプラーやらを舐めてみると、冷蔵庫の扉にもたれ掛からなくてはならないほど旨い。
食物のみならず、服装も、物欲も、あらゆる低次欲求がそうだ。風呂に浸かっても、布団に入っても、怖いくらい快感を得られる。アブラハム・マズローが唱えた五段階欲求でいうところの生理的欲求が混乱している。あるいは度が過ぎるほど高い。無我の境地を求めて荒行を果たしたすえの無欲ではない。ちょっとアタマがいかれているのである。ハートチップルを肴に第3のビールを飲んだだけで「これ以上の幸福が訪れたらどうしよう?」と怖くなる。客観的に自己診断するならば、不安神経症の逆の症状である。あえて「幸福神経症」と名づけておこう。現状への度を超えた恍惚感と、満足しすぎる性向に対する不安。「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にあり」フランスの詩人、ポール・マリー・ヴェルレーヌの言葉を用いてU設立の心境を吐露した前田アキラ兄さん状態? この傾向、2年前にランニングを始めてから加速度的に高まっている気がしてならない。
100キロという途方もない距離を10時間前後で走りきるウルトラマラソンという競技は、この「恍惚と不安」が波状的に訪れる。まずウルトラランナーとは、基本的状況としては幸福このうえない存在なのである。100キロもの距離を走り通すことのできる健康な肉体を所有しているという点。交通が遮断された道路の真ん中を堂々と闊歩する横暴さ。数キロおきに用意された食べ放題の果実、ドリンク、炭水化物類。美しい風景、沿道の応援、ランナー同士に芽生える友情。このような幸福な状況を前にしても、10時間のうちに10万歩以上の地面の踏みしめにより、全身の関節は悲鳴を上げ、筋肉は収縮を拒否し、心拍は限界値付近で打ち鳴らされる。フルマラソンの30キロ以降に感じるグリコーゲン枯渇の苦しさを通り越して、「痛み」が全身を襲う。しかしだ。そのような状況下でも、基本的には恍惚のベース上にある競技であることをランナーは自覚している。80キロを超えてウルトラマラソンの最も苦しいとされるラスト20キロにさしかかっても多くのランナーは笑っているし、激痛に顔をゆがめながらもキャッキャと嬌声をあげている。そうそう、痛みすなわち愉悦なんです。果てしなきドMです。
6月下旬に北海道で開催されたサロマ湖100キロウルトラマラソンに参加し、11時間45分で完走した。タイムはまあ平凡なのだけど、学ぶべきポイントがたくさんあった。40キロあたりでマタズレが悪化し、内股の生皮がむきだしとなり出血。その程度の痛みで真剣にリタイアを考えるほど物理的苦痛に弱いってわかったこと。80キロ過ぎると、歩いている人に抜かされるくらい脚が長距離対応できてなかったこと。これらは練習を強化すれば解決する。
それとは別次元の問題に気づく。最近、めばえている逆説的な感情である。そもそも自分はなぜ走りはじめたのか。能力の限界を超えるリミットアウトを課すべく超長距離走にチャレンジしたのではなかったか。それは半ば苦行の意味があった。ところがこれが面白くて仕方がないのである。それは美人でボインで知的なおねえさんとのデートを翌日に控えたり、レンタル中が続いた「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のDVDをついに借りてバイクをすっ飛ばして帰るときと同様の、楽しい所作なのである。克服すべき対象でも、困難な壁でもない。より速く、より遠くを追求すれば、フィジカル面では苦痛を感じるのだろうが、それとて快楽と恍惚の俎上にある。楽しいことをやり続けることに意味はあるのだろうか? それは人格の再形成に好影響を与えうるのか。・・・どうも思考の迷宮に入っている。
幸福と不幸の境界線が急低下しているのだ。最低限の衣食住と移動手段があればそれ以上に何が必要なんだと。水と食糧とテントと防寒具と国民健康保険カードがあれば、もう言うことないのだと。歳をとるごとに「もっとこうあらねばならない」という建設的な現状否定を失っているのである。これは、会社を経営する者としては致命的な指向なんじゃないかと思うのである。・・・こんなことを考えながら、霧でな〜んにも見えない乳白色のサロマ湖畔を、マタズレのキンタマ抱えて走り続けた初夏であった。
さて現実といえばこうだ。オッサンとの呼称が適切な年齢となったぼくは、餓えも渇きも濡れもせず、経年とともに渇望感を失い、「特になーんにも欲しくない」との心境に達しつつある。かつて夢見たストイック・ヒーローズとは対極の感性である。
たとえば食事。何を食べても心から美味しいと思えてしまう。よく冷えたコカコーラを飲むと悶絶寸前、「この世のモノか!」との雄叫びを抑えるのに必死である。神を信じないぼくも、コカコーラの原型が誕生した合衆国はジョージア州に向かって、感謝の祈りを捧げようかという気にさせる。何度も会社破綻しながら再建を繰り返し今日に至った宿命のライバル・ペプシコーラを育んだノースカロライナ州にも併せてひざまずきたい。方角に大差はないからね。
近ごろはキュウリとトマトが安いでしょう? 500円も出せば食べきれないくらい買える。調理をせずキュウリ3本、トマト3個、生でかじって晩ごはんは終わりである。たまに「アジシオ」をふりかけると舌先が痺れるほど美味しい。こんなにシャブ中毒者並みに味を鋭敏に感じるのは五感異常ではないか。試しにポン酢やらナンプラーやらを舐めてみると、冷蔵庫の扉にもたれ掛からなくてはならないほど旨い。
食物のみならず、服装も、物欲も、あらゆる低次欲求がそうだ。風呂に浸かっても、布団に入っても、怖いくらい快感を得られる。アブラハム・マズローが唱えた五段階欲求でいうところの生理的欲求が混乱している。あるいは度が過ぎるほど高い。無我の境地を求めて荒行を果たしたすえの無欲ではない。ちょっとアタマがいかれているのである。ハートチップルを肴に第3のビールを飲んだだけで「これ以上の幸福が訪れたらどうしよう?」と怖くなる。客観的に自己診断するならば、不安神経症の逆の症状である。あえて「幸福神経症」と名づけておこう。現状への度を超えた恍惚感と、満足しすぎる性向に対する不安。「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にあり」フランスの詩人、ポール・マリー・ヴェルレーヌの言葉を用いてU設立の心境を吐露した前田アキラ兄さん状態? この傾向、2年前にランニングを始めてから加速度的に高まっている気がしてならない。
100キロという途方もない距離を10時間前後で走りきるウルトラマラソンという競技は、この「恍惚と不安」が波状的に訪れる。まずウルトラランナーとは、基本的状況としては幸福このうえない存在なのである。100キロもの距離を走り通すことのできる健康な肉体を所有しているという点。交通が遮断された道路の真ん中を堂々と闊歩する横暴さ。数キロおきに用意された食べ放題の果実、ドリンク、炭水化物類。美しい風景、沿道の応援、ランナー同士に芽生える友情。このような幸福な状況を前にしても、10時間のうちに10万歩以上の地面の踏みしめにより、全身の関節は悲鳴を上げ、筋肉は収縮を拒否し、心拍は限界値付近で打ち鳴らされる。フルマラソンの30キロ以降に感じるグリコーゲン枯渇の苦しさを通り越して、「痛み」が全身を襲う。しかしだ。そのような状況下でも、基本的には恍惚のベース上にある競技であることをランナーは自覚している。80キロを超えてウルトラマラソンの最も苦しいとされるラスト20キロにさしかかっても多くのランナーは笑っているし、激痛に顔をゆがめながらもキャッキャと嬌声をあげている。そうそう、痛みすなわち愉悦なんです。果てしなきドMです。
6月下旬に北海道で開催されたサロマ湖100キロウルトラマラソンに参加し、11時間45分で完走した。タイムはまあ平凡なのだけど、学ぶべきポイントがたくさんあった。40キロあたりでマタズレが悪化し、内股の生皮がむきだしとなり出血。その程度の痛みで真剣にリタイアを考えるほど物理的苦痛に弱いってわかったこと。80キロ過ぎると、歩いている人に抜かされるくらい脚が長距離対応できてなかったこと。これらは練習を強化すれば解決する。
それとは別次元の問題に気づく。最近、めばえている逆説的な感情である。そもそも自分はなぜ走りはじめたのか。能力の限界を超えるリミットアウトを課すべく超長距離走にチャレンジしたのではなかったか。それは半ば苦行の意味があった。ところがこれが面白くて仕方がないのである。それは美人でボインで知的なおねえさんとのデートを翌日に控えたり、レンタル中が続いた「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のDVDをついに借りてバイクをすっ飛ばして帰るときと同様の、楽しい所作なのである。克服すべき対象でも、困難な壁でもない。より速く、より遠くを追求すれば、フィジカル面では苦痛を感じるのだろうが、それとて快楽と恍惚の俎上にある。楽しいことをやり続けることに意味はあるのだろうか? それは人格の再形成に好影響を与えうるのか。・・・どうも思考の迷宮に入っている。
幸福と不幸の境界線が急低下しているのだ。最低限の衣食住と移動手段があればそれ以上に何が必要なんだと。水と食糧とテントと防寒具と国民健康保険カードがあれば、もう言うことないのだと。歳をとるごとに「もっとこうあらねばならない」という建設的な現状否定を失っているのである。これは、会社を経営する者としては致命的な指向なんじゃないかと思うのである。・・・こんなことを考えながら、霧でな〜んにも見えない乳白色のサロマ湖畔を、マタズレのキンタマ抱えて走り続けた初夏であった。
2009年08月06日
パンツ一丁の父上様、そうめんが大活躍する食卓、暑さ対策へのこだわりなどなど、徳島に住む50人の方に、そのおうちならではの夏エピソードを教えていただきました!
阿波おどりや花火大会など、たくさんのイベントが盛りだくさんの夏ですが、家で家族と過ごすの何気ない時間も大切な思い出です。
そして!今回から表紙が新しくなりました。その名も「ザ・徳島の平均値!」。
2009年08月03日
0906_CU部数推移.pdf
月刊タウン情報CU*6月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*6月号の売部数は、
6074部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。
2009年07月27日
文=坂東良晃(タウトク編集人、1967生まれ。18〜21歳の頃、日本列島徒歩縦断、アフリカ大陸徒歩横断など約1万キロを踏破。男四十にして再びバカ道を歩まんとする、か?)
大陸横断。
この甘美な響きよ。縦断でも、ナナメ横断でもなく、大陸横断。地球上でいちばん巨大な物体である大陸。そのド真ん中に、自分の足で一本の横線を描く。 そこにどんな危険が潜んでようと、この誘惑には抗しがたい。マラリア原虫を宿したハマダラ蚊がキンキン襲ってこようと、山賊に大ナタで頭蓋骨をコナゴナに砕かれようと、大陸横断の甘い蜜にぼくは酔う。
大陸横断。
この甘美な響きよ。縦断でも、ナナメ横断でもなく、大陸横断。地球上でいちばん巨大な物体である大陸。そのド真ん中に、自分の足で一本の横線を描く。 そこにどんな危険が潜んでようと、この誘惑には抗しがたい。マラリア原虫を宿したハマダラ蚊がキンキン襲ってこようと、山賊に大ナタで頭蓋骨をコナゴナに砕かれようと、大陸横断の甘い蜜にぼくは酔う。
少し昔話をしよう。東京・神田の三省堂書店の話。
今をさかのぼること24年。18歳のぼくは10トントラックの荷台で尾崎豊の「はじまりさえ歌えない」を鼻歌に運送会社で深夜の荷運びをし、早朝に仕事を終えると原チャに飛び乗りガラ空きの都内を走りながらジェットヘルの奧で尾崎豊の「Driving ALL Night」を熱唱し、ダンキンドーナツに飛び込んで甘いクリームに満たされたドーナツ2個を喉
に流し込み尾崎豊の「ドーナツショップ」を口ずさむ・・というくらしを営んでいた。要するに一日中、尾崎ばかり歌っていた。
尾崎とともに1日の労働を終え、尾崎とともに朝メシを食い終わると、神田の三省堂書店に立ち寄る。目的地は1階のいちばん奧の地図コーナー。そこには世界中の地図が無数に並べられている。店頭の小さな平台スペースを大手出版社が熾烈な奪いあいをする本の街・神田の老舗書店である。なぜ1階の一等地の広大な面積を地図売り場が占めているのか。そして、いったい東京に人口が何千万人いるからといって、誰がブルキナファソの砂漠の交易路やザイールの密林地帯のケモノ道が記された青焼き地図が必要だというのか。現代社会における平均的な市民生活にはトンと関係のない何千種類もの地図が、静かに旅立ちの日を待っている。
ぼくは地図一枚買うのに何日もここに通いつめた。ドーナツを買う金もギリギリの極貧生活者には、1枚2000円以上する地図を買うにはそれなりの勇気が必要だったからだ。何度かに分けて、仏ミシュラン製のアフリカ大陸の北半分と南半分の道路地図を2枚、そしてどこかの国の軍隊が作成したと覚しきジャングル戦用の詳細図を5枚買った。その地図を持ってアフリカ大陸徒歩横断の旅に出かけた。
□
24年後の現在の話をしよう。再びぼくは東京・神田は三省堂書店に向かった。地下鉄・神保町駅の階段を駆け上がるときに耳の奧で鳴ったのは尾崎ではなくてYUIの「Laugh away」だ。基本路線は同じだ、きっと。
店内の棚のレイアウトは24年前と寸分と違わない。あの頃の映像が焼きつけられた網膜が移植されたがごとし。奧へ奧へと進むと、色あせた地球儀や無数の言語で彩られた地図の群れ。変わらなければ衰退するのが商売というものだが、この一角には変化の兆しもない。誰の意思も及ばない緩衝地帯か、あるいは不可侵協定締結エリアか。アマゾンドットコムやらイーベイやら、インターネット上をどのようなキーワードで検索しても引っかからない世界中の地図が、ここには変わらず鎮座している。
どうひいき目に見ても普通の客はいない。つまり、有給休暇を取って南の島へバカンスに出かけよっか♪とか、卒業旅行はユーレイルパスで世界遺産を見て回ろっか♪とか、そんなルンルンで希望に満ちた雰囲気はない。堂々と床にアグラをかき、数百枚の航空機操縦用の地図を恐るべき猛スピードで検索するヒゲ面の男は、国際的ジャーナリストもしくは国際的テロリストに違いない。ペルシャ語で書かれたカラコルムの山岳地図に目を落とし、深いため息をつく土汚れたザックを背負った青年は、いかにも生活苦の真っ直中にいる風体である。今からK2北壁を登り、友と結ばれたザイルが切れる悲運の人生を歩みかねない深刻さだ。
そんな明日なき疾走状態の人びとが並ぶ列に、ぼくは大きな息をひとつついて、そっと足を踏み出した。記念すべきドロップアウトの瞬間である。「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」と述べたのは宇宙飛行士のニール・アームストロングだが、かたや東京の片隅で小心に震えるオッサンは「バカ道への一歩」を刻んだのである。ファンファーレが鳴り、くす玉の1コでも割れてほしい。
アメリカ合衆国の地図をあさる。全米50州、ならびに北米広域の地図だけで、ざっと300種類を超すラインナップだ。選んでいるだけで脂汗がにじむ。落ち着け、落ち着くのだ。自分が大陸を走っている姿を想像しろ。アメリカの田舎の旧道のホコリっぽい地ベタに座り込んで、地図を開いて地平線に目をやるイメージ。ギラつく太陽に焼かれて色あせ、荒野で砂塵にまみれ、ぼくの汗がしゅみこんでボロボロにふやけた地図だ。頭蓋骨の奧で奥田民生の「無限の風」が鳴る。新大陸にふさわしいミュージック・・・ジャズもR&Bもブルースも知らないから、肝心な場面ではJ−POPSに救いを求める。長い旅の相棒となる地図をフィーリングで3枚選んだ。これでミソギは終わり。
さあ行こう、5000キロという途方もない距離へ。北米大陸横断をめざしバカに輪をかけたバカ練習、略してバカ練をはじめよう。
バカと呼ばれることを本望とし、バカになるために生きよう。
常識と非常識という選択肢があるならば非常識を選ぼう。安定と不安定の分かれ道に立ったなら、迷わず不安定の道に進もう。ぐっすり眠れる夜に満たされた気分に浸るより、眠れない夜に一人興奮しよう。お金があるより、お金がない方が強いのだと言い切れるようになろう。
価値なんかないと思われることを、ひたすらやり続けて価値を生み出そう。 夕暮れが近づいて大人に注意されても、河原で小石を夢中で積み上げつづける少年のような、必死さとイラ立ちをたたえて生きていこう。真っ直ぐな道があれば、どこまでも走っていこう。そこに叩きつけられる情熱があるなら、走り続けよう。それがぼくのバカロードだ。バカが走るバカロードなのだ。
今をさかのぼること24年。18歳のぼくは10トントラックの荷台で尾崎豊の「はじまりさえ歌えない」を鼻歌に運送会社で深夜の荷運びをし、早朝に仕事を終えると原チャに飛び乗りガラ空きの都内を走りながらジェットヘルの奧で尾崎豊の「Driving ALL Night」を熱唱し、ダンキンドーナツに飛び込んで甘いクリームに満たされたドーナツ2個を喉
に流し込み尾崎豊の「ドーナツショップ」を口ずさむ・・というくらしを営んでいた。要するに一日中、尾崎ばかり歌っていた。
尾崎とともに1日の労働を終え、尾崎とともに朝メシを食い終わると、神田の三省堂書店に立ち寄る。目的地は1階のいちばん奧の地図コーナー。そこには世界中の地図が無数に並べられている。店頭の小さな平台スペースを大手出版社が熾烈な奪いあいをする本の街・神田の老舗書店である。なぜ1階の一等地の広大な面積を地図売り場が占めているのか。そして、いったい東京に人口が何千万人いるからといって、誰がブルキナファソの砂漠の交易路やザイールの密林地帯のケモノ道が記された青焼き地図が必要だというのか。現代社会における平均的な市民生活にはトンと関係のない何千種類もの地図が、静かに旅立ちの日を待っている。
ぼくは地図一枚買うのに何日もここに通いつめた。ドーナツを買う金もギリギリの極貧生活者には、1枚2000円以上する地図を買うにはそれなりの勇気が必要だったからだ。何度かに分けて、仏ミシュラン製のアフリカ大陸の北半分と南半分の道路地図を2枚、そしてどこかの国の軍隊が作成したと覚しきジャングル戦用の詳細図を5枚買った。その地図を持ってアフリカ大陸徒歩横断の旅に出かけた。
□
24年後の現在の話をしよう。再びぼくは東京・神田は三省堂書店に向かった。地下鉄・神保町駅の階段を駆け上がるときに耳の奧で鳴ったのは尾崎ではなくてYUIの「Laugh away」だ。基本路線は同じだ、きっと。
店内の棚のレイアウトは24年前と寸分と違わない。あの頃の映像が焼きつけられた網膜が移植されたがごとし。奧へ奧へと進むと、色あせた地球儀や無数の言語で彩られた地図の群れ。変わらなければ衰退するのが商売というものだが、この一角には変化の兆しもない。誰の意思も及ばない緩衝地帯か、あるいは不可侵協定締結エリアか。アマゾンドットコムやらイーベイやら、インターネット上をどのようなキーワードで検索しても引っかからない世界中の地図が、ここには変わらず鎮座している。
どうひいき目に見ても普通の客はいない。つまり、有給休暇を取って南の島へバカンスに出かけよっか♪とか、卒業旅行はユーレイルパスで世界遺産を見て回ろっか♪とか、そんなルンルンで希望に満ちた雰囲気はない。堂々と床にアグラをかき、数百枚の航空機操縦用の地図を恐るべき猛スピードで検索するヒゲ面の男は、国際的ジャーナリストもしくは国際的テロリストに違いない。ペルシャ語で書かれたカラコルムの山岳地図に目を落とし、深いため息をつく土汚れたザックを背負った青年は、いかにも生活苦の真っ直中にいる風体である。今からK2北壁を登り、友と結ばれたザイルが切れる悲運の人生を歩みかねない深刻さだ。
そんな明日なき疾走状態の人びとが並ぶ列に、ぼくは大きな息をひとつついて、そっと足を踏み出した。記念すべきドロップアウトの瞬間である。「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」と述べたのは宇宙飛行士のニール・アームストロングだが、かたや東京の片隅で小心に震えるオッサンは「バカ道への一歩」を刻んだのである。ファンファーレが鳴り、くす玉の1コでも割れてほしい。
アメリカ合衆国の地図をあさる。全米50州、ならびに北米広域の地図だけで、ざっと300種類を超すラインナップだ。選んでいるだけで脂汗がにじむ。落ち着け、落ち着くのだ。自分が大陸を走っている姿を想像しろ。アメリカの田舎の旧道のホコリっぽい地ベタに座り込んで、地図を開いて地平線に目をやるイメージ。ギラつく太陽に焼かれて色あせ、荒野で砂塵にまみれ、ぼくの汗がしゅみこんでボロボロにふやけた地図だ。頭蓋骨の奧で奥田民生の「無限の風」が鳴る。新大陸にふさわしいミュージック・・・ジャズもR&Bもブルースも知らないから、肝心な場面ではJ−POPSに救いを求める。長い旅の相棒となる地図をフィーリングで3枚選んだ。これでミソギは終わり。
さあ行こう、5000キロという途方もない距離へ。北米大陸横断をめざしバカに輪をかけたバカ練習、略してバカ練をはじめよう。
バカと呼ばれることを本望とし、バカになるために生きよう。
常識と非常識という選択肢があるならば非常識を選ぼう。安定と不安定の分かれ道に立ったなら、迷わず不安定の道に進もう。ぐっすり眠れる夜に満たされた気分に浸るより、眠れない夜に一人興奮しよう。お金があるより、お金がない方が強いのだと言い切れるようになろう。
価値なんかないと思われることを、ひたすらやり続けて価値を生み出そう。 夕暮れが近づいて大人に注意されても、河原で小石を夢中で積み上げつづける少年のような、必死さとイラ立ちをたたえて生きていこう。真っ直ぐな道があれば、どこまでも走っていこう。そこに叩きつけられる情熱があるなら、走り続けよう。それがぼくのバカロードだ。バカが走るバカロードなのだ。
2009年07月25日
夏ってだけでわくわくドキドキ。タウトクがこの夏ここに行かなきゃはじまらないって場所をどどーんとご紹介。新しくできた温泉にプラネタリウム、海の見える民宿やりんごにブルーベリーなどの味覚狩り! スリルを求める人には、暑さも吹き飛ばす飛び込み岩や恐怖のミステリースポットなんてのもおすすめだ。「今日もあっついなぁ〜」なんてぼやいている暇はありません! 灼熱の太陽の下、100回笑えるレジャーガイドをぜひご活用ください!
地元徳島のウエディング関連のお店が440店舗も掲載。結婚式場、写真館、ドレスショップ、ブライダルエステ、引出物のお店など徳島の結婚にまつわる情報をこれでもかっというぐらいご紹介しております。結婚しちゃお!秋号は徳島県内の書店・コンビニで発売中。1冊280円。結婚準備を始めるきっかけ本としてぜひカップルのみなさま、お買い求めください。
2009年07月24日
タウトク8月号には徳島の一大イベント「阿波おどり」を
さらには、2009年ひと夏をまるまる楽しみつくすための
特別ふろく本がついています!
阿波おどりのド真ん中から裏ワザまで、完全燃焼!
「阿波おどり最強ガイド」
そして、大人の夏休みまるあそび計画を総ざらえ!
「夏本」
2009年07月16日
そして表紙で大好評連載中の「嗚呼!さらら番付」、今回のテーマは「平成庶民のぼやき節」。
雨よ!豚バラ肉の脂身よ!メガネよ!…などなど、日常生活における「なんで!?」や「それってどうなん!?」から生まれた、様々な瞬間のぼやきが集まっております。
さあ徳島県民よ、ぼやくのじゃー!
2009年07月13日
0906_タウトク部数推移.pdf
月刊タウン情報トクシマ6月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ6月号の売部数は、
8959部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。
2009年07月08日
女性目線で徳島の旬な情報をキャッチするCUの最新号は…
特集1
「夏のおいしい店2009」
ピリ辛メニュー、冷製パスタ、ひんやりスイーツなど
暑い夏だからこそ食べたいと思うメニューが一挙に集結!
また、暑さから逃れて涼しいひと時を過ごせる海沿いカフェや
緑を感じて癒されるお店の情報も満載。
さぁ、お店おすすめの夏メニューを目指してGO〜!
2009年07月02日
ということで、さらら7月2日号の特集は「簡単・お漬物生活」。夜に漬ければ翌朝食べられる、簡単お漬物レシピをたくさんご紹介しているので、是非お試しあれ!パリパリおいしいお漬物を食べれば、いつの間にか食欲も回復しているかも。
また、表紙で人気連載中の「嗚呼!さらら番付」のテーマは、「世代と時代を感じたとき」。
「ごやさって」「おじゅっさん」「アベック」など、使い慣れた言葉を何気なく口にしたとき、なぜか子どもさんやお孫さんに笑われてしまった…なんてことはありませんか?
今回の番付には、そんな苦〜い経験がたくさん集まっています。
2009年06月26日
2009年06月25日
この時期限定の今だから美味しいメニューや、夏に向けてオープンしたお店のイチオシメニューがもりだくさん。涼感たっぷりの麺やひんやりスイーツなど、店主渾身の“夏の最新メニュー”を召し上がれ〜♪
★大自然で遊ぼう! キャンプ場+コテージ65スポット★
バーベキューしたり、コテージでくつろいだり。大自然に囲まれた開放的な空間でのんびり過ごす。これぞ夏の贅沢ってもんです。休日の行き先案内人・タウトクが、この夏行きたい! 四国・淡路のキャンプ場&コテージを大紹介します。
2009年06月18日
さあ、この夏、あなたも徳島のおいし〜い水を味わってみませんか?
また、表紙で人気連載中の「嗚呼! さらら番付」の今回のテーマは、「悩ましきはお金!」。
・・・とは言っても、つらーい悩みが並んだ番付ではありません。むしろ、「お金の悩みになんて負けない!」と、そうやってたくましく前進する徳島県民の想いや、お金のやりくりに関する知恵や努力が集まった前向きな番付となっています!
2009年06月17日
09春号_結婚しちゃお!部数推移.pdf
結婚しちゃお!春号 実売部数報告です。
結婚しちゃお!春号の売部数は、
1259部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」の実売部数を発表しております。