NEW TOPIC
2009年06月12日
CUの最新号は…
☆第1特集☆
「徳島のおいしいセットごはん」
洋食やコースランチ、新鮮なお魚定食、和御膳など、
あれもこれも少しずつたくさん食べたい
ワガママな女心を満たす素敵なセットのメニュー。
優柔不断な人でもこれを選んでおけば食べたいものが
いっぺんに登場する、魅惑のメニューたちをご覧あれっ。
2009年06月10日
0905_タウトク部数推移.pdf
月刊タウン情報トクシマ5月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ5月号の売部数は、
8401部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。
2009年06月09日
砂漠で知りえた全ノウハウ
文=坂東良晃(タウトク編集人)
砂漠から一路徳島に帰還すると、たくさんの方・・・主におじさま世代から「サハラに出るにはどうすればいい?」とのお問い合せを受けた。メタボリックランナーこと私めがヨロヨロながらも完走したという事実は、「マジでやれば人はメタボすら超越できる」とのメッセージとなり天駆けめぐり、何人かの熟年おじさまのハートをノックしたってことなのかな。サハラマラソンに出場する日本人ランナーは毎年10人前後、つまり1億2000万人中たったの10人だ。1200万人に1人の天文学的稀少価値のある酔狂な人の群れに、いつか徳島出身ランナーがたくさん参戦すると楽しいだろうな。
文=坂東良晃(タウトク編集人)
砂漠から一路徳島に帰還すると、たくさんの方・・・主におじさま世代から「サハラに出るにはどうすればいい?」とのお問い合せを受けた。メタボリックランナーこと私めがヨロヨロながらも完走したという事実は、「マジでやれば人はメタボすら超越できる」とのメッセージとなり天駆けめぐり、何人かの熟年おじさまのハートをノックしたってことなのかな。サハラマラソンに出場する日本人ランナーは毎年10人前後、つまり1億2000万人中たったの10人だ。1200万人に1人の天文学的稀少価値のある酔狂な人の群れに、いつか徳島出身ランナーがたくさん参戦すると楽しいだろうな。
さて半年にわたって連載した「サハラマラソン編」も今回を締めとしよう。ラストは、ぼくが知り得た砂漠レースのノウハウをメモとして残したい。砂漠という特殊環境で超・長距離を走る場面では、各ランナーの過去の経験や、個々の体質によって対策が180度異なる。トレーニング、装備、食料・・・あるランナーにとってベストな選択が、別のランナーにとっては最悪の結果につながる。だからこれから書くことは今から走る方へのアドバイスではない。あくまでぼく個人の経験に基づいて感じた「も1回走るなら、こうしよう」という淡い思いにすぎない。
【大会全般の流れ・重要だと思ったこと】
□パリの空港集合まで
全選手はフランス・パリの「オルリー空港」に集まり、主催者によりチャーターされた3機の飛行機に分乗し、モロッコに入国する。今回は早朝4時集合で、公共電車・バスが動いておらず、タクシーを利用するしかなかった。パリ市内からオルリー空港まではメータータクシー利用で4000〜5000円かかる。乗用車型タクシーなら3人乗れるので、ワリカンすれば1000円チョイですむ。
□砂漠をめざすバスにおける放尿
モロッコのワルザザード空港に到着後、入国手続きを済ませると、選手は1機あたり7台ほどの大型バスに分乗し、サハラ砂漠の中に設営されたスタート地点を目指す。毎年スタート地点は異なっているが、バス移動は7〜8時間程度と見ておく。今からどこに向かうかは選手には知らされない。フランス語と英語で書かれた「ロードブック」というレース行程表をここで渡されるが、それを見てもやっぱりどこに向かっているのかわからない。トイレ休憩は2時間おきくらいにあり、男女とも遮るものがない砂漠の平原に放尿・脱糞する。日本人以外の女性は何の躊躇もなく、何ひとつ隠すことなく堂々と原っぱでトイレをすませている。自由です。
□野宿時の風よけ
初日からいきなり野宿だが、これはたいへん楽しいものだから心配には及ばない。砂漠に設営された大型テントは1張りで最大8人がザコ寝する。テント・・・と言ってもあくまで砂漠の民仕様の天幕。大きな毛布を地面に敷き、さらに巨大な一枚布を天井がわりにしているだけで、入口のフタはない。したがって風は抜け放題だ。風の強い日は、木製の支柱を外して天幕を地面に近くにセッティングし、外気を遮断するよう努めたい。
□スタート好位置の確保
毎朝9時前後に1日のレースがスタートする。上位を狙うなら開始30分ほど前からスタート地点に向かい、ラインに近い位置をキープするべし。砂漠で前方のランナーを追い抜くのはひと苦労。追い越し時には、踏み跡のない深い砂地や、浮き石だらけの瓦礫のうえを走らざるを得なくなり、必要以上に体力の消耗を強いられるのだ。
□水の摂取と必要分量
1.5リッター入りのペットボトルの水が毎日3〜4度にわけて支給される。容量にして1日トータルで7〜9リッターだが、いくら汗をかいても、これほどの水は飲めない。トップグループの選手は受けとった水をそのまま置いていったり、大半を捨てている。レース中はだいたい距離8〜15キロの間で必ず1度は補給される。その区間を自分が何時間何分で走れるかというペースを見きわめ、その時間内に飲める水の量を計算し、最少限に調整したい。ぼくの場合は700ml以上は腹に入らなかった。ペットボトルから移し替えるために、選手はスクイズボトルを3本、4本と持っていたが、そんなにたくさんのスクイズボトルが必要なのか極めて疑問。ペットボトルそのものを持って走れば、水を移し替える手間も省ける。移し替えをしなければ、CP(チェックポイント)と呼ばれるエイドで足を止めずに済む。休まなければ、休憩中の先行ランナーを30人くらい一気に追い越せるだろう。
□ゲートル(シューズカバー)とマメ
これは最も神経を使う用具だ。靴の中への砂の侵入を防ぐためのゲートルは、選手の80%以上が着けている。ベテラン選手は、ゲートル下部を固定するマジックテープを、靴底ではなくやや上部(布の部分)につけている。ビギナーランナーは靴底のラバー部分につけている。もちろんベテラン選手のつけ方がよいのである。ラバー部分には凹凸があり、そこから砂の侵入を許してしまうのだ。ぼく自身はゲートルをつけなかった。蒸れそうな気がしたし、慣れてないことをあまりやりたくなかったからだ。結果としてマメは1コもできなかったが、容赦ない砂の侵入を許した。靴ヒモは、日本のレースに出るときみたいに締めつけない方がいい。血液の流れを滞らせないようにし、シューズの中で足を固定しないことが、マメ防止の最善策だと思う。
□ロングスパッツを使用すべきか
日本人選手のロングスパッツ着用率が約70%と非常に高かった。一方で、欧州の選手は、ショートパンツか膝上までのスパッツが大半であった。直射日光による皮膚表面温度の上昇を考えれば、黒いロングスパッツは熱吸収率が高く不利に思えるのだが・・・。しかし、ぼく自身一度もスパッツをはいたことがなく、筋力や関節のサポートなど、利点を確かめたわけではない。だから主観的評価は下せない。
□バックパックの種類
レース中は、前傾姿勢をとる場面がたいへん多い。特に砂丘越えでは、足首まで潜る柔らかい砂を強く踏みしめつつ体重を前に乗せていかないと、登っていけない。通常のザックを背負って走るスタイルでは、重心が身体の中心からやや後方に移行する。平地を走る分には問題ないが、崩れる砂山を登る際には非情なる前傾姿勢を求められ、体重を支える大腿部の筋力を一気に消耗してしまう。
ほとんどの欧州の選手が使っている「Raid Light」というメーカーの砂漠レース用に開発されたバックパックが最適である。このバックパックは、体背面だけでなく体前面にも荷室やドリンクホルダーがあり、うまく前方に重心が寄るよう設計されている。日本に専門店はないが「Raid Light」で検索すると仏語、英語の通販サイトにアクセスできる。
□エネルギーとやる気を引っ張り出す食糧
欧州選手はタンパク質の摂取を積極的に行っていた。ハム、肉のくんせい、サラミソーセージなど高カロリーな肉類を多く食し、ナッツ、チーズ類など重量や体積に対して高カロリーなものを厳選し携行していた。対して日本人選手は米やラーメンなど炭水化物の乾燥食料が中心で、やや穀類に栄養源を求めすぎている気がした。乾燥米は、そのカロリーや栄養素に対して重く、またかさばる。ラーメンは毎日は食べられない。行動食にも向かない。日本での事前準備の際に、どうしても登山用品店などで携行食糧を買ってしまいがちだが、砂漠レースと登山はもちろん根本から競技が異なるものである。登山用の食糧は向かないという印象だ。
ぼくは食糧の大半をチョコレートにした。チョコが大好きで、モチベーションをあげるためにそうしたが、朝から晩まで食べているうちに、3日目くらいから見るのも嫌になってきた。やはり単品ではなく、味や食感、栄養素に変化のある食べ物を持って行きたい。
【荷物の軽量化=持っていったけど、持つ必要がなかったもの】
上位を目指すランナーも、完走を目標とするウォーカーも、荷物が軽いに越したことはない。特に重すぎる荷物は、激烈な痛みをともなうマメの出来具合に大きく影響していると推察する。大会ルールとしてスタート地点での荷物重量が下限6.5kgに設定されている。今大会では全選手に対する重量チェックはなかったが、抜き打ちで検査される場合もある。初日のレース前日の公式チェック時に水、食料を多めに持ち、6.5kgギリギリに抑える。チェック終了後からスタート号砲までの間半日で水・食糧を消費して5kgでスタートする。毎日300gずつ食べて減らし、最終日には3kg以下に荷物を減らす。これでずんぶんラクなレースが展開できると思う。
また、用意していった装備品のなかでも、ほとんど使用しなかったモノがある。使わないモノを1週間も運び続けるのはまったくのムダだ。
□石鹸は不要。極度の乾燥からか汗が流れ落ちないため、あまり衣類につかない。体臭は、日を増すごとに誰もが臭くなってくるので相対的に気にならない。
□トイレットペーパーはほぼ不要。大便は、支給された水でチョロチョロ流しながら手で洗うのが一番。
□ウレタンマットは不要。地元の砂漠の民が組み立ててくれたテントには分厚い絨毯が敷かれている。絨毯下の小石をどけて寝床を整えれば快適に眠れる。
□スリッパ、サンダル類は不要。キャンプ地で外を歩くときは、レースシューズのヒモをゆるめて履けばいい。それで何の問題もない。
□ヘッドライトを使用する場面は非常に少ないため、スペア電池は1回分もあればよい。ぼくはスペアすら使わなかった。
□ウエアは、レース用シャツ2枚、パンツ2枚。これでOK。
□夜間睡眠時に着用する防寒用の長そで、長スボンのウインドブレーカーは、登山用具コーナーで売っている最軽量のナイロンやポリエステル素材のウェアを選ぶ。スポーツ用のジャージはどんな軽量タイプといえど重い。
□靴下は2枚でこと足りる。3枚はいらない。薄手のものがよい。水洗いして干しておけば1時間もしないうちにカラカラに渇く。
□紙類、お札(お金)は重い、そして不要。レース中にお金を使う場面はない(例外は国際電話・国際ファックスを使用する場合のみ)。
□歯ブラシは先だけポキッと折り、柄の部分は捨てる。歯磨きチューブの分量は、きっちり7日分だけ持って行く。トラベル用の小さめのチューブなら3分の1くらいまで減らしておけばよい。
□コッヘル(小鍋)の持参についてはよく吟味したい。自分にとって本当に毎日熱湯が必要かどうかを疑ってみる。鍋を持っていない選手も少なからずいた。
□塩は、大会サイドからうんざりするほどの量の錠剤をくれるので、持参する必要なし。
□ヘッドランプは超小型のものでよし。クリップ型で、帽子のツバにつけられるような軽量型もある。
□その他、ナイフ、鏡、寝袋などの大会指定必携品は、極限までその重量を減らす努力をする。
【効果的な練習方法】
筆者は、平坦な海岸の砂浜を走る練習を続けたが、実際の砂丘には平坦路はほとんどなかった。5〜10メートル程度の砂のコブが30回、40回と際限なく現れる。日本で練習する際は、急な傾斜で、なおかつ乾燥して崩れやすい砂地を見つけ、走りこなしておくことが本番に役に立つ。海辺なら、堤防に向かって砂が吹きだまっている所があるはずだ。そこを何十回と往復したり直登する。
また、荷物を背負ったうえでの100km走は効果がある。初日〜3日目までの短い区間(30km〜40km)でいくらランキングをあげても、オーバーナイト区間(80〜90km)で遅れると1時間、2時間と大差がつき、総合ランキングも一気に下がってしまう。上下に揺れつづける10kgほどの荷物を背負ったまま走る90kmは、空身の150kmに等しい。以下の練習を週一回程度、半年間続ければ、砂漠用の脚が作られるはずだ。
□8kgのバックパックを背負い、上り下りが連続する急な坂道を3時間走る。
□8kgのバックパックを背負い、傾斜のある砂浜を2時間走る。
□5kgのバックパックを背負い、100kmロードを走る。
□日本の最も暑い7〜8月にかけて、空身で80〜100kmロード走を2〜3本入れる。
□5日間連続50km走を行う。3日走って疲労困ぱいした後の4日目、5日目の50kmがトレーニング価値が高い。お勤めの方はちょつとムリですね。
なにはともあれ。1年チョイの歳月をかけて挑んだ砂漠レースが終わった。大っきなお祭りが終わった寂しさにいまだ胸キュン状態だが、感傷にひたっているガラではない。今の自分の力では絶対にたどり着けない場所をひたすら目指すのである。ってことで次号より当コーナーは更にバカさ加減を増幅してゆく新シリーズに突入します。無意味な行動を全力でやりつづけることに意味を見いだしたい!という禅問答にもならぬ欲望を胸に抱き、トコトコと地味にあてどなき地を求めさすらいます。ご期待ください。目指すは地平線!ってそりゃゴールはないってことか。
【大会全般の流れ・重要だと思ったこと】
□パリの空港集合まで
全選手はフランス・パリの「オルリー空港」に集まり、主催者によりチャーターされた3機の飛行機に分乗し、モロッコに入国する。今回は早朝4時集合で、公共電車・バスが動いておらず、タクシーを利用するしかなかった。パリ市内からオルリー空港まではメータータクシー利用で4000〜5000円かかる。乗用車型タクシーなら3人乗れるので、ワリカンすれば1000円チョイですむ。
□砂漠をめざすバスにおける放尿
モロッコのワルザザード空港に到着後、入国手続きを済ませると、選手は1機あたり7台ほどの大型バスに分乗し、サハラ砂漠の中に設営されたスタート地点を目指す。毎年スタート地点は異なっているが、バス移動は7〜8時間程度と見ておく。今からどこに向かうかは選手には知らされない。フランス語と英語で書かれた「ロードブック」というレース行程表をここで渡されるが、それを見てもやっぱりどこに向かっているのかわからない。トイレ休憩は2時間おきくらいにあり、男女とも遮るものがない砂漠の平原に放尿・脱糞する。日本人以外の女性は何の躊躇もなく、何ひとつ隠すことなく堂々と原っぱでトイレをすませている。自由です。
□野宿時の風よけ
初日からいきなり野宿だが、これはたいへん楽しいものだから心配には及ばない。砂漠に設営された大型テントは1張りで最大8人がザコ寝する。テント・・・と言ってもあくまで砂漠の民仕様の天幕。大きな毛布を地面に敷き、さらに巨大な一枚布を天井がわりにしているだけで、入口のフタはない。したがって風は抜け放題だ。風の強い日は、木製の支柱を外して天幕を地面に近くにセッティングし、外気を遮断するよう努めたい。
□スタート好位置の確保
毎朝9時前後に1日のレースがスタートする。上位を狙うなら開始30分ほど前からスタート地点に向かい、ラインに近い位置をキープするべし。砂漠で前方のランナーを追い抜くのはひと苦労。追い越し時には、踏み跡のない深い砂地や、浮き石だらけの瓦礫のうえを走らざるを得なくなり、必要以上に体力の消耗を強いられるのだ。
□水の摂取と必要分量
1.5リッター入りのペットボトルの水が毎日3〜4度にわけて支給される。容量にして1日トータルで7〜9リッターだが、いくら汗をかいても、これほどの水は飲めない。トップグループの選手は受けとった水をそのまま置いていったり、大半を捨てている。レース中はだいたい距離8〜15キロの間で必ず1度は補給される。その区間を自分が何時間何分で走れるかというペースを見きわめ、その時間内に飲める水の量を計算し、最少限に調整したい。ぼくの場合は700ml以上は腹に入らなかった。ペットボトルから移し替えるために、選手はスクイズボトルを3本、4本と持っていたが、そんなにたくさんのスクイズボトルが必要なのか極めて疑問。ペットボトルそのものを持って走れば、水を移し替える手間も省ける。移し替えをしなければ、CP(チェックポイント)と呼ばれるエイドで足を止めずに済む。休まなければ、休憩中の先行ランナーを30人くらい一気に追い越せるだろう。
□ゲートル(シューズカバー)とマメ
これは最も神経を使う用具だ。靴の中への砂の侵入を防ぐためのゲートルは、選手の80%以上が着けている。ベテラン選手は、ゲートル下部を固定するマジックテープを、靴底ではなくやや上部(布の部分)につけている。ビギナーランナーは靴底のラバー部分につけている。もちろんベテラン選手のつけ方がよいのである。ラバー部分には凹凸があり、そこから砂の侵入を許してしまうのだ。ぼく自身はゲートルをつけなかった。蒸れそうな気がしたし、慣れてないことをあまりやりたくなかったからだ。結果としてマメは1コもできなかったが、容赦ない砂の侵入を許した。靴ヒモは、日本のレースに出るときみたいに締めつけない方がいい。血液の流れを滞らせないようにし、シューズの中で足を固定しないことが、マメ防止の最善策だと思う。
□ロングスパッツを使用すべきか
日本人選手のロングスパッツ着用率が約70%と非常に高かった。一方で、欧州の選手は、ショートパンツか膝上までのスパッツが大半であった。直射日光による皮膚表面温度の上昇を考えれば、黒いロングスパッツは熱吸収率が高く不利に思えるのだが・・・。しかし、ぼく自身一度もスパッツをはいたことがなく、筋力や関節のサポートなど、利点を確かめたわけではない。だから主観的評価は下せない。
□バックパックの種類
レース中は、前傾姿勢をとる場面がたいへん多い。特に砂丘越えでは、足首まで潜る柔らかい砂を強く踏みしめつつ体重を前に乗せていかないと、登っていけない。通常のザックを背負って走るスタイルでは、重心が身体の中心からやや後方に移行する。平地を走る分には問題ないが、崩れる砂山を登る際には非情なる前傾姿勢を求められ、体重を支える大腿部の筋力を一気に消耗してしまう。
ほとんどの欧州の選手が使っている「Raid Light」というメーカーの砂漠レース用に開発されたバックパックが最適である。このバックパックは、体背面だけでなく体前面にも荷室やドリンクホルダーがあり、うまく前方に重心が寄るよう設計されている。日本に専門店はないが「Raid Light」で検索すると仏語、英語の通販サイトにアクセスできる。
□エネルギーとやる気を引っ張り出す食糧
欧州選手はタンパク質の摂取を積極的に行っていた。ハム、肉のくんせい、サラミソーセージなど高カロリーな肉類を多く食し、ナッツ、チーズ類など重量や体積に対して高カロリーなものを厳選し携行していた。対して日本人選手は米やラーメンなど炭水化物の乾燥食料が中心で、やや穀類に栄養源を求めすぎている気がした。乾燥米は、そのカロリーや栄養素に対して重く、またかさばる。ラーメンは毎日は食べられない。行動食にも向かない。日本での事前準備の際に、どうしても登山用品店などで携行食糧を買ってしまいがちだが、砂漠レースと登山はもちろん根本から競技が異なるものである。登山用の食糧は向かないという印象だ。
ぼくは食糧の大半をチョコレートにした。チョコが大好きで、モチベーションをあげるためにそうしたが、朝から晩まで食べているうちに、3日目くらいから見るのも嫌になってきた。やはり単品ではなく、味や食感、栄養素に変化のある食べ物を持って行きたい。
【荷物の軽量化=持っていったけど、持つ必要がなかったもの】
上位を目指すランナーも、完走を目標とするウォーカーも、荷物が軽いに越したことはない。特に重すぎる荷物は、激烈な痛みをともなうマメの出来具合に大きく影響していると推察する。大会ルールとしてスタート地点での荷物重量が下限6.5kgに設定されている。今大会では全選手に対する重量チェックはなかったが、抜き打ちで検査される場合もある。初日のレース前日の公式チェック時に水、食料を多めに持ち、6.5kgギリギリに抑える。チェック終了後からスタート号砲までの間半日で水・食糧を消費して5kgでスタートする。毎日300gずつ食べて減らし、最終日には3kg以下に荷物を減らす。これでずんぶんラクなレースが展開できると思う。
また、用意していった装備品のなかでも、ほとんど使用しなかったモノがある。使わないモノを1週間も運び続けるのはまったくのムダだ。
□石鹸は不要。極度の乾燥からか汗が流れ落ちないため、あまり衣類につかない。体臭は、日を増すごとに誰もが臭くなってくるので相対的に気にならない。
□トイレットペーパーはほぼ不要。大便は、支給された水でチョロチョロ流しながら手で洗うのが一番。
□ウレタンマットは不要。地元の砂漠の民が組み立ててくれたテントには分厚い絨毯が敷かれている。絨毯下の小石をどけて寝床を整えれば快適に眠れる。
□スリッパ、サンダル類は不要。キャンプ地で外を歩くときは、レースシューズのヒモをゆるめて履けばいい。それで何の問題もない。
□ヘッドライトを使用する場面は非常に少ないため、スペア電池は1回分もあればよい。ぼくはスペアすら使わなかった。
□ウエアは、レース用シャツ2枚、パンツ2枚。これでOK。
□夜間睡眠時に着用する防寒用の長そで、長スボンのウインドブレーカーは、登山用具コーナーで売っている最軽量のナイロンやポリエステル素材のウェアを選ぶ。スポーツ用のジャージはどんな軽量タイプといえど重い。
□靴下は2枚でこと足りる。3枚はいらない。薄手のものがよい。水洗いして干しておけば1時間もしないうちにカラカラに渇く。
□紙類、お札(お金)は重い、そして不要。レース中にお金を使う場面はない(例外は国際電話・国際ファックスを使用する場合のみ)。
□歯ブラシは先だけポキッと折り、柄の部分は捨てる。歯磨きチューブの分量は、きっちり7日分だけ持って行く。トラベル用の小さめのチューブなら3分の1くらいまで減らしておけばよい。
□コッヘル(小鍋)の持参についてはよく吟味したい。自分にとって本当に毎日熱湯が必要かどうかを疑ってみる。鍋を持っていない選手も少なからずいた。
□塩は、大会サイドからうんざりするほどの量の錠剤をくれるので、持参する必要なし。
□ヘッドランプは超小型のものでよし。クリップ型で、帽子のツバにつけられるような軽量型もある。
□その他、ナイフ、鏡、寝袋などの大会指定必携品は、極限までその重量を減らす努力をする。
【効果的な練習方法】
筆者は、平坦な海岸の砂浜を走る練習を続けたが、実際の砂丘には平坦路はほとんどなかった。5〜10メートル程度の砂のコブが30回、40回と際限なく現れる。日本で練習する際は、急な傾斜で、なおかつ乾燥して崩れやすい砂地を見つけ、走りこなしておくことが本番に役に立つ。海辺なら、堤防に向かって砂が吹きだまっている所があるはずだ。そこを何十回と往復したり直登する。
また、荷物を背負ったうえでの100km走は効果がある。初日〜3日目までの短い区間(30km〜40km)でいくらランキングをあげても、オーバーナイト区間(80〜90km)で遅れると1時間、2時間と大差がつき、総合ランキングも一気に下がってしまう。上下に揺れつづける10kgほどの荷物を背負ったまま走る90kmは、空身の150kmに等しい。以下の練習を週一回程度、半年間続ければ、砂漠用の脚が作られるはずだ。
□8kgのバックパックを背負い、上り下りが連続する急な坂道を3時間走る。
□8kgのバックパックを背負い、傾斜のある砂浜を2時間走る。
□5kgのバックパックを背負い、100kmロードを走る。
□日本の最も暑い7〜8月にかけて、空身で80〜100kmロード走を2〜3本入れる。
□5日間連続50km走を行う。3日走って疲労困ぱいした後の4日目、5日目の50kmがトレーニング価値が高い。お勤めの方はちょつとムリですね。
なにはともあれ。1年チョイの歳月をかけて挑んだ砂漠レースが終わった。大っきなお祭りが終わった寂しさにいまだ胸キュン状態だが、感傷にひたっているガラではない。今の自分の力では絶対にたどり着けない場所をひたすら目指すのである。ってことで次号より当コーナーは更にバカさ加減を増幅してゆく新シリーズに突入します。無意味な行動を全力でやりつづけることに意味を見いだしたい!という禅問答にもならぬ欲望を胸に抱き、トコトコと地味にあてどなき地を求めさすらいます。ご期待ください。目指すは地平線!ってそりゃゴールはないってことか。
2009年06月05日
というわけで、さらら6月4日号の特集は「新入社員と会社のホンネバトル」!
驚いたことやスゴイと思ったこと、さらには不満まで、全てホンネで語ってもらいました。
新入社員の皆さんも、会社の先輩方もお互いのホンネを要チェックです!
また、表紙で人気連載中の「嗚呼! さらら番付」の今回のテーマは、好評につき第2弾 「うれし楽しき小市民生活」。徳島県民が日々感じている小さな喜びをのぞき見しちゃいましょう!小さ〜な喜びをたくさん集めれば、大き〜な幸せにつながるかもしれませんよ。
2009年06月01日
月刊タウン情報CU*5月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*5月号の売部数は、
5875部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。
2009年05月30日
2009年05月21日
そして、徳島の人々の声を集めた大好評の嗚呼!さらら番付。今回のテーマは「何事にも細かい私、ああ小市民」。たいしたことじゃないけれどいつも気になってしまう日常生活の疑問たち。皆さんもきっと思い当たる節があるはず。
2009年05月15日
月刊タウン情報トクシマ4月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ4月号の売部数は、
7423部でした。
詳しくは、上部のファイルをクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。
2009年05月13日
徳島の女性が今知りたい情報がぎっしりのCU最新号は…
○特集○
「徳島の女性が選ぶ! 私たちが好きな料理店」
おいしいお料理やスイーツがいただけるのはもちろん、
おしゃべりに花を咲かせられる居心地のいい空間、
ソファ席や個室、キッズルームがあるお店など、
家族や友だち同士で出かけたい素敵な料理店を
県下エリア別でご紹介!
2009年05月12日
0904_CU部数推移.pdf
月刊タウン情報CU*4月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*4月号の売部数は、
6170部でした。
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2009年05月08日
さらに大好評の「嗚呼!さらら番付」は、こんなサービスあったらな!(スーパー編)。日頃よく使っているスーパーだからこそ、「もっとこうなればいいのに」という希望はたくさん。本当にこれが実現したら、もっと買い物が楽しくなるのになぁ。
2009年04月30日
文=坂東良晃(タウトク編集人)
レースは終わった。
5日間を表現するにふさわしい言葉があるだろうか、否。
サハラ砂漠で繰り広げられたランナーたちの戦いを、ひとつひとつ描写するには、あまりにぼくの文章力はとぼしい。
レースは終わった。
5日間を表現するにふさわしい言葉があるだろうか、否。
サハラ砂漠で繰り広げられたランナーたちの戦いを、ひとつひとつ描写するには、あまりにぼくの文章力はとぼしい。
たとえば、足の皮フを破りながら、応急処置の人口皮膜を貼り付けただけの足の裏で、砂漠の熱い砂を何万回と踏み続けるランナーの痛みや心情や、それを乗り越えていく魂。ぼくはそれを表現するにふさわしい言葉を持たない。
重篤な病を克服するために、あるいは家族にチャレンジする背を見せるために、自らの勇気を最大限に試す場所としてこのレースを選び、何年もの準備期間とトレーニングを積んで集まってきた人びとの偉大さに対し、頭をひれふすしかない。
「過酷な砂漠を走り、自分と戦うレース」としか認識せず挑んだサハラマラソンに、想像もしない大きな熱い熱風の塊をガツンとぶつけられた。レースの詳細を日記風に記録することも・・・やめにしとこう。何をどう書こうと、現実に目に映った人間のドラマ、感情、エネルギーの爆発に対しては陳腐のものでしかない。
日本に帰り、温かい布団の上に寝ころぶと、苛立ち、いや怒りに近い感情に支配される。もっといいレースができたのではないか。限界ギリギリの走りなんて程遠かったのではないか、という後悔だ。レース3日目、91キロの長丁場ステージの途中でぼくは、完全なるハンガーノック(枯渇)を迎え、意識を失った。失神なのか睡眠なのかわからない。目を覚ましたときには、おそらく200人以上のランナーに抜かれていた。再び走ろうとしても、身体のなかに燃せるべき原資が感じられなかった。そしてゴールまでの残り30キロを歩いた。後ろからぼくを追い抜いていく多くのランナーが救いの手を差しのべてくれた。結局、歩きにつきあってくれた2人の日本人ランナーの力を借りてゴールまでたどりついた。走りはじめて19時間近く経った早朝4時だった。
今思う。あれは本当に「枯渇」だったのかと。ハンガーノックを理由に自分を許したのではないかと。肉体へのダメージを理由に、ぼくは走るべき場面で歩き、歩くべき場面で立ち止まった。それが悔しくてならない。
高い壁に挑戦する人びと、人生を謳歌する偉大な人びとに出逢えた。そして、限界まで追求できなかった自分の弱さに絶望した。それがサハラ砂漠での5日間だった。観客として感動し、ランナーとして、人間としてへこたれた。何も終わっていない、何の満足も達成感もない。これからがはじまりである。
第24回サハラマラソン
開催地/北アフリカ・モロッコ
開催日/3月30日〜4月3日
出走者/39カ国・807人
各ステージおよび総合成績
ステージ1 33km 4時間31分40秒 278位/807人
ステージ2 36km 4時間48分00秒 177位/805人
ステージ3 91km 18時間48分50秒 401位/797人
ステージ4 42km 5時間06分13秒 206位/774人
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総合 202km 33時間14分43秒 310位/807人
重篤な病を克服するために、あるいは家族にチャレンジする背を見せるために、自らの勇気を最大限に試す場所としてこのレースを選び、何年もの準備期間とトレーニングを積んで集まってきた人びとの偉大さに対し、頭をひれふすしかない。
「過酷な砂漠を走り、自分と戦うレース」としか認識せず挑んだサハラマラソンに、想像もしない大きな熱い熱風の塊をガツンとぶつけられた。レースの詳細を日記風に記録することも・・・やめにしとこう。何をどう書こうと、現実に目に映った人間のドラマ、感情、エネルギーの爆発に対しては陳腐のものでしかない。
日本に帰り、温かい布団の上に寝ころぶと、苛立ち、いや怒りに近い感情に支配される。もっといいレースができたのではないか。限界ギリギリの走りなんて程遠かったのではないか、という後悔だ。レース3日目、91キロの長丁場ステージの途中でぼくは、完全なるハンガーノック(枯渇)を迎え、意識を失った。失神なのか睡眠なのかわからない。目を覚ましたときには、おそらく200人以上のランナーに抜かれていた。再び走ろうとしても、身体のなかに燃せるべき原資が感じられなかった。そしてゴールまでの残り30キロを歩いた。後ろからぼくを追い抜いていく多くのランナーが救いの手を差しのべてくれた。結局、歩きにつきあってくれた2人の日本人ランナーの力を借りてゴールまでたどりついた。走りはじめて19時間近く経った早朝4時だった。
今思う。あれは本当に「枯渇」だったのかと。ハンガーノックを理由に自分を許したのではないかと。肉体へのダメージを理由に、ぼくは走るべき場面で歩き、歩くべき場面で立ち止まった。それが悔しくてならない。
高い壁に挑戦する人びと、人生を謳歌する偉大な人びとに出逢えた。そして、限界まで追求できなかった自分の弱さに絶望した。それがサハラ砂漠での5日間だった。観客として感動し、ランナーとして、人間としてへこたれた。何も終わっていない、何の満足も達成感もない。これからがはじまりである。
第24回サハラマラソン
開催地/北アフリカ・モロッコ
開催日/3月30日〜4月3日
出走者/39カ国・807人
各ステージおよび総合成績
ステージ1 33km 4時間31分40秒 278位/807人
ステージ2 36km 4時間48分00秒 177位/805人
ステージ3 91km 18時間48分50秒 401位/797人
ステージ4 42km 5時間06分13秒 206位/774人
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総合 202km 33時間14分43秒 310位/807人
2009年04月29日
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2009年04月28日
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2009年04月16日
この問題を追及すべく、アンケート調査を実施。家庭から男性用トイレがなくなってしまったのは本当か?この現実に、男性はそして女性はどう思っているのか?
今回のさららの特集は、「おうちのトイレ、大問題!」。
また、大好評の「嗚呼!さらら番付」は、徳島県民に聞いたおじさまのたいくつな話。若い人たちに話をする機会が多くなる今の時期、すてきなおじさまと思われるためにご参考してみては?
2009年04月14日
0903_タウトク部数推移.pdf
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2009年04月11日
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2009年04月02日
徳島で働いているごっつい素敵な男性8人に、今回さらら編集部が会いに行っちゃいました!仕事のやりがい、今はまっていること、好きな女性のタイプなどなど、知れば知るほど夢中になってしまうこと間違いなし。
また、表紙で好評連載中「嗚呼!さらら番付」の今回のテーマは「春っぽいできごと」。お花見に、花粉症に、卒業入学に…と春ならではのイベントの中で生まれるあるあるエピソードの数々をお届けします!
2009年03月28日
電話帳を開けて徳島県のお好み焼店を数えてみたら、その数なんと300件近く!1世帯あたりのソースの年間消費量が全国でもトップクラスだというウワサも聞いたことがあるような。今回のタウトクでは常に満席の人気店から、変わらぬ味で長年愛され続ける老舗まで88店のお好み焼店をご紹介!焼けたソースの香ばしい匂い、コテと鉄板が奏でるメロディ、湯気を挟んで繰り広げる軽快なトーク…。くぅー!お好み焼が食べたくなってきたー!タウトク4月号を読めば、あなたの「お好み」の1枚がきっと見つかるはずです。