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2007年08月06日

月刊タウン情報トクシマ7月号 実売部数報告 tautoku0707_busuu.jpg tautoku0707suii.jpg

月刊タウン情報トクシマ7月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ7月号の売部数は、
10615部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年08月02日

フリーペーパーさらら 8月2日号発行しました! salala0802今回は、2007夏特別号。徳島の夏をめいっぱい楽しむためのグルメ&レジャー情報がぎゅっ!と入っています。
巻頭特集は「家族でいく夏レジャー」で、イベントや遊ぶスポットを紹介。たとえば…「佐那河内村でサルを追跡してみよう」「夏の星座を観測する」「牟岐で無人島体験」「南極の古代の氷を触ってみる」などなど。また、スーパーなどで催されるキャラクターショーの案内もあります。
作ろう、学ぼう、動物と触れ合おう…家族みんなで「動詞」でいっぱいのアクティブな夏を過ごそう!
また、徳島のおいしいものお店情報がつまった「阿波おどり満喫ガイド」。
帰省する家族や県外からのお客様も多い夏休み。おいしいものを食べにいくときはこのガイドをチェックして。

2007年07月28日

結婚しちゃお!秋号が発売されましたsheciao-aki7月27日、結婚しちゃお!秋号が
徳島県下の書店・スーパー・コンビニで一斉発売されました。

これから結婚をするカップルには絶対に見逃せない、
スペシャルプレゼントがついています。
もう購入いただいた方や書店で見かけた方はお気づきかもしれません。
やや結婚しちゃお!秋号が膨らんでいる…。

その正体とは…
タウトク8月号で手に入れる最高の夏!tautoku08☆特集☆
徳島最強あそび場ガイド
スリル満点の絶叫レジャー、おもしろ観光地、ダイブできる飛込み岩、じゃぶじゃぶ池のある公園、名滝めぐり、旬の味覚狩りなどなど、徳島を思いっきり楽しむ遊び場を大紹介。花火大会やお祭りなど県内のイベント情報も盛りだくさん! 近くでも遠くでも徳島はおもっしょい!




☆特集2☆
徳島夏のうまいもん
徳島の超老舗ラーメン店、海辺のカフェ、スムージー&パフェ、熱帯夜のビアガーデン、アジアと沖縄の南国料理、うなぎ専門店・・・うーん書ききれない! 見どころ満載の徳島極上グルメ特集です。

2007年07月19日

フリーペーパーさらら7月19日号、発行! salala0719巻頭特集は、「ちょっとの工夫であら♪素敵! 写真撮影アイデア」です。夏は、おでかけをしたり、人が集まったりと写真を撮る機会が多い季節。
読者の方から寄せられた「子どもの自然な表情が撮りたい」「手ぶれをしてしまう」「小顔、スリムに写りたい」「記念写真を頼むときの秘訣って?」というお悩みや疑問について、
解決ワザをご紹介しています。ちょっとしたコツを駆使して、この夏思い出に残る写真を撮りましょう!

2007年07月17日

CU8月号はお腹いっぱいになれる可愛い創作料理が満載♪ 0708cu☆特集☆
素敵な料理でお腹もココロも満たしたい!
創作料理店・ダイニング100menu

カフェ、居酒屋、日本料理店、ダイニングバー。
いろんなお店で生み出されるアートのような一皿。
創作料理は料理人が培った経験とアイデアの宝庫なのです。
乙女ゴコロを揺さぶる可愛い見た目と
「このお店でしか食べられない」という特別感で
お腹もココロも幸せに♪

さらに…

2007年07月09日

月刊タウン情報トクシマ6月号 実売部数報告 tautoku0706_busuu.jpg tautoku0706suii.jpg

月刊タウン情報トクシマ6月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ6月号の売部数は、
10117部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年07月05日

フリーペーパーさらら 7月5日号発行しました! salala0705今回の巻頭特集は、「〜とくしまの妻、12人に聞きました〜 キラリと輝く ステキの理由」。
輝いていると噂されている徳島の素敵な既婚女性たちに編集スタッフが会いに行ってきました。お料理上手なやさしい雰囲気の大人の女性、夫婦で阿波おどりをしている人、バレーが大好きな新妻、仕事とサーフィンと家事・子育てをさらりとこなすママ…その魅力にせまりました。
家事ワザや、チャレンジしたいこと、キレイの秘訣など、参考にしたいこともたくさん教えていただきました。
月刊タウン情報CU*6月号 実売部数報告 cu0706_busuu.jpg cu0706suii.jpg

月刊タウン情報CU*6月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*6月号の売部数は、
8192部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年06月29日

タウトク7月号は夏あそび完全版! tokushima-0707☆特集☆
バーベキュー&キャンプ完全ガイド!
夏だ! 肌を焼くなら肉を焼け!仲間が集まったら気軽に行けるバーベキュー場と、手ぶらで行ける初心者向けから、サバイバル能力が試されるツウ好みなトコロまで、徳島県内のキャンプ場&コテージが43件も載ってます。
☆特集2☆
わが店の五つ星メニュー
シェフ・板前・店長さんが、「絶対うまいけん!」と太鼓判の一品を紹介。

2007年06月23日

巡礼者との旅 後編
pakistan(前編のお話)世界じゅうの旅人がイランを目指していた。高騰する闇両替相場は、最高級ホテルの宿泊費を1泊500円にまで価値を下げた。旅人たちは「テヘランのヒルトンホテルで再会しよう」を別れの言葉とし、地の果てにパラダイスがあると信じ、ひもじい旅に耐えた。そしてぼくは豪雪のトルコ国境からイランに足を踏み入れたのだったのだったのだ。
文責=坂東良晃(タウトク編集人)
 イランのあちこちの村で、ぼくは「アヒョー」と奇声を発しながら暴れ回っていた。といっても、どこかの悪漢と戦っているわけではない。子どもたちのリクエストに応じているのである。
 砂嵐のなかから突如現れた黒髪の東洋人に大コーフンした子どもちは、必ず「ブルース・リーやってやって」と激しくせがむのだ。ならばと下段回し蹴りからハイキックの二段蹴り、そして旋風開脚ローリングソバットという大技を繰り出せば、おおいに盛り上がる。さらに野次馬客からひとり生けにえを選び、四の字固めや猪木ばりの卍固めをかける。金縛りにあったかのような東洋の神秘的魔術(プロレス技だけど)に見まわれると、「この男、ただ者ではない」と畏敬の視線が集まる。
 このカラテショウはたいした盛況ぶりで、常に何十人もの村人に取り囲まれやんやの声援をおくられる。演武をしているうち観客の目に「もっと見たい、もっとすごい技はないのか」と期待の炎が点る。 ぼくは悩む。高校の格闘研究会でやってたタイガーマスクの真似事では、収拾がつかなくなってきたのだ。
 カラテショウに新たなエッセンスを加えられないかと、思いをめぐらせ街をほっつき歩いていると、商店の軒先にぶら下がったヌンチャクが目に飛び込む。値段は100円ほど。「ちょっと試しに」と店の前でブンブン振り回していると、わんさか人が集まってきた。得意の「アチョ〜」の雄叫びを入れてみると、割れんばかりの歓声と拍手。これだこれだ、求めていたのわー!
 それから村に着くたびに、ヌンチャク芸を披露することと。乾いた空気を切り裂き、宙に踊るこん棒。トドメの一発をお見舞いして、キメのポーズをとる。見物しているお客さんがどんどんお金をくれる。「お金いらない、ただ見せてるだけ! これはぼくの趣味でありサービスです!」と大声で断わっても、「おもしろかったよ、とっておけよ若者よ」と返却拒否なのである。
 イランで放擲しまくるはずが、豊かさとは縁遠い村人たちからお金を集めてしまってどーすんだ!と自分自身を責める。
 日々お金は集まるのに、使い道はない。旅の連れであるパキスタン人の巡礼者一行は、ぼくに一銭のお金も使わせようともしない。食事を分け与え、乗り物代を出してくれる。遠慮しても断っても、まったく受け入れようとしない。そしてイランの人びとも、若い旅人であるぼくに食物と寝る場所を寄進してくれる。彼らは、自分より貧しい(と思われる)相手には決して金を払わせない。分け与え、奉仕する、そういう精神が全身に染みついているのである。

 この旅のハイライトが近づいている。
 公定レートの20倍もの闇両替で手にしたイラン・リアルの札束で、首都テヘランで思いぞんぶん贅の限りを尽くすのだ。快楽、放蕩、堕落、デカダンス。そんな魅惑の言葉がアタマを駆けめぐる。五つ星ホテルの高層階、給仕が注ぐ豊潤なグラスワインとフルコース、そしてフカフカのベッドで大の字に寝っ転びながら、夜景を絨毯に絶世の美女と・・・生唾を飲み込む。
 巡礼者を乗せた乗り合いバスは、騒音けたたましいテヘランのバスターミナルに滑り込む。タイミングだ、タイミングが重用なのだ。この街に何か重要な用件があるように匂わせて、親切なパキスタン人たちから一気に離脱するのだ。
 バスがプラットホームに着くやいなや、ぼくはイの一番にザックを棚から下ろし、「じゃあこの辺で」と別れを告げる・・・告げるはずだったその寸前、巡礼者のリーダーはこう言い放つ。
 「兄弟、テヘランは巨大な都会だけどアセる心配はないぜ。俺たちの知り合いの所で寝泊まりできる。オマエはついてくればいいだけだ」。そしてガッチリと腕を取られる。ああ、逃げ出せなかった。こんな貧しい旅をしている彼らにさんざお金を払わせて、今さら「ぜいたくな生活を満喫したいからテヘランまでやって来た。ここからは別行動でお願いします」なんて切り出せない。
 長い距離を歩いて到着したのは、巡礼者が泊まる簡易宿泊所であった。建物の地下にある穴蔵のような場所に荷物をおろす。壁も床もむき出しの土。荒いワラで編んだムシロが敷かれている。ボーゼンと立ちつくすぼくに巡礼者たちは「お金の心配はご無用だ。ここは無料さ」と励ましの声をかける。高級リゾートホテルで豪遊計画は、何の因果か真っ暗闇の巡礼者宿。こそこそと抜け出そうとすると「兄弟、どこいくんだ? 食事ならいっしょに行くぜ」。そして、またもや施しを受ける。晩ごはんはフレンチ・フルコースではなく、むろん庶民食堂のシシカバブーである。
 イランには桃源郷がある、そう信じて旅を続けてきた。しかし、今ぼくは首都テヘランのどこの場所にあるとも知れぬ安宿の、さらに地下にある土ムシロの上で、一滴のぶどう酒を口にすることもなく、爆発寸前の欲望を抱えてらんらんとしたマナコで天井を見上げているのだ。

 三千キロもの長い距離を、こうやって巡礼者たちと旅した。
 砂礫と、岩山と、道。どこまでいっても変わらない風景。太陽がぐるっと天空を半周するあいだ、空が砂が接する境界の方に向かって、彼らは1日5度の祈りを捧げる。
 宿場町もない砂漠の真ん中で、ときおりバスが停まると、乗客たちが四方へと散っていく。そのさまは熱砂の風に吹かれるうぶ毛の生えた種子だ。民族衣装の上着のすそをそのままに、彼らは砂漠のアチコチにしゃがみこむ。最初は祈っているのかと思った。しかしその敬虔さは感じない。もっと人間的な、安堵の匂い。ふだんは対立している厳しい自然と人間がなんとなく調和しあった関係。つまり彼らは、しゃがんで用を足しているのだ。イスラムの男たちは夕陽に染まる紅色の世界を、タンポポの種のようにゆらゆらと歩き、乾いた砂にわずかな湿り気を与えるのだ。

 イランの旅を終え、パキスタンに入り、ぼくは相変わらず街角で大道芸カラテショウをやって見せ、いくばくかの収入を得ながら、衣食住のすべてを巡礼者の財布に頼って旅をつづけた。パキスタンとインドの国境近くの大きな工業都市ラホールが、彼らとの別れの街だった、
 巡礼者のリーダーであるチェ・ケバラ似の男前氏は、「オマエに見せたいものがある」と、迎えにきた欧州車に乗りこむ。ピカピカに磨かれたツヤのあるボディの高級輸入車・・・ん?
 野球場ほどの前庭を構える工場群を、車は猛スピードで進む。やがてひときわ立派な工場の門をくぐる。「私のファクトリーを見てくれたまえ」と述べる彼の顔はキリリと引き締まり、長く旅をともにしてきた土くれにまみれの巡礼者のものではない。油断のない笑顔をたたえたビジネスマンの顔である。工場に足を踏み入れると、巨大な印刷輪転機がうなりをあげ、制服をまとった従業員たちがキビキビと働いている。
 (こりゃ、もしかして?)とアセる。
 1カ月間、ともに砂漠で砂まみれになり、虫食いの毛布にくるまり、ムシロのうえで雑魚寝した巡礼男は、巨大な印刷設備をもつ印刷会社の御曹司だったのだ。彼は語りを止めない。「君はゆくゆくは本を出版する会社をしたいと言っていたね。君がいつか日本で大きな会社をつくったら、私の印刷所に発注してくれたまえ。もちろん安くしておくよ。日本に帰ったら安くインクを仕入れられる会社を調べてくれないか、日本のインクは品質がよくてね・・・」
 そうなのだ。彼は大金持ちだったのだ。一生に一度のメッカへの巡礼を極めて質素に、そして貧しき者に施すことを務めとし、いっときの貧者を装っていたのだ。
 「あひゃー!ほんなら気にせんとテヘランで豪遊したいってゆーたらよかった!!」というぼくの心の叫びは、印刷機の轟音にかき消されてゆくのだった。

2007年06月17日

CU7月号で可愛く美味しく夏あそび♪ tokushima-cu0707☆特集☆
とくしま新入荷!夏のヒットアイテム500&
夏に食べたい!絶品夏グルメ

水着に浴衣、アクセサリー、アウトドア用品など
夏に欠かせない新アイテムを大公開!
そして、リゾート気分の多国籍料理や夏野菜を上手に活かしたヘルシーな一皿、ビールにスイーツなどなど、暑さも跳ね除けるおいし〜い夏グルメが大集合!
さらに…

2007年06月07日

フリーペーパー さらら6月7日号、発行しました! salala0607巻頭特集は、「思春期の子どもをもつ親のお悩み100」。中学生・高校生のお子さんをお持ちをの親御さんに話を聞いたところ、たくさんのお悩みが寄せられました。「子どもの進路にどうアドバイスをしたらいいかわからない(父)」「中学生の息子にヒゲが生えてきたがどうしたらいいか(母)」「娘が露出の多い服を着る…(父」など、学校生活・進路、友人関係、家族との関係、恋愛…その内容は幅広い。ご自分の思春期のころを思い出す人も多いはず。同時に、お悩みに対するアドバイスも募集しています!

2007年06月05日

月刊タウン情報CU*5月号 実売部数報告 cu0705_busuu.jpg cu0705suii.jpg

月刊タウン情報CU*5月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*5月号の売部数は、
6565部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」の実売部数を発表しております。

月刊タウン情報トクシマ5月号 実売部数報告 tautoku0705_busuu.jpg tautoku0705suii.jpg

月刊タウン情報トクシマ5月号 実売部数報告です。
タウン情報トクシマ5月号の売部数は、
8629部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
メディコムでは、自社制作している
「月刊タウン情報トクシマ」「月刊タウン情報CU*」「結婚しちゃお!」
の実売部数を発表しております。

2007年05月30日

月刊タウン情報CU*4月号 実売部数報告 部数新記録達成! cu0704_busuu.jpg cu0704_suii.jpg

月刊タウン情報CU*4月号 実売部数報告です。
タウン情報CU*4月号の売部数は、
8604部でした。
詳しくは、上部に表記してある画像をクリックしてください。
2年半前の創刊当時に比較し、2.4倍もの売れ行きにまで成長してきました。
ご購入いただいた読者の皆さま、誠にありがとうございました。
メディコムでは、「月刊タウン情報CU*」「月刊タウン情報トクシマ」「結婚しちゃお!」の実売部数を発表しております。

2007年05月28日

食べなきゃソン! タウトク6月号は徳島グルメランキング2007 tokushima-tautoku200706☆特集☆
輝け! 2007年 徳島グルメランキング

おいしいお店に行ったなら、一番人気のメニューを食べなきゃ! そんなワケで、「人気店の人気メニューランキング」を教えてもらっちゃいました! 必食メニューばっかりです♪

ミス制服グランプリ第2弾、街一番の美女を探せ、美女数珠つなぎ・・・注目の美女企画もますますアツい!

2007年05月20日

巡礼者との旅 前編
イランと西側諸国との関係が危ういものとなりつつある。
何も起こらなければいいが、と念じる。
イランの人たちほど親切で、男気ある人たちをぼくは知らない。

文責=坂東良晃(タウトク編集人)


1989年冬はベルリンの壁が崩壊し、ルーマニアの独裁者ニコラエ・チャウシェスクが銃殺刑に処された動乱の年だ。揺れる東西ヨーロッパとはまったく無関係に、冬の深夜、ぼくはトルコとイランの国境にいた。
信じられないような大雪が降っていた。砂漠に雪が降ることを、ぼくは知らなかった。
1足100円の革靴は、ソールと革の部分の縫い合わせの糸がほどけ、足の指はみごとに露出していた。指先から凍った雪が侵入し、足を凍らせた。見たことのない巨大な結晶のぼたん雪が、頭や肩に重く降り積もる。
最後の街から国境までは、膝までのラッセルをしないとたどりつかないような悲惨な状況だ。「こんな思いがけない場所で凍死? ヒマラヤでもアフリカでもなく、単なる国境の街で遭難?」。そんな情けない気持ちで雪をかき分け歩く。

ぼくは、2年間もイランを目指していたのである。
80年代後半、あらゆる辺境の旅人がこう叫んでいたのである。「サンクチュアリってのはイランのことだ。すべての旅人はテヘランを目指すべきだ」。そして、突然フニャけたしまらない笑いを浮かべ、夢想の世界にひたりはじめる。よほどの忘れがたい思い出がイランにはあるというわけだ。
その頃、世界には「桃源郷」と呼ばれる街がいくつか存在した。
たとえばアフリカ中央部にあるザイールという国の巨大な大河・ザイール川沿いにあるキサンガニという街。そこには1泊100円で宿泊できる美しい西欧建築のホテルがあり、美人の給仕たちが最高のフランス料理を運んでくれ、そして旅人たちと恋に落ちるのだという。さらに。広大なザイール川の中に浮かぶ島には怪しくネオンサイン輝く魅惑の街があり、絶世のアフリカン美女たちが窓辺という窓辺から「こっちにおいで」と手招きをしている、とか。
あるいは中国とビルマの国境近くにあるガンランパという街。そこでは竹で組まれた高床式の旅籠に1泊50円で泊まれ、毎夜の南国の熟れた果実や、贅沢な肉・野菜料理が20皿も並び、酒は並々と器に注がれ、満足ゆくまで無限に飲食してもよい。エキゾチックなタイ族の美女が月夜に向かって琵琶を奏で、野生の動物たちが遠吠えで合唱する、とか。
美女を求める者はコスタリカ、モザンビーグ、ベトナムへ向かい、無法地帯を漂流したい者はパンガン、ゴア、カトマンズへ。そこにパラダイスがあると聞けば、貧乏旅行者たちは砂糖水に群がるアリのように、世界中からごそごそ集まるのだ。金はかけない。ヒッチハイクか、キセル(無賃乗車)か、自転車か、徒歩か。贅沢して三等列車の床か、トラックの荷台か・・・。どのような手段を使おうとその街に行きたい、その街に行けばどのような夢も現実となる・・・そんな憧憬の的であったのがイランの首都テヘランだったわけである。

理由は単純だった。闇両替・・・ブラックマーケットのレートが異常に高騰しているのだ。イラン・リヤルは、米ドルの公定レートに対して、15〜20倍の取引相場にまでなっていた。
つまり、こういうことだ。米ドルを持っていたら、市場価格の20分の1で値段でモノが買えるのである。しかも元々の物価が高くない国である。だから100円の定食が5円で食え、1000円の中級ホテルに50円で泊まれ、3000円のフルコース料理を150円で堪能でき、1万円のヒルトンホテルにたったの500円で泊まれる。
ボロ切れのような服をまとった貧乏旅行者といえど、数千円の軍資金さえあれば、王侯貴族のような生活ができる・・・という夢のようなお話。
「いつかテヘランに着いたら、ヒルトンに泊まって泡まみれのバスタブに浸かり、150円でフレンチ・フルコースを食べよう。そして中東一美しいと評判の国で、綺麗なお姉さんとデートしよう」
全身ダニ・南京虫に噛まれブツブツ、野生動物にも劣らぬ悪臭を放つ若者たちは、そうやって約束をし別れの時を惜しんだ。そして世界のいろんな場所から、中東の奇跡の街をえっちらおっちら目指したのだった。

風雪のトルコ・イラン国境に戻ろう。雪だるま状態になったぼくに、1人の男が声をかける。
「ヘイユー!国境はまだ遠いぞ、そのまま歩いていくつもりか? よかったら俺たちの車に乗れよ」
男が指をさす方向を見ると、幌もついていないトラックである。荷台には雪まみれになった雪だるま・・・いや人間が乗っている。そしてなぜかこっちを見て笑っている。女性も、子供も、老人もいる。男を見返す。濃いひげが顔中を覆っているが、瞳は街灯を映してキラキラ美しく輝いている。チェ・ゲバラ的美男子だと言える。 彼は再度ぼくに問う。「どこまで行くんだ?」。ぼくは返す「行く先は決めてないけど、インドまで行くつもりだ」。男は誘う「俺たちはパキスタン人だ。メッカに巡礼した帰りだ。いっしょにパキスタンまで行こう!さあ車に乗れ!」。ぼくには選択の余地もない。男に背を押され、トラックの荷台に詰め込まれる。

国境のイミグレーション、つまり出入国管理事務所は雪に覆われていた。たくさんの旅人が建物の中にいたが、イスラム系の商人や巡礼者はスムーズに通過しているようだった。パキスタン人の家族は、もちろん巡礼者のゲートに向かう。「出口で待ってるぞ」と肩を叩く。旅は道連れということなのか。
一方で、ヨーロッパからのツーリストは長い長い列を作っていた。ぼくはその最後尾に並ぶ。白人の若者たちがボヤく。「列に並んで1時間はたつけど、全然進まない。英国人なんてトルコ側に追い返されちまったぞ」。イランの国境役人は、旅行者のすべての荷物を開封し、1つ1つの物品について質問を繰り返している。ストーブの熱で全身につもった雪が溶けびしょ濡れになる。進まない列を1分に3歩ずつ前進する。国境を越えるのに一晩かかるか、と覚悟を決めかけたころ、突然ヒゲ面の役人がやってきて、ぼくに話しかける。
「お前はどこの国から来たのか?」と問う。「日本人です」と答えると、「こっちに来い」と強制的に列から引き離される。瞬時に、この数カ月の間で行った自分の悪事を振り返る。国境警備兵に拘束されるほどの犯罪はしていないはず、いやしている・・・あれがバレてるとヤバい。極度の不安に陥るが拒絶はできない。

いちばん奥の部屋に連行される。板張りのブタ箱行きを想像していたが、そこはきれいな絨毯がしかれた、いかにも上級役人の部屋であった。大きなテーブルの向こうに、仕立てのいい洋服を着た役人がおり、ぼくに目をやる。
「あなたは日本人か?」と彼も問う。工作員か何かと勘違いされてるのか? ぼくはパスポートをゴソゴソ取り出す。彼は、パスポートの表紙だけをチラリと一べつし、こう問いかける。
「あなたは『おしん』と関係はないのか? あなたの出身地は『おしん』が生まれた村とは近いのか、遠いのか?」
唐突なる質問ぼくは混乱する。「おしん」とは、あのNHK朝の連ドラのおしんのことか?
彼はやにわにズボンのすそをめくりあげる。ナイフか拳銃でも飛び出すのか?と身構えると、そこにはおしんのイラストがプリントされた「おしん靴下」が燦然と輝いている。どうやらこの国では、おしんがキャクターグッズ化されるほど流行しているのだ。イラン革命から10年、歴史は確かに転がる石のようだ。
靴下をめくりあげたままで、国境役人は語り続ける。「私は『おしん』を何度も見たよ。どんなに貧しくても、辛くても耐えるおしんの人生は素晴らしい。あのような苦労を日本人は乗り越えて現在にまで成長したのだから、日本という国も評価に値する。日本人はすばらしい民族であり、われわれと感性が似ている。イランへようこそ!」
少し涙ぐむほどの勢いで、どうやら歓迎をしてくれてるようなのだ。そして、がっちりと握手を求められる。写真を撮ろうじゃないか、なぜならお前の顔は「おしん」にそっくりじゃないか。みんなここに集まれよ。きみは真ん中に座ってくれよ。さあ撮るよ・・・。
国境役人との謎の記念撮影会が終わると、ぼくは荷物検査もフリーパスのVIP待遇で堂々イランに入国したのである。
背後から、何人もの役人が「おしーん」「おっしーん」「おすぃーん」と口々に叫んでいる。
国境の建物を出ると、パキスタン人の巡礼者家族が待ってくれていた。
「何時間もかかると思ってたのに早いな。いったいどんなテクニックを使ったんだ?」と、一目置いた表情でぼくを見る。おしんの話は内緒にしておこうと思う。

そして、大雪の中、またしても乗り合いトラックの荷台に詰め込まれ、移動が開始された。雪景色はやがて荒涼とした赤土の平原に変貌し、地平線まで続く砂漠になった。巡礼者たちの旅は過酷だった。無人の砂漠地帯は列車を使ったが、巡礼者同士でボロバスを借りることもあれば、トラックのヒッチをしそのまま荷台で毛布をかぶって寝る夜もある。皮膚という皮膚は、アカと砂が混じった泥質でおおわれた。巡礼者たちは親切で、ぼくを客人として丁重に扱いすべての食事をふるまった。モスリム(イスラム教徒)の人づきあいとは、こんなにも紳士然とし心優しきものなのだろうか。
しかし、ぼくは彼らと別れるスキを虎視眈々と狙っていたのである。このまま巡礼の旅に巻き込まれてるわけいかないのだ。首都テヘランでは、豪華なリゾートホテルの高層フロアにある、庶民の手の届かないフレンチレストランで、最高の女と最高の食事をする予定なのだ。そのためだけに3万キロ以上も移動しつづけてきたのだから。
(つづく)

2007年05月17日

フリーペーパーさらら5月17日号、発行! salala0517巻頭特集は、「家事をしながらちょこっとシェイプアップ!」。おなかぽっこり、二の腕に肉がついてきた、運動不足で…とはいっても、家事が忙しい、時間がない…いろんな理由で実行できないあなたへ。同じ悩みをもつさらら読者が実際に試してよかった!と認めた11の方法をご紹介。洗濯物を干しながら、アイロンをかけながら、掃除機をかけながら…気になる部分の引き締めにトライしませんか。
番外編として、家事以外のシーンでもできる方法も伝授しています。
「鳴ちゅる」著者/中野晃治さん、毎日新聞に登場!narutyuru-midori徳島独特の麺文化、鳴門のおうどんを「タウン情報トクシマ」で3年半にわたって追い続けた内容が1冊になった「鳴門のちゅるちゅるうどん探訪記 鳴ちゅる」。
著者であるフォトグラファー中野晃治さんが、毎日新聞に掲載されました。
体験して初めてわかるその奥深い魅力とは…。ぜひ、「鳴ちゅる」を読んで、癒し系の鳴門のおうどんをちゅるちゅるしてみてください!
*「鳴ちゅる」は、徳島県内の書店・コンビニ・スーパーなど、またアマゾンジャパンにてご購入いただけます